心の栄養

とりあえず小説を...

タマ と てっちゃん

2012-09-27 17:09:47 | 小説
 タマが腹這いになって息を整えていると、後ろから足音が近づいてきた。
タマは、左側の耳だけを足音のする方に向けて注意しながらも、
テツオさんの様子を見続けた。足音は、おカルさんだと知っているタマは、
半ば安心して無私したのだった。
「アーラッ!タマちゃん!そんなに興奮してどうしたのかしラッ!」
「・・・・・・・」
「アーラッ!タマちゃんたラッ!私を無私しているようにしたって!
 気にしていることくらい、お見通しヨッ!」
 タマは息を整えていて、おカルさんに返事をするタイミングを失ってしまったのだった。
ゆっくりと首を回して、おカルさんに顔を向けたタマは、
「わかるぅ」
と、おカルさんに甘えた口調で言った。
「アーラッ!わかるにきまってるでショッ!タマちゃんのお耳が、
私の足音を聞いていたことくらい、ちゃーんとみえるのヨッ!」
「わかっちゃったのねー」
「今更だわよねー!タマちゃん」
「ゴメンねおカルさん。息が上がっちゃったから・・・・・・」
「アーラッ!何を言っているんだかネー!タマちゃんはまだ青春まっただ中でショッ!
息が上がっただなんて、もーっとズーットお年寄りに成ってから吐く言葉なのヨッ!」
「そうなの?」
「そうともサッ! かめのこうよりとしのこう っていう諺があってネッ!
言葉にもバランスというものがあるノッ!例えばネッ!生まれたばかりの子供が、
(私の生き方ってこれで良いのかしら?????)なーんて言ったって、
だーれも相手にしてくれないのヨッ!(何言ってるのよ!おバカさんねー)でおしまい!
充分長く生きて、(私の生き方良かったのかしら?)って悔やむのはゆるされるのヨッ!」
「それは、わかるわ」
「そうでしョッ!たくさん言葉を覚えたからって、むやみに使って良いわけじゃないのヨッ!選んで使う事が、大切なのッ!私はタマちゃんよりお姉さんだから、タマちゃんに
こんなお話しが出来るのヨッ!もし、タマちゃんが私に今のような事を言ったら!
私の美しい歯で、ガブーーーーッ!って噛んじゃったりしちゃうかもヨッ!」
「ねえ、おカルさん・・・・・」
 タマは、話題を変えて、テツオさんのことをおカルさんに聞いてみようと思った。


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