心の栄養

とりあえず小説を...

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2013-01-12 12:49:13 | 小説
「おカルさんにもそんな風に見えてたの?テツオさんのこと」
「アーラッ!タマちゃん!私だってネッ・・・・。ひょっとして、お仲間になるかも知れない新入りさんのこと・・・・。興味をもって当然でショ!仲間になれるのか?仲間になろうとするのか?それとも?自分勝手に悩んで悲劇の主人公を演じ続けるのか?悩みの出口を見つけようとするのか?様子を見ながら、あれこれ想像しているのヨッ!アレッ?私ってひょっとして、悩んでいるのかしラッ!」
「おカルさんが悩むなんて、よほどのことなのね?」
「タマちゃんが仲間入りをしたときはネンネだったし、私よりもとっても小さかったから気にならなかったけど、テツオさんはオスの人間だし!ある程度成熟しているようにも見えるから、こちら側がどんなお付き合いが出来るか、考えておかないとネッ」
「どうして、そんなふうにかんがえるの?」
「タマちゃんネッ、これからが成長ー・・・・・って相手は、お付き合いしながらお互いに変わって行けるものなのよ。でもねッ、ある程度成熟しちゃっていると、なかなか変化しきれないものなのヨッ。だから、違ったどうしがお互いを認め合って、一緒で別々っていう割り切りが必要なのよネッ」
「フーン?そうなんだ・・・・」
「タマちゃんは育ち盛りだから、何でもじぶんのものにしようとするかもしれないけど、成熟が進むと、そうはいかなくなっちゃうみたいネッ」
「よく、わからないワッ」
「わからなくてもいいのヨッ!こんなやりとりが出来るって幸せなことでしょう?だから!今は、この幸せのなかにスッポリはまっちゃっていたいワッ!」
「テツオさんのことはどうなるの?」
「テツオさんのことで、こんなお話ができたんでショッ!だから、テツオさんに感謝するのヨ。タマちゃん」
「ええ。そうするワッ」
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タマ と てっちゃん

2012-09-28 09:59:21 | 小説
「アーラッ!タマちゃん!チョット横向き加減のあなたの表情って、
なんだか可愛いワョ!」
「アーラッ!そーう!嬉しくなっちゃおうかなぁ!」
 それを聞いたおカルさんは鼻息を荒くして、間延びした顔をタマに近づけた。
「コーレッ!タマちゃん!お姉さんの言い真似なんかしちゃダメでショ!」
 そう言いながらおカルさんは、頑丈そうな歯をむき出しにして、
タマに噛みつくような仕草をしたのだった。
 タマは、身体が硬直して動けなかった。その時、タマは何もしようと
思わなかったのに、身体が自然に仰向きになり、従順の姿勢になった。
「よし・・・・!よし・・・・!それなら許してあげるワッ」
 おカルさんは、気を良くしたのか鼻息をゆっくりに戻して、ニコニコ
顔になった。
 タマがとった姿勢は、相手を許す気持ちにさせるものだった。
「アーラッ!タマちゃん!わかっているのネッ!」
「エッ!何がっ」
「今の体勢ヨッ!」
 タマは、なぜそんな体勢になったかわからないでいた。教えられなくても
自然に出来るのは、考えるという作業を省いて自動的にそうなる仕組みが
身体の中に仕組まれているからに違いない。
 タマは恐怖のあまり、とっさに身を守る仕組みにスイッチが入ったのだった。
「アーラッ!タマちゃんは、わかっていなくても出来たのね!」
「おカルさん!私にはなんだかわからないけど、私が知らないうちに
身体が勝手にうごいたのヨッ!どうしちゃったのかしら?わからないワ!」
「いいのよタマちゃん!私たちの周りはわからないことだらけだし、(私)
って何なのかもわからないんだから、心配することなーんにもなしワッ。
どうして私は「ヤギ」って呼ばれるのかしら?どうしてタマちゃんは「ネコ」
って呼ばれるのかしら?そんなこと考えても答えは出ないのよッ!だからネッ!
「そんなものなのねー」って思っていると気が楽なのヨッ。
つまらないことで悩んで、しかめっ面して生きているより、お気楽バカで
生きているふうに見える方が、よほど悩みが深いかもしれないのヨッ!
タマちゃんが気にしてたテツオさんねッ。つまらないことで悩んでいるのかも
しれないわヨッ!だって、なんだかため息ばかりだし、下を向いてばかりだし、
見るからに、「僕は悩んでいるんです」っていうオーラが、身体じゅうから
飛び出しているわッ!タマちゃん!そう思わない?」
 おカルさんは、タマが聞きたかったことがわかっているかのように、テツオ
さんのことに触れたのだった。
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タマ と てっちゃん

