黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

長崎さるく #30 大浦天主堂

2009-07-22 02:55:16 | 長崎さるく
前回の記事で浦上天主堂をアップしたので、
今日からは長崎の教会をアップしようと思います。



長崎の教会といえばやはり国宝:大浦天主堂ですね。
創建当時の姿は殆どとどめていないながら、
一応国内で現存最古のキリスト教建築物であり、
同時に国宝唯一の洋風建築だそうです。
画像は最近の大浦天主堂の正面ですが、
6年くらい前に訪れた時は正面のヤシの木が、
対で2本立っていました。(画像クリックで表示)
また6年前と比べると、壁面もだいぶ汚れた印象です。



創建当時は「フランス寺」とも呼ばれ、
沢山の観光客で賑わったそうですが、
正式には「日本二十六聖殉教者天主堂」。
二十六聖の殉教とは、豊臣秀吉の命令によって
26人のカトリック信徒が長崎で処刑された事件のこと。
その26聖人に捧げらた教会です。



そしてこの聖堂の最も重要な伝説が1865年の信徒発見。
豊臣秀吉から徳川家康の時代の長きにわたって、
弾圧を受けながらも信仰を守り続けた浦上のかくれキリシタン達が、
この聖堂で告白したことによって、
日本にキリスト教が消えていなかったことがわかった出来事。



入口正面に立つ白い奇麗な聖母像は、
かくれキリシタンの発見を記念してフランスから贈られた、
「日本之聖母像」
長崎の教会堂の正面には聖母像が立てられたものが多く、
これまで見た来た聖母像はかわいい印象のお姿が多いなか、
この聖母像はとても奇麗な印象を受けます。



全世界に布教活動をし、そのどの地域でも、
幾多の弾圧の歴史を乗り越えて根づいていたキリスト教の底力を、
ここでも痛感します。

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