動物相談室

サファリパークの現役スタッフ達が答える動物相談

ウサギの腫瘍

2008年05月18日 | 動物病院係
【Q】質問者:カドッコさん

うちには5歳になるメスのうさぎがいます。
最近目の下が腫れてきて、目やにがよく出て、目が飛び出てきたので病院に連れて行くと濃が溜まっているかもしれないから切ってみるとの事でした。

次の日、全身麻酔をかけ目の下を切ってみたところ濃は出てこなく腫瘍だと言われました。また、口を常にモソモソしている状態で口の中も調べてもらうと腫瘍のせいで歯が押され3本がグラグラになっている状態でした。2本を抜いたところで出血がひどく1本は残したままでその日の手術は終わりました。今は抗生物質を出してもらい1週間飲ませて様子を見るように言われています。しかし最近では口の中が痛いのかご飯もろくに食べません。鼻もじゅるじゅるいってます。その動物病院では脳に近いので手術ができないと言われました。何かいい方法はないのでしょうか?また、本当に手術はできないものなのでしょうか?宜しくお願いします。

【A】回答者:米澤獣医

カドッコさん、こんにちわ。

ウサギさんご心配ですね。
眼の下が腫れてきて、腫瘍ということですが、腫瘍が眼の下から口腔内まで出来ているとしたら、かなり大きな腫瘍だと考えられます。
腫瘍の大きさ、5歳という年齢、餌もろくに食べていないという状況下では、ウサギさんの体力を考えても麻酔をかけるリスクが高すぎる為、腫瘍を取り除く手術をするのは難しいと思われます。

又、眼の下が腫れてくるという症状でよく認められる症例として【歯根膿瘍(歯の根元が化膿してしまう)】という疾患があります。
歯根膿瘍が進行すると、鼻や眼窩(眼の奥)まで化膿が広がってしまう事もあります。
ただし、この場合も今のウサギさんの状況での治療法としては、抗生剤に頼るしかないと思います。

実際にウサギさんを診ていないので推測でしか御答え出来ませんが、動物病院の獣医さんにもう一度お話をされてみるか、セカンドオピニオンとして他の動物病院、獣医さんに診て頂くのも良いと思います。

また何かございましたら御質問下さい。

オウムの毛引き

2008年05月17日 | ウォーキング係
【Q】質問者:竹川勝也さん

我が家のコキサカオウム(6才雄)が1年ほど前から毛引きをして今ではくちばしが届くところは毛を剥いだ鶏肉のようになっています。
これ以上ひどくなると出血する危険があるのでどうすればいいか教えてください。かごには1羽だけですが隣にはシロビタイムジオウムもいます。
よろしくお願いします。

【A】回答者:多田飼育員

竹川さん、こんにちは。
まずは毛引きの原因を絞っていくことが必要ですが、これはとても難しいことです。
毛引きの原因としては、内・外部寄生虫、皮膚炎、なんらかの羽毛異常などの疾病によるものがあります。又、水浴びの回数が少ないことによる脂粉の沈着や羽毛の汚れが原因になることもあります。
まずは動物病院で診てもらうことをお薦めします。

疾病によるものではない場合、退屈や不安などの精神的なストレスから来るものがあります。
その場合、ストレスの原因を探ることが大事です。
例えば、隣のシロビタイムジオウムとのケージの距離や関係性、ケージ内に遊ぶものがないなどetc…
とにかくオモチャなどを毎日交換で入れたり、飽きないように工夫し毛引きから気をそらしてやるようにするしかありません。

毛引きには様々な原因が考えられ、癖にもなるので治すのが非常に難しい場合があります。原因をできる限り絞り込み、それに応じた適切な対処をし、根気よく見てあげることが大切だと思います。

ウサギの不調

2008年05月17日 | 動物病院係
【Q】質問者:うさこさん

ロップイヤーラビット 2才 オス
外の土の上にゲージ置き場と遊び場を作り、自由に動ける環境で飼育しています。

5月14日 餌も水も口にせず、水鳥のようにじっとしたまま動かなくなる。
   15日 前日同様、病院に連れていく。お腹の張りもなく、原因は不明との診断。弱っているので点滴と抗生剤の注射を打ってもらい。翌日も診察に来るようにと言われた。

<質問>
1. ウサギに抗生物質は、命取りになると聞いたことがありますが、大丈夫でしょうか?
2. 元気になるまでの間、家の中に入れたほうがいいでしょうか?それとも、住み慣れた環境のままのほうがいいのでしょうか?
3. 水分補給はどのようにしたらいいでしょうか?
4. 念のため他の動物病院にも行ったほうがいいでしょうか?

