歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

うふちちぬゆ

2010年08月25日 | 徒然 -tzure-zure-
最近の月、

綺麗なんです。




見てますか?ここ最近の月。

これは2日前の月。

“十三夜”の月。





最近、
仕事からの帰り路は いつも決まって
この湖のある 広い公園を通ります。

ゆっくり、チャリを漕ぎながら。

宵の風と
刈られたての草の甘い香りが、心地好いです。


この月の夜。

ここぞとばかりに:
Coccoさんの「十三夜」という曲を聞きました。


クライマックス。

「あんだぎなーぬ 大月(うふちち)ぬ夜(ゆ)」

という
何度も繰り返されるフレーズがあって。



この 沖縄の島言葉は、


「What a beautiful (big) moon tonight...!」(なんて美しい、大きな月の夜でしょう!)

直訳したら、どうやらそんな感じのようですが、


「What a wonderful moon you are...」(あなたは なんて素晴らしい月なんでしょう...)

という対訳が載っていました。(括弧内は俺の直訳風ザックリ翻訳です;)


月に呼びかけてるんだ。「あなた」、って。
これは、対訳を見ないと、気づかなかった。



Coccoさんの歌詞は 基本的に難解、、というか、
単純ではないので、
対訳として添えられている英訳を見てやっと ニュアンスが理解できる(気がする)ことが
多々、あります。
それは、文学的というのか、詩的というのか。
いずれにせよ、ngch好みです。


昨今、「売れている」「流行っている」と言われたりしているようなのは、
だいたい、
日常会話の中でもとりわけシンプルなことばが、そのまんま。のような、
率直で、ストレートで、
それ以上でもそれ以下でもない
深みも浅みもない

まっすぐだけど
まったいらな歌詞の、「やさしい」うたばかり。

評価基準は、
「泣ける」か、「共感できる」か。

「え?」「これ、どういうこと?」って
立ち止まって 深く考える必要も余地も無いような、
単純明快な、軽い言葉ばかり。

誤解や犯罪につながりそうなキーワードや、なんかは、
なるべく生まないように、超慎重に抑えられている、
健全で、
“正義”なる言葉ばかり。



なんだそれ。


老若男女の、どんな境遇の誰しもが平等に まったく同じように
共感できて、
“正しい解釈”が出来て、
泣けて。

安全で、無難で、
誰も傷つかない「うた」。
誰も責任を問われないような、丁重な「うた」。


なんだそれ。



それが 一応、
「世間のみんなに受けています」「売れてます」という設定になっていて、
一方で
「音楽不況」、「CD売れない」、とか言われてて。

テレビとかのマスコミを通せば、あたかも真実かのように。

その情報を まるっと信じていないといけないのか。
「右にならえ」をしないと、世間からおいてけぼりになると
孤独になると。
不安なのか。



なんだそれ。



確かに毎日毎日、やるべきことが多すぎる。
要らない情報は溢れ過ぎている。

手も足も届かない世界の果てのどこかの不幸な見知らぬ誰かにまで同情のアンテナを立てていないと
正しい人間じゃない みたいな流れ。


翻弄させられて

自分が生きることだけでも精一杯なのに
手に負えないことばかりに、頭ばっかりが振り回されて、
疲れ切ってしまうけど


疲れたから っていって、

流されるままになって


何が真実なのか
何が大切なのか
何が幸せなのか

自分の頭で考えることや
自分の足で立つことを

“なあなあ”なままに
辞めてしまったら、



、、、どうなるんだ?


なんだそれ?


それって、どうなんだ?





今日は満月。



歌庭、どうした?
って

びっくりするのか、退いてしまうのか。
それとも、淡々と「きょう写真すくなーい」と
スクロールして、さっさと閉じてしまうか。


なにも、べつに、

怒ってるんじゃなくて。

むしろ落ち着いていて、
淡々としていて、
病んでいるわけではないけれど、
多分、
なんとなく、哀しい。
それは、確か。





自分の根にはおそらく、いつも常に拭えない哀しみがこびりついていて、
それは 誰が何をどうしてくれたって 生き続ける以上 剥がれ落ちないんだろうけど

一日のうちにひとかけらも哀しみが無いなんて あるのかな?わからないけど。


まあ、今後どうひっくり返るかも、わかんないけど。


Coccoさんの 痛みや哀しみを突いた歌に強く惹かれたり、
影や闇のある人にどうしても惹かれたりするのは、
自分にも同じように そういう闇みたいなものが、あるからなんだろうか、な、
、と、

思ったりして。


「みんなきょうも元気に明るくハッピーハッピー!いえーいエブリデイたのしー!」
みたいな歌には、全く惹かれないことからして。

そう、思ったりもして。


でも、

「ハッピーハッピー!今日も明日もうへへ~~い♪」

って、なっちゃってみたい気持ちも、多分、あるんだろうね。

人の顔って、ひとつじゃないからね。


文章に現れる性格、
表さない表情、

見せている顔、見せない顔、

伝えたいこと、伝えられないこと、

綺麗事、世迷い言、戯れ言、
間違い、勘違い、


どうしても書きたいこと、

ぜったい書かないと決めていること、

何が言いたいのかわからずに書いていること、

書けないこと、

書きたくなくても書いてしまうこと、

書いていなくても にじんでしまうもの。


書いたあとで、やっと、わかったりすること。


その中に、色々な真実と。



ただ、
ウソだけは、つきたくないと想う。

たった一文字の言葉の端っこにも、正しい心を込めたいと想う。

あと多分、
いつも読んでくれて、
ありがとう、
すみません、
と、言いたいのです。

今回、写真が少なくて、その代わりに文章がうっかりやたら長いのは、
例によって、
パソコンが調子悪いから、なのでしたけど。

写真を添えてしっかり書いておきたいことも、たくさんあるけど、
まあ、こういうこともある。
こういう時は、流れのままに。


ふつうに淡々と生きているだけのつもりでも、
明日どう転ぶかもわからない。

例えば、大好きな人が病気になってしまったり。
二度と会えなくなったり。


何事も無い日なんて、一日たりとも、無い。


どういうことだって、ありうる。

楽しいことも、
哀しいことも。


生きようと、
前に進もうとする限り。





「差し伸べられている 月の道」

   (from 「もくまおう」Cocco)





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3 Comments

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Unknown (miyuki)
2010-08-26 23:11:27
月、見てるよ~。
夜、眠れないとき、わりといつも
ぼんやり見てます☆
世の中の「やさしい」音楽に
腹立たしくなる気持ちよく分かる~。
て前も話したかもね。
とても共感しました。
Unknown (ngch)
2010-08-27 07:30:42
眠らずにぼんやり月を見てるmiyukiさんの映像、すごく、目に浮かぶ(笑

夜寝るのがもったいなくなる月夜続き。

こんな駄文に、共感、どうもありがとう。
はじめまして。 (ももち)
2017-07-23 14:05:02
数年前の記事にコメントお許しください。
大月の夜という検索でヒットし読ませていただきました。

歌の歌詞についての考察
全く同感で。

Coccoの歌詞に惹かれる人は
やはり同じような心の傷や闇があるのかなと
思っています。

突然のコメント失礼しました!

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