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真のドイツとして初優勝 【ドイツvs.アルゼンチン・決勝】

2014年07月14日 | ワールドカップ (ブラジル大会)
■ ドイツvs.アルゼンチン・決勝
   ドイツ(1-0)アルゼンチン
・延長後半8分 マリオ・ゲッツェ(ドイツ)



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■ 超えられなかったマラドーナという象徴

◆ アルゼンチン版・カテナチオ
ドイツは4-3-3のフォーメーション。
前からプレスを仕掛けボールポゼッションを高め、アルゼンチンを押し込む試合の入り方をした。

一方のアルゼンチンは、4-2-3-1。
ただ、実際には4-4の2ラインで後ろに守備ブロックを設定し、4-4-1-1状態から奪って、メッシのスピード、イグアインで迎撃するスタイルである。

試合前、ドイツの絶対的な優位が予想されたが、試合の全体を見れば、試合の主導権を握っていたのはアルゼンチンだったと思う。このチームの特徴である、堅守でドイツに決定機をほとんど作らせなかった。

決勝戦は、総じて固い試合になりがちである。この試合も延長後半8分に、ゲッツェが決めてドイツが勝利したもののPK戦になってもおかしくなかった。ただ、試合内容は、非常に質の高いものだった。決定的なシュートシーンも多く、何よりも時間の経過が早く感じた試合だった。

最後のアルゼンチンは満身創痍だった。ドイツの優勝は、アルゼンチンよりチームとしてのトータルなバランスが良かったからだと思う。例えば、ドイツは控え選手を上手く使って勝ち上がってきた。アルゼンチンは、前向きな交代というより、アグエロの負傷、ディマリアの離脱など、ここまで勝ち上がる為に失った駒を補えるだけの戦力が揃っていなかった。

今大会のアルゼンチンは、守備にウェイトを置き、メッシを王様として、特にグループリーグは守備を免除されているような起用をしていた。ある意味、チーム・メッシである。それは、ブラジルのチーム・ネイマールと似ているが、バルサでの経験、前回大会での経験を経て、メッシ自身がチーム・メッシのプレッシャーに耐えて戦ってきたという印象である。ただ、勝ち上がるにつれてプレッシャーは厳しくなり自由は奪われていた。

惜しむらくは、メッシをフォローするたけの絶対的なFW。あるいは、攻守の切り替えの軸となる選手(ディマリアが担っていたが…。)がいれば、結果も変わったと思う。

グループリーグから1点差の勝利をものにしてきた。顕著なのが、決勝トーナメントに入ってからスイス、ベルギーに1-0で勝利し、オランダには0-0からのPK戦での勝利だった。この堅守を支えたのは、他ならぬマスケラーノである。(元リバプール)
昨シーズン、CL決勝に進んだ、A・マドリーのシメオネ監督の系譜を引き継ぐ、世界トップクラスの「ボール狩り」に秀でたボランチである。

今大会のアルゼンチン代表は、2ラインの守備ブロックを形成し、メッシを王様のように扱うある種、異質なチームだった。基本的に「アルゼンチン版・カテナチオ」である。

結局、またしても、メッシはマラドーナを超えることが出来なかった。マラドーナを超える為には、欧州戦線でいくら活躍してバロンドールを獲得しようともワールドカップで頂点に立ち、ジュールリメ杯に勝利のキスをしなければ超えられないということである。

■ 今大会の3つの特徴

◆ 真のドイツ代表としての優勝
結局、今大会でトータルのバランスとして、一番良かったドイツが優勝した。
もちろん、ドイツもけが人を抱えたりと満身創痍だったであろう。

隠れ死の組と言われたグループリーグGでの戦いは、厳しいものがあった。ブラジル戦での7-1という衝撃的な結果も残し、記憶も記録も刻んだ。決勝戦、ドイツは、アルゼンチン版・カテナチオの門番のマスケラーノに苦戦した。試合のアドバンテージは、アルゼンチンにあった。立ち上がりこそドイツが攻勢だったが、その後、後半20分過ぎくらいまでは試合の主導権はアルゼンチンだった。

もし、アルゼンチンが優勝していれば、聖地マラカナンで優勝するという、ライバルのブラジル対して、1-7という大敗以上の屈辱をブラジルに味わせつつ、86年大会以来の優勝が出来たと思う。

86年大会はマラドーナ率いるアルゼンチンに敗れたドイツ(西ドイツ)。
そのリベンジを90年大会で果たしたドイツ(西ドイツ)。
しかし、試合内容は、今でも覚えているがクソつまらないものだった(笑)
その後、ドイツは低迷期に突入した。
カーン、バラック、クローゼなどが主軸だった、2002年は準優勝をしたものの明確なスタイルと強さがあった印象がない。
ちょうど、世代交代のピークという時期で次の母国大会への前哨だった。その後、2大会連続3位だったドイツ。

