写真: チャム学生(撮影 本人)
昨日、松蔭大学では卒業式が持たれました。その中の爽やかな話題を一つ取り上げます。
今年は日本とベトナムの友好年(外交樹立40周年)にあたります。その記念すべき本年に松蔭大学では、奇しくもベトナムから初めて迎えた留学生を、その成績優秀(全学トップ)の実績から、卒業式において学長表彰および学部総代に選出したのです。
ファン・タイ・ゴック・チャム。2011年にホーチミン市の国家大学(人文社会科学大学)から日本へ留学し、松蔭大学観光文化学部3年次へ編入しました。プロの通訳や観光ガイドになりたい、ベトナムと日本の関係がますます発展し親密になるように貢献したいとの希望を持っての入学でした。
その意志にたがわず、日本各地の観光の実態や振興策を学ぶ一方、富士登山や茶道など日本の風土や文化に親しみ、教員や他学生との信頼と友情を育みました。また東日本大震災後は被災地の福島へしばしば足を運び、フォー(ベトナム料理)やベトナムコーヒーなどでの慰問活動を重ねました。
入学当初、講義の日本語が30%しか分からなかったという彼女は、すべての講義をテープにとり、自宅に帰っては改めてそれを復習し続けてといいます。その頑張りには驚かされます。そかしそれにもかかわらず、彼女は被災地の人々の助けあって生きて行こうとする日本人の前向きな姿勢に感動したと常に語っていました。
すべてが前向きなのです。日本人がともすれば忘れかけている心意気といえましょう。