2012-09-27 17:09:47 | 小説
 タマが腹這いになって息を整えていると、後ろから足音が近づいてきた。
タマは、左側の耳だけを足音のする方に向けて注意しながらも、
テツオさんの様子を見続けた。足音は、おカルさんだと知っているタマは、
半ば安心して無私したのだった。
「アーラッ!タマちゃん!そんなに興奮してどうしたのかしラッ!」
「・・・・・・・」
「アーラッ!タマちゃんたラッ!私を無私しているようにしたって!
 気にしていることくらい、お見通しヨッ!」
 タマは息を整えていて、おカルさんに返事をするタイミングを失ってしまったのだった。
ゆっくりと首を回して、おカルさんに顔を向けたタマは、
「わかるぅ」
と、おカルさんに甘えた口調で言った。
「アーラッ!わかるにきまってるでショッ!タマちゃんのお耳が、
私の足音を聞いていたことくらい、ちゃーんとみえるのヨッ!」
「わかっちゃったのねー」
「今更だわよねー!タマちゃん」
「ゴメンねおカルさん。息が上がっちゃったから・・・・・・」
「アーラッ!何を言っているんだかネー!タマちゃんはまだ青春まっただ中でショッ!
息が上がっただなんて、もーっとズーットお年寄りに成ってから吐く言葉なのヨッ!」
「そうなの?」
「そうともサッ! かめのこうよりとしのこう っていう諺があってネッ!
言葉にもバランスというものがあるノッ!例えばネッ!生まれたばかりの子供が、
(私の生き方ってこれで良いのかしら?????)なーんて言ったって、
だーれも相手にしてくれないのヨッ!(何言ってるのよ!おバカさんねー)でおしまい!
充分長く生きて、(私の生き方良かったのかしら?)って悔やむのはゆるされるのヨッ!」
「それは、わかるわ」
「そうでしョッ!たくさん言葉を覚えたからって、むやみに使って良いわけじゃないのヨッ!選んで使う事が、大切なのッ!私はタマちゃんよりお姉さんだから、タマちゃんに
こんなお話しが出来るのヨッ!もし、タマちゃんが私に今のような事を言ったら!
私の美しい歯で、ガブーーーーッ!って噛んじゃったりしちゃうかもヨッ!」
「ねえ、おカルさん・・・・・」
 タマは、話題を変えて、テツオさんのことをおカルさんに聞いてみようと思った。
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タマ と てっちゃん 

2012-09-23 09:39:57 | 小説
タマは、逃げながらもてっちゃんの様子が気になった。

ー チョットだけ振り向いちゃおうかしら。

 そう思ったタマは、物置の二階の窓から飛び降りて、やぎのおカルさんが繋がれている
所まで来ていた。
 タマが振り返って物置の二階の窓を見上げると、てっちゃんがタマに手を振っていた。

ー あーあ・・・・。ビックリして損しちゃったかなぁー。てっちゃんが手を振っている
  ところをみると、悪いことしそうにないものー。

 タマは何となく安心して、その場に腹這いになった。  
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タマ と てっちゃん  24

2012-08-04 09:41:21 | 小説
 タマが窓の外から覗いているのも知らずに、テツオさんは死んでいるように動かなかった。

ー ジッと様子を観ているのも疲れちゃうワ。ここは寝心地良さそうだし、私もゴロゴロ寝ちゃおうかしら。

 タマには、一日の計画などありはしない。タマが毎朝欠かさないのは、縄張りの点検だけだった。
 お気楽に見えているタマにだって、自分なりの仕事というものはある。生きているということは、そういうことだ。と言うことを、学ばなくても身に付いている不思議。
 おひさまのぬくもりを受けているタマは、いつものように幸せな眠りの世界に落ちていった。
 しばらくすると、身体に トン トン トン と振動が伝わってきた。
タマが眼を覚まして窓の中を見ると、テツオさんがこちらに向かって歩いて来る。

ー 襲われるかもしれない!

タマは、一目散に逃げた。
タマはすでに、乙女になっていた。
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