復活!やまがたの四季と暮らし

東北地方を転勤し現在は仙台勤務の週末山形県人。
前タイトル名「山形弁で青森暮らし」から継続のブログです。

濃霧の八甲田・毛無岱

2009年05月25日 20時34分39秒 | 登山
ただでさえ残雪期で登山道が不明瞭なのに、濃霧で見晴らしが無い日曜日の八甲田。

もちろん、天気がいい時に登ったほうが快適だし開放感も違います。

ただ、これはこれで違った楽しさがある。
コンパスと地図を持ってルートを探しながら山の中を登っていくという、普段の生活
では、あんまり経験しないチョッとした冒険感が面白かったりします。
ですから、雨とか濃霧とか気象条件が悪くても、一層自然の中に身を晒した感が高まり
結構好きだったりします。
でも、思った以上に赤テープと竹ポールが刺してあって、ほとんど不安になるような
残雪歩きはありません。すぐに次のポイントが出てきますから。

コースは酸ヶ湯温泉左側の大岳登山口から入山してブナ林を抜け、下毛無岱、
上毛無岱入口付近でUターン、同じルートを酸ヶ湯まで戻ってきてます。
計画では大岳山頂登って、仙人岱ヒュッテ経由しての周回コースで酸ヶ湯まで
帰ってくるはずでしたが、寝坊した上に吉牛よって登山口到着11時。
話になりません。
午後1時タイムアップの上毛無岱までです。





登山口から上り始めて間もなく、霧が立ち込めるブナ林の中を登って行きます。
比較的細くて同じような太さのブナですから二次林のようです。
霧がかかったブナ林もなかなか雰囲気があっていいもんです。


少し登って傾斜が緩くなってくると、樹林帯の中は残雪だらけ。
登山道は一切解らなくなってきます。
残雪の上はブナの芽吹きが進んで、若芽を包んでいた芽燐でいっぱい状態。
雪が色付いているような感じがします。



芽吹き始めのブナの木
八甲田は裾野が広い山ですから、上のから下の方へ段々緑が濃くなっていく様子が、
車を運転してくると道路沿いのブナ林で解ります。



フナの葉っぱは薄くて柔らかく、光をよく通します。
他の広葉樹の樹林帯は光をあんまり通さなくて薄暗いですが、
ブナ林の下は柔らかい光の雰囲気があります。



こんな感じで、ルートを示す赤テープが吊るしてあり、竹ポールも刺してある。



下毛無岱の木道に出ました。
広々とした湿地帯ですが、一見高山植物らしいものは何もありません。
昨年の枯れ草が覆いつくすのみ。
高山帯は気温が低いので、植物はなかなか腐らず土に返りません。
これが積み重なって、池塘帯を形成していくようです。


そんななか低木のマンサクが見えてきました。
周辺をよく見渡すとけっこういっぱい咲いてます。
下毛無岱はマンサクが多く自生しているようでした。
だだほとんど胸あたりの高さの樹高ばっかりでしたが。
木道周辺には、芽吹いたばったりのワタスゲの花芽も見られました。


これも雪解け後、春早く咲くショウジョウバカマがやっと咲き始めている。




少し進むと木道の先に白い集団が見えてきました。



水芭蕉です。

今が見頃のようです。
やっぱり青森って本州最北の地だけあります。
標高の関係も有るんでしょうが、いままで持っていた感覚とは大分違います。
半月以上は遅い感じがします。


ベンチもある八甲田連邦の見晴台
濃霧で何にも見えませんけど、その代わり足元周辺の変化によく気づきます。



数分間の休息をしていたら、段々霧が濃くなってきました。
視界10mといったところでしょうか。




池塘の集団です。



池塘の中をよく見ると、なんかの塊がありました。
かえるの卵のようです。周囲にもたくさん生みつけられていました。
近づいて見ると、中でしっかり生長しています。
こんな標高の高い、厳しい環境の中でも生き物の営みがしっかり行われていました。


木道のど真ん中には、堂々と”うんこ”して行く不届き物までいるし。
雪の上なんかには、うさぎもうんこし放題!

ちなみに雨で濡れた木道はよく滑る。
特に下山時は数えきれない程滑りまくったが、その内1回だけ派手にすっ転んだ!
周囲には誰も居ないのは解っていても、人間って何故か周りをきょろきょろするのは
何ででしょうか。照れ笑いまでして。

もっと登りたいのは山々ですが、帰りの時間を約束してましたから上毛無岱で撤退。
たしかに、登り下りとも誰一人とも行き会わない、濃霧の八甲田・毛無岱でした。

帰りは酸ヶ湯温泉でもと思ったんですが、駐車場に来て見たら観光バスが3台駐車。
駐車場も一般車で一杯状態。中を覗くまでも無くサッサと帰って来ました。


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