嶋津隆文オフィシャルブログ

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国立駅の南口公共施設用地(モデルプラン)への8委員意見

2008年03月06日 | Weblog

今月中にもまとめられるという国立駅周辺まちづくり計画に関し、2月末に作業部会がもたれました。そこで8人全員の委員からの意見が出されました。歯がゆい思いつき論に留まる委員がいる一方で、財源と実現性を直視しようとする指摘が多く、良心と危機感のあるメンバーが存在することに少なからず納得しました。

逆にいえば、殆ど全員の委員がお金や交渉面に無頓着な市政に苛立っているように見えるのです。今回はそうした意見を掲載することで、南口公共施設用地の活用計画(モデルプラン)づくりに一貫して混迷してきた国立革新市政の姿を改めて指摘しておきたいと思います。

(笠井委員)南口のビルが8階立てなら尖塔のような感じにしてレストランやカフェをおく。下の方には医療施設や図書館をおくとよい。「新駅デザイン」に殆ど(JRに市に意見が)反映させられなかった同じ轍を踏むことのないよう交渉に臨んでほしい。

(南委員)モデルプランでは建設工事費が85万円/㎡で170億円(延べ面積2万㎡)とあるが市の財政状況からして適当であるのか。商業的価値の非常に高い空間を公共用途や非収益部門で利用するより市民と市財政に有利な計画を調整すべきである。今後どんな体制とスケジュールで取り組むつもりか説明されたい。

(成瀬委員)モデルプランは費用対効果のバランスが取れるかの不安を感ずる。運営を民間に委託しての方法も考慮に入れ複数案の提示を希望したい。出来るだけ商業空間として活用し財政赤字の軽減に供すべきである。

(中町委員)モデルプランの平面計画での低層部の賑わいの演出や全体との動線モデルとしては現実性に乏しい。財政、費用対効果、可能性を論ずることは容易ではないが、知恵を出さなくてはいけない。

(下山委員)遠方から訪れた方を市内に宿泊してもらう宿泊施設をつくるべきである。

(高橋委員)事業には民間活力を最大限に取り入れることが必要であろう。それには国立市のビジョン、事業展開のコンセプト、それから生じる制約・条件を明確に示すことが求まられる。高層部分にホテルをつくることには消極的にならざるを得ない。

(根本委員)心配はこの計画は市民が勝手に作ったものといわれ、今後多くの利害関係者との交渉で全く白紙からやり直すことになるということだ。国立市、JR東日本の間ではコミュニケーションが図られていない。駅舎復元のため市による用地の購入や借地は難しいので用地を生み出すことはできるのか。市はJRと協力していくべきである。

(内山委員)公共用地の買い戻し費用28億円を考慮するとモデルプランでの投資効果は非常に低い。床面積の増床を図りより有効な利用を図るべきである。この地の価値は建築可能面積で検討すると33,917㎡となる(プランでは19,300㎡)。

このように各委員のポイントを整理してみると浮かび上がることがあります。すなわち財源がゴソっと欠落した国立市の論議では、もう誰もが不安になっているということです。計画の実現性が危うく、JRも東京都も相手にしないのではと感じているのです。それなのに今回の計画づくりも当初から私自身も心配してきたように財源の検討のないまま(あるいは秘匿したまま)に公表されるのです。

ある委員が指摘するように、例えば費用対効果を考えた複数案を出し、それで将来のプランを市民に問わねばいけないはずです。市長がこのことを理解しないなら、事務方で作ればいいのです。「上がダメなら下もダメ」とは近隣の市長さんたちの言です。カネと時間を軽視した市政では、後になればなるほど手痛い火傷を負うことに、もう国立市民は気づかねばならないはずです。

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