どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム151 『ぼくには何かがタランチュラ』

2017-02-27 01:20:00 | ポエム

 

     タランチュラ

    (ウェブ無料画像)より

 

 

 

  ぼくには何かがタランチュラ

  毒蜘蛛というイメージが定着して

  必要以上に恐れられているが

  セアカコケグモほどの破壊力もない

 

  たしかに図体はでかいです

  メスの大きさは30センチほどにも

  小鳥をつかまえて食べたとか

  噂がひとり歩きして悪魔扱いまでされる

 

  ジャングルに生息するイメージが強いが

  もともとはイタリアの港町タラントが発祥地

  タランチュラコモリグモ科の臆病者で

  普段は控えめな穴ぐら生活をしているのさ

 

  ぼくに咬まれたら最良の治療法として

  はげしく踊り続けろなんていう言い伝えも

  タランティズムは病名と踊りを大流行させた

  ついにはプーリア州の祭りとなって現在まで

 

  だけど、ぼくには何かがタランチュラ

  各地に仲間も多いが風貌がさまざまなんだ

  共通するのは毛むくじゃらの毒蜘蛛イメージ

  悪者扱いを払拭する手立てが見当たらない

 

  いっそ食われてみたらどうだろうか

  立場逆転お茶目な三枚目になれるかも

  狙ってやったわけではないが

  油で揚げて食うやつが現れた

 

  その名は勇気あるお笑いタレント

  ぼくの生まれ故郷タラントと同じ名だ

  気に入ったのは食った上での感想さ

  「カニより旨い!」に長年の憂鬱もすっ飛んだ

 

 

 

 

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