ジャン・コクトー自身による詩のCD。
収められている詩は、「天使ウルトビーズ」をはじめ
『オペラ』より「胸像」 「マルタンガル」 「No man's land」や
『幽明抄』 から2篇を含めた13篇の詩をコクトー自身が朗読している。
彼が話す声は「軽金属の声」と三島由紀夫が評したが
詩をゆっくり読むコクトーの声はソフトで音楽を奏でるようにやわらかく
最初は彼自身とは気づかなかったくらいである。
そして、この中に詩人ポール・エリュアールに捧げた詩が挿入されているのが
心を打つ。
他に『オルフェの遺言』からの抜粋で、
詩人(コクトー)が教授によって古代から現代に蘇る場面や
詩人が裁判で尋問されている場面などがライブで入っている。
詩人コクトーが後世に残したかったと思える内容の濃いCDといえる。
1997年 フランス EMI MUSIC