今日も、このあと病院に行きますが、一向に良くなる気配がなく、とても心配です。よろしくお願いします。

【A】回答者:米澤獣医

こんにちわ、うさこさん。
早速ですが、御質問に分かる範囲で答えていきたいと思います。

1. ご心配されている様に、ウサギは盲腸発酵をする動物なので、抗生物質を与える事により腸内細菌が死んでしまい、食べ物の消化や吸収に問題が出たり、異常な菌が大量に増え腸炎を起こしてしまう事があると言われています。
しかし、抗生物質の中にもウサギに安全性の高いものから危険度の高いものまで色々あります。
ウサギは細菌感染に弱いとも言われているので、一概に抗生物質は危険だから使用しないとは言えません。動物病院の獣医さんも安全性の高い抗生剤を選択されていることと思います。

2. お家の中に入れてあげた方がいいと思います。
最近は朝と夜との温度差が大きい為、それにより体調を崩してしまう動物も少なくありません。
お家の中で一定温度の中、安静にしてあげてください。

3. 症状をみましたら餌も水も口にしないということなので口からの摂取は、難しいと思います。点滴による水分補給が1番だと思います。

4. 今まで行かれていて、うさこさんのウサギさんの症状をずっと診られている動物病院にかかることが一番良いと思いますが、セカンドオピニオンとして他の動物病院の先生に診ていただき御意見をお聞きになられることも良いと思います。

早くウサギさんが元気になられることを願っています。

うり坊

2008年05月05日 | 園長
【Q】質問者:GON-PAPAさん

宝塚市花屋敷つつじガ丘在住の者です。初めて質問(相談)をさせていただきます。10日程前、犬と散歩中に、近所の大学のキャンパス内の深い側溝に落ちている「ウリ坊」を保護しました。生後1ヶ月も経っていないと思いますが、現在はペット用(犬)の粉ミルクをどんどん飲み、柔らかい果物(葡萄や林檎)を食べています。だんだんとなつき、可愛さは増すばかりですが、野生動物をいつまでも飼育する訳にはいきませんし、人に懐いた今、野山に帰す訳にも行かないと思います。猪牧場では引き取ってくれるらしいのですが、1~2年後には・・・と考えると釈然としません。誠に勝手な相談ですが、何とかこの子が無事に育ち、命永らえるような方法とか、そのような施設は無いものでしょうか、ご回答の程、よろしくお願い申し上げます。写真を一枚添付いたします。

【A】回答者:奥田園長

動物の赤ちゃんは、可愛いもので、困っていたら手を差し伸べるのは、優しい行為であり、GON-PAPAさんがとられた行動を非難する事はできません。ただ、野生鳥獣を一般の方が保護をしたり、飼育する事はできません。

兵庫県の野生動物担当局に相談される事をお勧めいたします。

ドイツの鴨パート2 その後

2008年05月04日 | ウォーキング係
【Q】質問者:斉藤さん

鈴木係長様

こんにちは。ご丁寧なアドバイスをありがとうございます。また、同じマンションの野中様におかれましても当ブログ及び直接お会いしてのアドバイスを頂きありがとうございました。その後につき、本日時点の状況を報告させて頂きます。

雛が孵化し本日雛達が自力で地上階へ降りましたが、一旦母親と過ごすもつかの間、母親が雄鴨達の激しい追尾により親子がはぐれ、現在雛達は他の母親の下で他の子供達と一緒に過ごしております。長くなりますが詳細は以下の通りです。

4月30日(水)朝 雛が孵化し母親のお腹の下に居ることを見つけました。(孵化日は早くて前日の夕方から開始したのではないかと思います。全部で12羽居ました。)元気に動き回っておりこれ以上活発になると下に落下する可能性があることから、同日14時頃に母親を捕まえダンボールに入れ、別のダンボールに雛達もまとめて入れ、地上階へ移動。藪の中でゆっくりとダンボールを空けました。母親は雛達に目もくれず一目散で逃げ出しました。(今思えば当然です)すかさず地上階に居た雄鴨達が激しく追尾しはじめました。追尾は激しく、母親は空へ飛び去る形となりました。追尾された後、母親が我が家の6階のベランダに戻った為、母親に見える様、地上階で雛達をダンボールのまま見せ、それでも降りてくる様子がないことから、ダンボールから雛を出し母親が降りて来るよう促しましたが、追尾が怖いのか一向に降りて来ませんでした。いた仕方なく雛たちをダンボールに戻し6階の母親のもとに戻しました。その日は親子とも6階のベランダで過ごしました。追記となりますが、雛達を地上階へ降ろす為に捕まえた際、1羽が落下しましたが無事でした。家族との合流は出来ませんでしたが、近所の方の話では他の家族に合流したと聞いております。

