狸笑庵だより。

ここ狸笑庵(りしょうあん)を訪れる
野鳥たちとのよもやまばなし。

ジャガジャン、残念!

2010-05-31 06:43:26 | Weblog

TV「開運!なんでも鑑定団」が私の町にやって来るそうです。
我が家に「お宝」はないものか?
捜してみてもありませんね。



      

そうそう、親父の愛用していたあの「硯」はどうだろう。
ほこりのかぶった硯をタワシでゴシゴシ洗ってみると
見事な彫り物が浮かび上がってきました。
石に染込んだ墨のほのかな香りもだだよって来ました。
縦40センチ、横30センチ、厚さ42ミリ。硯の裏には北鮮鍾城産と彫られています。

調べてみると鍾城(チョンソン)は、朝鮮民主主義人民共和国咸鏡北道の北部にあった郡、
15世紀に豆満江沿いに置かれた六鎮の一つだそうだ。



そもそも、なぜ、こんな物が我が家にあったのだろう。
子供の頃の記憶では、オフクロの家に戦時中、疎開していた方が
お世話になりましたとお礼に置いていったそうです。
この方は一体、どんな方だったのだろう。
この硯のルーツを探る旅は続きます。



山田の案山子。

2010-05-18 05:48:44 | Weblog

     

最近、案山子(かかし)を見なくなってしまいましたね。
道を走っていても、見かけるのは「山田うどん」の
真っ赤な一本足のかかしの看板ぐらいですね。

案山子は、民間習俗の中では「田の神」であり
霊を祓う効用があると考えられてきました。
カラスや狸やイタチなど鳥獣の害には、
悪い霊が付きまとっていると考えられていたのでしょう。
語源は、元々は中国の僧侶が用いた言葉で、
「案山」は山の中でも平らな場所を差し、「子」は人形を意味するそうですが
今では何の役にも立たない人を「かかし」と、はなはだ失礼な言い方をする。

畑に種を蒔いても、山鳩などは木の上でジィ~と私が帰るのを待っています。
いつまで待っても芽が出ません。
今年もカラスや山鳩に、種を食べられてしまったようだ。

畑や田は戦場です。
人間と鳥獣たちとの、仁義なき果てしない戦いは続きます。
やはり「案山子の神」にお願いしなければ。

近くの畑で見かけた「案山子の神」たちです。
おまわりさんの帽子には、スズメが一匹止まっていました。

 

花田植。

2010-05-13 01:10:30 | Weblog



     

今年も田植えが始まりました。
田植えは古来より神事であり、豊年満作を祈るお祭りでした。
その祭りからは、日本独自の芸能や音楽が生まれました。

黒澤明監督の映画『七人の侍』のラストで百姓達が太鼓や手打鉦や小鼓を
打ち鳴らし「早乙女」たちが田植え唄を歌っています。
音楽担当の早坂文雄さんは、この唄を日本の古い、いろんな地方の
囃子言葉だけを自由につづり合わせて創ったそうだ。

私達の田植えには、元気付けるお囃子も早乙女もいませんが
25センチ間隔で苗をひたすら植えてゆく。
前を見ないように、後を振り返らずに。
朝9時から始まった田植えも4時に終了。
近くの露天風呂で疲れを癒す。



映画『七人の侍』のラストで村人の田植えを背に
主人公の勘兵衛が呟きます。

「今度も負け戦だったな。
 勝ったのは、あの百姓達だ。俺たちではない。
 百姓は土と共にいつまでも生きる」