硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

      櫻の花に恋して

2015年03月24日 | 

川崎鈴彦 作画 「花」 山中に爛漫と咲き誇る櫻の絵

 

 

櫻の花に恋して

 

 

予想より早く開花したようである

昨日午前11時に 気象庁の職員が靖国神社の標準木に 六輪の櫻の開花をみつめたようだ

また今年も 櫻の花爛漫たる時季になってきた

 

皆さんはどちらにお出掛けですか

方々に様々な種類の櫻が咲き 日本中に 人々の微笑が溢れることでしょう

雪が多かった今年の京都の櫻や 古都・奈良の風情ある櫻も魅力的だが

私は被災地に行って 津波到達地点に植えた山櫻のラインを見て歩こうかと思っている

各地の櫻プロジェクトによって植えられた山櫻の成長を見て歩くのが一番楽しい

 

我が家の庭に咲く山櫻も 漸くほころびかけてきたようだ

 

騒々しい世の中だが 花の咲く時季ぐらい季節の風に吹かれていたいものである

谷戸の櫻とは 清少納言の「枕草子」に出てくるから 櫻が邸内に植えられたのは

そんなに古いものとは思えない 御簾のかかる廊下に 櫻のひと枝があるのが いとおかしとある

全国の櫻の公園はすべて危機的状況で あと何年持つのだろうか

染井吉野だけ珍重して植えた結果である 明治ご維新の富国強兵策により

江戸彼岸や山櫻が殆どであったのが 櫻は堅い木がゆえに

櫻の名所の木は 鉄砲の台座として すべて伐採された経緯がある

キナ臭い昨今だからこそ あの時世の哀しみを忘れてはならない

 

生まれてからこの方 櫻の花に恋して 今年も漂うことにしよう

あの世と この世の境に遊びつつ

 

 

我が家の床の間には 既に江戸彼岸の花が満開である

 


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