5月1日(木)朝 前日のこともあり、我々は自然に任せ静観することとしました。(昨日落ちた雛が落下したにもかかわらず無事であったことも1要因でした)母親が子供を引き連れベランダをうろうろし出しました。その際雛が数羽落ちてしまいました。その約20~30分後、母親が地上階へ飛び降りようと試みましたが、飛び降りた瞬間より雄鴨達に激しく追尾され、そのまま遠くへ飛び去る形となりました。子供達は母親が降りた後を追い地上階へ次々とダイブ。驚いたことに両羽を広げムササビが飛ぶ様な形で落下し、見た限りでは全て死ぬことなく無事の様でした。(これで次回は自然に任せても大丈夫である事が分かりました。下は芝生と木のデッキ・通路はタイル張りでしたが多くは芝生及び雑草です)地上階に母親が居ないことから子供達は行き場を失い茂みの中に隠れていました。約20分後、母親は雄の追尾を振り切りながら地上階へ到着。6羽の雛と母親が無事合流を果たしました。先に落ちたであろう数羽の雛を含む他の5羽は不明。残念ながら母親が来る前に食べられた物が目視で1羽確認出来ました。数は6羽に減ったものの、無事親子で行動をし始めたので安心していました。ところが、その後地上階にある池に親子が向かった際、子供がいるにもかかわらず雄達が再度母親を追尾。母親は激しい追尾に耐えられなくなり、飛び立つ形となりました。6羽の雛は池の淵に取り残される形となりました。しばらく親が戻ってこないことから、子供達は池の中で泳いでいた他の家族に合流。合流先の家族(1日前に地上階へ下りていた)は母鴨を含め、見た限りでは拒否している様子はありませんでした。数分後、追尾を逃れた母親が地上階へ戻るとまた雄が追尾を継続、池の中に居る雛達に近づくことは出来ませんでした。母親が子供達の居る池へ近づこうとしようも雄が邪魔する形となり、それがほぼ夕方まで続く形となりました。その間母親は6階の巣に戻り子供が居ないことを確かめたり、地上階や6階から子供に呼びかけるなどの行動を続けていました。目線は定まっていなかった為、他の家族に合流した雛達が自分の子供であるという認識をしているかは不明です。しかしながら母親が鳴くと子供の何匹かが反応している様子が伺えましたが子供達はその家族についていくことと、餌を食べることに夢中になっていましたので母親を探す様子は見受けられませんでした。夕方になると雄の攻撃も弱まり、母親は何とか池に入ることが出来ましたが、母親自身、自分の子供が居る家族に近づくことはせず、子供達も合流先の家族から離れて母親に近づくことはありませんでした。声は聞こえるものの、どこに母親が居るのかが分からなかったのかも知れません。また、時間が経過するにつれ、どれが母親か分からなくなってしまったのかも知れません。(学術的には間違った想像かも知れませんが。)その間、母親は6階の巣に戻る等の行動を引き続き繰り返し、子供を懸命に捜している様子でした。他の家族に合流していることを知っているかは分かりませんでした。ただひたすら探している様子が見られました。そうしているうちに日没を迎えましたが、母親は最後の最後まで声を出して子供達を捜している様子でした。今夜子供達が暖かく暮らしているかが心配です。合流先の家族は全13羽になったはずですが正確には不明です。今日は以上です。家族としてはかなり残念な結果となりましたが、子供達が生きていることが何よりの救いです。進展があり次第、また報告をさせて頂きます。ありがとうございました。

<追記>
追尾の件ですが、池の中で暮らす鴨は野中様の一家ともう1つの家族で、種類としては野中様の写真の様に黒い色をしています。我が家の鴨は色が薄く(別途ブログ投稿用のアドレス宛てに写真を添付します)素人目にも見た目がかなり違います。追尾もしていましたが、雄が池の中に我が家の鴨を入れない様にも見えました。難しいところです。種類の違いについて写真をご覧頂き何か分かるようであればコメントをお願いいたします。

<質問>
よく、鳥は初めて見た動くものを母親と認識すると言いますが、この場合子供達が元の母親に戻る可能性はあるのでしょうか?状況詳細が不明な中、難しい質問となり申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。

【A】回答者:鈴木係長

こんにちは。斎藤さん。
詳しい経過と写真をありがとうございます。
そして、結果としてお力になれなかったことを本当に申し訳なく思っております。

写真を拝見したところ、斎藤さん宅の鴨は間違いなくマガモであると思われます。
野中さん宅の鴨もマガモ(亜種などもあるようなので)と思っていましたがどうやら違うようで調べてはいるのですが勉強不足で申し訳ありません。
正直なところ現段階では種類は判りかねます。
(図々しいお願いですが雄も2種居るはずなので雄の写真があれば種類を判別しやすいのですが・・)

他の鴨の一家と合流したとのことですが写真を見たところ近い種類の鴨でもありますし、雛の孵化日数も近いので母鴨の拒否がなければ大丈夫かと思います。
ただ、他の鴨一家に受け入れられると元の母親に戻るのは難しいかもしれません。

確かに『鳥は初めて見た動くものを母親と認識する』といわれますが、これは限られた種類の鳥のことであり、鴨は私の育すうの経験から人には多少なれますが親と思うことはないようです。ちなみに雁などは(種類によりますが)人に付きやすいようです。

野生下のマガモは10数羽の雛が孵りますが、捕食者に捕らえられたり、病気、気候などによって成鳥になれるのはそのわずかです。
厳しく、悲しい話ですが捕食者もまた生きるために捕らえなければなりません。それが野生の姿とその厳しさなのだと私は思います。
その中でも斎藤さん、野中さん宅から巣立った雛達が少しでも多く元気に成長してくれることを心から祈っています。
今回は、お力になれず本当に申し訳ありませんでした。
私も雛達が心配ですので、また何かありましたらご相談ください。