ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

朝の集会  聴覚障害の子どもたちのダンス

2011年11月07日 03時23分17秒 | 青年海外協力隊たちの活動

配属先、コンケン 第9特別教育センターでは、毎朝8:30から集会がある。
知的障害、肢体不自由、自閉症、聴覚障害のクラス全ての子どもたちと、その保護者が
センター正面にある庭に集まり、連絡事項を聞く。
     


そして、輪になり、歌にあわせて体を動かす。ちょっとしたダンス。

この歌とダンスがとてもよくできていて、子どもたちが楽しめるものになっている。
毎日毎日繰り返すというのもいい。
自閉症の子どもたちは毎日決まったものがあるととても落ち着く。
いや、自閉症のみならず、どんな人でもあてはまることだ。


私は、最初の頃はまったく分からずついていけなかった。
それでも子どもたちの前に立たされて見本とさせられるので、
子どもたちに申し訳なく、CDを借りて家で猛特訓をしたり、休み時間にも練習をしたり。
タイ人は細かことを気にしないし、できないということを責めないので、
私ができなくても、全く意に介さず、できないまま子どもたちの前に立たせ続けて気にもとめない様子だった。

覚えようと努力しつつ、しかしなかなか覚えられないのにいらだちながらも、
時がたつうちに次第に覚えて子どもたの前でなんとか見本ができるようになった。


この歌とダンスは、タイの各県にある特別教育センターどこも共通してやっていることらしい。
他のセンターに見学に行ったときにも目にした。   (→過去ブログ 「職員旅行」


何曲か決まった曲を流すのだが、最後に決まって流れる曲がある。
それが穏やかなしっとりとした曲で、振り付けも穏やか。
その曲が流れると騒がしくしていた子どもたちも不思議とぴたりとおとなしく落ち着き始める。
歌が終わると、みな静かな穏やかな雰囲気となり、集会は終了。
魔法のような曲だと思った。

この曲は教室でも授業の始まりや最後にも使われていて、子どもたちの情緒を安定させたり、
静かな気持ちにさせたいときに効果的に使われている。

こういう歌を作ることも、ダンスをつくることも、それをCD化することも、
各県の特別教育センターで共通して実施することも、タイって本当にすごい。
日本でだってできていないことを、タイでやっている。
学ぶこと、頭が下がることが多すぎる。

ただ、難を言えば、せっかくこんな素晴らしいものを作っているのに、
つめが甘い。
いまいち、生かされていない。
見本である先生達がだらだらと体を動かし、そもそも子どもたちの前に立たず、一カ所に集まって先生同士でおしゃべりする。
だから、見本もなく子どもたちと保護者で勝手にやっているときもある。
音楽は毎日流れるけれど、通り一辺倒にやるだけで、参加している子への励ましや、終わったときにほめることをしない。
ああ、もったいない!!
こんなにすばらしいものがあるのに!


一事が万事だが、だいたいそのパターン。
ものはある、だが生かし切れていない。
ものはそろっているが、使い方が雑でまめさがない。

それも、タイのいいところだけど、ああ、もったいない!

熟練の先生達がおしゃべりしている間、子どもたちの輪の中にいるのは私だけという時もある。
子どもたちを褒めているのも、私だけ。
子どもたちを褒めるときにしゃがんでいるのも私だけ。
だったのだが、
半年以上が過ぎた頃、ある一人の先生が、子どもの目線にあわせてしゃがんでほめているのを見た。
聴覚障害学級の若い先生だ。
以前はなかったこと。
それを目にしたときは、嬉しかった。自分が同じ目線で褒められているように嬉しかった。







ある朝の、聴覚障害学級の子どもたち。
歌の「サワッディー」にあわせてワイ(タイ式のあいさつ)するダンスをする。
音楽は全く聞こえていないのだが、前にいる私や、周囲の大人子どもをよく見て
ちゃんと音楽にあったタイミングで、胸の前で合掌する。

3人の子どもが押し合いながら 私の前に来ておどってみせる。
 みてる? ほめてくれる? という子どもたちの気持ちが伝わってくる。
上手! これはたっぷりとほめられなくっちゃ。

      











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