今回の優勝は、東西ドイツ統一後、初のW杯優勝という意味では、多様化した人種、統一ドイツとして、過去の優勝とは異なる。そういう意味では真のドイツとしての初優勝を成し遂げたのである。低迷期をに植えた種がやっと花を咲かせたのである。

◆ 今大会の3つの特徴
ブラジルW杯を総括すると、3つの特徴的な大会だった。

ポゼッションからカウンターへ
今大会の印象としては、ボールを奪われたらすぐにプレスを仕掛けてボールを奪い、ショートカウンターから早い攻撃のチームが多かった。これは、前回大会のポゼッション志向から大きな違いである。事実、スペイン、イタリア、日本などポゼッション志向のチームは敗退した。

3バックのチームが残した印象
比較的3バックを趣向するチームも目立った。
ビッグ・サプライズのコスタリカを筆頭に、チリ、メキシコなどは、非常にタイトな攻守を見せ、スモール・ベースボールならなぬ、スモール・フットボールの印象を残した。そして、オランダ(5バックであるが3バックでもある)を趣向していた。
ディティールを見ると、90年代前後の3バック全盛期とは大きく異なるのは、サイドの特徴である。特に、3-5-2系のフォーメーションが4-3-3(4-2-3-1)系と対戦した時に不利になる、3センターの両脇を上手くカバーする戦術があった。(この辺は、長くなるので、割愛。次回以降に)欧州戦線でもセリエAなどで3バックが復興してきた。この辺は、4年後にどうなっているか

GKのマン・オブ・ザ・マッチの多さ

今回大会を一番象徴する特徴として、ゴールキーパーのマンオブザマッチの多さである。
なんと64試合中12試合でゴールキーパーがマンオブザマッチに選出されている。
今大会のMVPがメッシということだが、世界中で「ノイアー」という声も多い、
ドイツのノイアー。
コスタリカのベスト8の躍進を支えたナバス。
メキシコのオチョア。
アメリカのハワード。
スイスのベナーリオ。
結構、良いゴールキーパーが多い大会だった。
これだけ、ゴールキーパーが注目された大会は過去にはない。


最後に、開催国としてワールドカップを戦ったブラジル。結果は、3位決定戦でも0-3とオランダに敗れ、エース・ネイマールへの依存、守備の脆さ、チームとしての強さが感じられなかった。これは南米予選を免除されたことにより予選を戦いながらチームを作り上げるという作業が出来なかったのにも一因がある。結果としては、ある意味当然だったのかもしれない。個のタレントが豊富だった時代のような強さが今は感じられない。4年後のロシア大会に向けて、スペイン、イタリア、イングランド同様、ドラスティックな変革が王者・ブラジルには必要なのかもしれない。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
堪能しました (cska352)
2014-07-14 22:02:49
アルゼンチン頑張りましたね。
よく粘って脅威を与えてました。
国を背負っているんだなと感じました。
ナショナリズムは大嫌いですが、彼らのメンタルを支えていたのは間違いなさそうです。
チームをひとつにするものって大切だなと思いました。

世界をひとつにするものがあるといいというのは誰もが願っていて、特にふさわしいとは思いませんがサッカーにそれを託しているような人もいますね。
私は人を造った神がふさわしいと信じています。


代表チームの魅力、W杯の魅力は個人プレーだなと感じました。
一方小国の戦術やこだわりのチームワークも楽しめました。

2002年はブラジルも5バックだったんですよね。
これから流行るのか注目ですね。

攻撃的な3バックも見たいですが、そういうロマンはクラブレベルで見たいです。
チリがトータルフットボール化したら面白いんですが。

GKの活躍が目覚しかったです。
5バックもそうですが守備が注目されるのはいいことだと思います。
チームを支えているのは守備陣ですから。

いろいろ考えさせられて楽しかったです。
コメント欄を使わせていただきありがとうございました。


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コメントのお返事 (コージ)
2014-07-15 23:53:18
CSKA352さん

いえいえー。
全然、コメントの件は、気にしないで下さい。
きちんとした意見は、昔からきちんと返信してきましたし、色々な意見があるのが、
サッカーは面白いんで(^^)

個人的には、ナショナリズムは嫌いじゃないです。そもそも、ベースにそれがなければ、代表チームなんて利益ないという気もします。
ただ、それに国家が過剰に介入するのは、どうかと思いますけど、事実、過去の1978年アルゼンチン大会にはあった訳で。でも、それはそれで時代というか、フットボールの逆説的な力(影響力)なんじゃないかなと。

そういう歴史も含めて面白いなぁと個人的には思っていますけどね。

どうも更新が最近、遅くてすいません。

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