嶋津隆文オフィシャルブログ

嶋津隆文オフィシャルブログ

安田靫彦画伯の我が家への手紙はちょっと自慢

2016年05月18日 | Weblog

先週末、竹橋の国立近代美術館へ安田靫彦展を見に行ってきました。圧倒され

ましたね、何でしょう、あの画の線の細さ、あの彩の柔和さなのに、あの迫力は!

画伯が追及した日本人の「品格」が滲むのでしょうか。黄瀬川の陣の構図、山本

五十六の表情など、どの作品にも「凛」という言葉が浮かばれたものです。

安田靫彦といえば、実は私は父親からよく画伯に関わる話を聞かされておりま

した。戦前、陸軍の軍人として中国に赴任していたおり、部下に安田という男

が配属されていることを知ります。父はある日、彼にこう聞いたといいます。

「貴様の父親は絵を描くと聞いたが本当か」

「はい中尉殿、靫彦といって日本画を描いております」

 いやあ小耳にはさんでいた噂が本当でびっくりした。一枚、私にくれてはどう

かと笑いながら言うと、「ハイ、それはあの、自分は…」と緊張していたな。お

となしい男だったが、しかしよくやってくれていた。暫くして何と父親の安田

画伯から手紙が来た。せがれがお世話になっていますと。この直筆の手紙は我

が家の宝物だよ。

・・・小さい頃からよく聞かされてきた、今は亡き父の自慢話の一つなのです。


この記事をはてなブックマークに追加

「廃校舎は地域の宝物?」、そのテーマのセミナーです

2016年05月05日 | Weblog

 今日はこどもの日。それにちなんでセミナー開催のPRです。来週の金曜に私たちが運営しているNPO(NPO法人フォーラム自治研究)のセミナーを開きます。講師は私。テーマは「廃校活用と地域の活性化」。ぜひお越しください。

セミナーはこの一年、愛知大とFJKとでの共同調査した結果の報告です。少子化で進んだ公立校の廃校数はここ12年間で5,801校。しかもそのうち、「活用されているもの」3,587校(7割)で、「活用されていないもの」1,513校(3割)。空き校舎の活用は少子化のみならず地域の活性化と絡んで各地での大問題となっているのです。その課題を扱います。

セミナー当日の概要は以下の通りです。(参加費:1000円)                                                             日時:5月13日(金)pm7時〜9時    会場:秋葉原和泉橋区民会館4F(秋葉原駅2分)                                     テーマ:「廃校活用と地域活性化」    講師:嶋津隆文(FJK理事長)&久保田経三(FJK理事)                                 

現地調査した全国各地の先行事例を基本とします。例えば農村部では栃木県塩谷町(星ふる学校)、佐渡市(ユニークな学校蔵)、愛知県の東栄町(のき山学校)、徳島県上勝町(山の楽校あさひの宿)など。都市部では豊島区(みらい館大明)、台東区(台東デザイナーズビレッジ)、京都市(学校歴史博物館、京都芸術センター)など。具体的な事例がもっとも有用に説得力を持つと考えてのことです。

ちなみに愛知県のある山間の村でこんな話を聞きました。「ここの集落に現在子供の数はゼロ、全く居ないのです。だから夏休みのキャンプなどで子供達の声が響くことは住民にとって大きな喜びとなっています。地域としては学校の活用は大歓迎です」。都市部の子供たちの自然体験施設の女性管理人の述懐です。「廃校は地域の宝ものです」。こうしみじみ語るなかに、廃校舎をふるさとの元気のために大切に生かそうとする過疎地の願いを、強烈に思い知らされたものです。

 


この記事をはてなブックマークに追加

ちょっと幸福なゴールデンウイークの朝です

2016年05月03日 | Weblog

イギリスのプレミアリーグでレスターの優勝。その結果が少しでも早く知りたくて早朝4時から目が覚めて困りました。いやいやそれにしても気分爽快。岡崎選手にご同慶の至りと素直に喜びメッセージを伝えたい心地です。 

そんなちょっとした興奮のなかを朝から3歳の孫にせがまれ、一緒に多摩動物園行きとなりました。きりんの長い首や象の長い鼻をみるのをすこぶる楽しみにしている様子。その期待に応えられるというだけで、充足感がわいてきます。この単純な自分の反応はまことに不思議なもので、血のつながりの根源さに感じるというものです。 

レスター優勝の歓喜と孫の無垢な笑顔。ちょっと幸福なゴールデンウイークの朝です。その幸福感をひと様にも伝播させようと孫たちの写真を一枚貼り付けます。お笑いください。


この記事をはてなブックマークに追加

「なるほど“鎖国思考”ねえ」と北岡伸一論文に納得

2016年04月27日 | Weblog

久しぶりに中央公論(4月号)をパラパラとめくりながら、北岡伸一論文に目が留まりました。「ニッポンの実力」という特集の一つで、タイトルは「鎖国思考が招く国力の低下」。

そこで彼は硬直した「護憲」や「伝統」に寄りかかった「鎖国思考」をやめようと訴えています。なるほど“鎖国思考”ねえ、とそのワード選択に思わず納得したというものです。

世界の実情を知らない「鎖国思考」が、江戸末期に硬直した「攘夷」を唱えさせました。そのこととパラレルに考えれば、たしかに現代での「鎖国思考」は、例えば世界のシビアな動きもリアリティを持たず、例えば硬直した「無防備」論などとして人々を拘泥させているといえましょう。 

起こってほしくないことは、起きっこないと思いたいのが人の性(さが)。平和をと唱え続ければ戦争など起きっこないという論理です。

ちょうど一か月後の5月27日から伊勢志摩サミットです。その会場にわが渥美半島も隣接するだけに、先日も伊良湖港でテロ訓練が持たれました。しかしそれを包む周りの見守る人々と春の日差しののんびりとしたこと。やはり日本は鎖国なのかもしれません。


この記事をはてなブックマークに追加

立て続けの天災に思う、和辻哲郎『風土』の視座

2016年04月17日 | Weblog

これだけ立て続けに生じる昨日今日の地震に心底、心が痛みます。九州に限らず、ここ何年かで東北の津波があり、阪神大震災があり、新潟の地震がありました。改めて常に天災に苦しめられてきた日本人の風土に対する怨念を想像するというものです。

そういえば哲学者和辻哲郎はその著『風土』(昭和10年)のなかで、日本の風土に対する日本人の心情について、「しめやかな激情」と「戦闘的な恬淡」という言葉で表現しました。

地震や津波など、自然に対して忍従せざるをえなかったことが、日本人の気質形成に影響しているというのです。「豊かに流れる感情がひそかに持久しつつその持久の変化の各瞬間に突発的に激情を生み、突発的な昂揚の裏ににわかにあきらめの静けさをもつこと」と規定しました。

宗教人のような指摘です。現に地震の被害にあっている人々には些かの救いにもならないでしょう。が、それでも私たち日本人の天災に対する絶望感を鎮めるように思われてなりません。和辻の指摘の、日本人の自然に対するしたたかさを、日本の大地に生を得た私たちであればやはり肯定的に汲み取りたいと思うものです。(資料「裾野市富士山資料館」)


この記事をはてなブックマークに追加