ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

ポスターの青年海外協力隊員

2011年11月18日 17時54分13秒 | 青年海外協力隊たちの活動
日本で、電車の中吊り広告で青年海外協力隊募集のポスターを見た。
テレビではCMまでやっている。

    

日本の震災の影響もあって、協力隊の応募者は減っているのだと聞いた。

ポスターを見ると、複雑な気分になる。
協力隊募集のポスターは笑顔の隊員と途上国の子どもが
明るい日差しの下、笑顔で向き合う。
テレビのCMもそう。
爽やかに風が吹く中、肌の黒い子どもの肩に協力隊員がそっと手を乗せ笑顔でほほえむ。
とにかくさわやかで、明るい。
こういうイメージを打ち出したいのだろうと思うのだが、
ポスターの中で笑顔を見せる協力隊員は作られすぎてきて、真の姿ではないと思う。

絵になるからか、日本人とは肌の色が全く違う国の子どもとの写真が
こうして広告に使われることが多いのも、いつもひっかかるところ。

私もそういうポスターに惹かれ、憧れた一人で、
隊員の多くがそうだと思うが
こういうポスターで意識的に与えられるイメージから、憧れや理想が過度に膨らむように思う。

実際の協力隊員は、理想とのギャップに苦しみ、異文化世界でうまくいかないことの連続。
四苦八苦しながら生活している。
つまづき転びながら、その中で道を見つけ、意義を見つけ、存在価値を見いだしていく。
協力隊員が任国の人たちに「してあげる」側であるなんていう考えは、全くの間違いだったと
ほとんどの隊員が任国で知り、そこからまた新たなスタートをする。

こんなに苦しいことがありました、
その時こうやってのりこえました、
こんなに大変でしたが、こうやって助けられました、
それこそ、協力隊の真の姿で、それを見せられるような広告にはできないんだろうか、と思う。

このポスターには作り手の意図があるのだろう。

私は、よほど、涙を流している隊員の横顔でもポスターに使う方が
真実だと思える。
イメージや第一印象というのは、とても強い力を持つもの。
応募してくる人たちに夢と希望だけではなく、
こういう苦しさもあり、こうやって乗り越えていくのが協力隊の生活なのだと、
本当の部分を見てもらいたいような気がする。

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