歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

清流無間断

2011年07月09日 | 徒然 -tzure-zure-
七月七日 木曜

七夕。秋田の友人:フリオさんの誕生日。



バレエのレッスン、超久しぶり。どうやらひと月半ぶり。
その間、マサコ先生も色々と大変忙しかった様子。私もまた同様に、実務に忙しかった。バレエといえば。「ブラックスワン」を観た話をする。やっぱりマサコ先生も観てた。ちょうど主演舞台を控えていた時だったから、まったく他人事と思えない共感と苦しさで、観てた、と。私も。あの重い映画、だいぶ引きずっている。

この一ヶ月半くらいの間、柔軟体操や腹筋、背筋などの基礎筋トレを、常日頃からしっかりと
やっているわけなかった私は、嗚呼どんだけ退化してしまってるもんだかと恐縮しきりに、おののいていたが、
夏の暑さのおかげか、想像よりはましだったようである。

冬にひと月空いたときは、ガッチガチでどうしようもなかったのに。




バレエを始めて以来、とりあえず姿勢、身体の芯をまっすぐ伸ばす事だけには、常日頃から気をつけているつもり。それだけでもずいぶん違うらしい。




今回も、
とにかく基礎的訓練。「踊る」には、まだ程遠い。

レッスンの後は、スーパー銭湯で
汗を流す+足裏を丹念にマッサージ+露天風呂で夜風に揺られて、ぼーっとする。
それから、これまた超久しぶりに、なじみの隠れ家居酒屋Mへ。たぶん4ヶ月ぶりとか、そんぐらい。



お客は私だけ。



開け放った窓から、心地好い風が吹き抜けて、蚊取り線香の香り。
なんとなく、ほっとする。
今まで頼んだ事無いお酒を頼んでみる。

ーこの天吹(テンスイ)粕取ってなんですか。

ーああ、「あまぶき」って言うんだよ。米焼酎。

ー「粕」ってことはじゃあ、「じょうご」(奄美の黒糖焼酎)より甘い感じ?

ーじょうごより、そうだね。じょうごの方がサッパリした感じ。

ーああ、ふんふん。、、じゃあ、、アマブキ、ソーダ割り。で。




甘粕の香りがほのかにする。仰る通りに、いつも頼む「じょうご」のサッパリさと比べると、粕っぽい、とろんとした甘い感じが。これはいいかもしれない。

そして
湯葉刺し。大好きな湯葉刺し。しょうがを載せて。ちょっと多めに盛ってくれてるな、と感謝しつつ、でも10秒くらいで飲み干す。それから、アボカド韓国海苔サラダ。大好きなアボカド、そして大好きなカニかまも乗っている。このお店のサラダは、ドレッシング的な余計な水モノがかかってないので、素材をちゃんと食べられるのが、好い。




サービスでカツオのたたきなんて頂戴したりしつつ、マスターと適当なペースで話したり食べたり呑んだりしてると、マサコ先生がご来店。あら、なんつって、一緒にカウンターで杯を傾けていると、今度はこのお店つながりの友人アズサさんもご来店。しばしご歓談。私も特に酒飲みではないので、そこで会えるかどうかなんて、そもそも一年に一、二回か、みたいな感じなので、このたびもやはり、久しぶり。



アポイントメントも無く示し合わせることも一切無く、それぞれのその日の気の赴くまま、来るか来ないかは瞬間の気まぐれ。だから、会えるか会えないかは、まことに運であり、賭け。会えなければ、それはそれで。そういう、束縛の無いつながり。そういう関係性の友人というのもある、というのを知るのは、こうして、「労働する独りの大人」になってから、やっとの話。




他愛のない話で、日をまたぐ。




眠くなって、自転車で帰る。歌いながら夜の野川沿いを帰る。クチナシを生け垣にしている家がある。クチナシが、甘く香って、引っ張って、過ぎてゆく。




七月八日 金曜

建築時代の同期友人KくんとTくん二人が誕生日。いまさらながら、facebookで知った。
最近、facebookをやっと使い出して、まだ馴れないし、もはやめんどくさくなってきて、アグレッシブでも積極的でもないが、とりあえず使ってみている。





tico moonのライブをやるコンサートホール「MUSICASA」を下見に。かっこいい、良く出来た構成のホールで、設計した鈴木エドワードに感心。


代々木上原に来たついでに、昨年お庭を作った某一件のお宅が近いので、伺ってみる。(もちろん前日にアポをとってから。)あいにくお施主さんご夫婦はお出かけしていてお会い出来なかったが、どうぞご覧下さいと、お庭拝見を快諾して下さり、久しぶりに足を踏み入れる。

約一年前に今の会社に入って、すぐに飛び込んで来た、リフォームの話。一番最初の、設計を手がけた庭。いわば処女作。たぶん初めて「やった!完璧に出来た!」と満足出来たお庭。想い入れも、だから、深い。

期待以上に、すこぶる元気に巨大化して茂っている植栽、花。たくさんの花。奥様の丹念な手入れで、とても楽しげに、賑やかに、可愛らしく愉快に、進化していた。おもわず微笑んでしまう。庭にはちゃんと、育て親の心が映る。庭がとても生き生きと、活かされている。生きている。

嬉しい。良かった。
微笑んでしまう。




事務所に帰って、色々整理してみると、いつの間にかまた、手に抱えた案件の数が膨らんでいる。この前ほとんど消化しきったな、と思ってたばかりなのに、あれよあれよ、と。それでも、去年の自分だったらあたふたして混乱していただろう状況だけれど、今や、ずいぶん落ち着いている。もしかしたら私は、この一年で成長したっぽい。と、信じ込むことにしとこう。




夜、お茶のお稽古へ。しかしああ、筋肉痛です。ふくらはぎとか腰とか、来てます、来てますよ。案の定です。




調布から、目指すは新百合ケ丘。京王相模原線、橋本行き。京王永山で、小田急永山にスイッチ。
小田急永山、ホームへの階段を駆け上り切ると、目の前に、
怖いくらいの紅い、深い夕焼け。




このスイッチングの、大体同じくらいのこの時間。その窓に見える空の色は、確かに6月頃から、夕焼け刻に合うようになっていた。そして、毎回はッとしている。
撮る。


今日のお稽古は、夏のお点前。「名水点て」といって、お茶でなく、お水を頂くというお点前を体験。わざわざ早朝に汲んで来たどこぞかの名水を頂く。という設定。ああ、ただの水が、とても沁みる。



お濃茶の稽古のほかに、「葉蓋(はぶた)」のお点前という、季節限定のお点前をやる。大きな葉っぱを水さしの蓋にした、薄茶のお手前。お客様にも水を見えるようにし、視覚的にも「涼」を演出するもの。葉っぱは、梶の葉。畳んで、棄てる。

お軸は「清流無間断」



清流、間断無し。


行く水の流れは絶えずして、、というあれのことだろう。

床の花には、オカトラノオ、ヒオウギ、半夏生、矢羽ススキ。

その席の一期一会の、すべての事象が、暗示的に思える。



お茶を服し、心を鎮め、醒ます。




もうそのまんま帰っても良かったけど、いやいけない、ちゃんと食べとかなきゃと、
駅前の日高屋で、盛岡冷麺と餃子を頂く。



喫煙オッケーなのは頂けないが、スタッフの接客態度は大変素晴らしい。






ところで、こうして書いている間にも、このノートMacは、何度も強制暗転、強制スリープを繰り返している。冷房ファン付きの板みたいなのを敷いてるけど、板がダメなのかマックがだめなのか、全く効果無し。ああ、もうほんと、だめだこりゃ。







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