幸せについての考察 【桐棺三寸】

桐鳳柳雨が贈る、幸せについての考察。
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混凝土(コンクリート)の川

2005-03-19 | 戯言 Ⅰ

僕が生まれて最初に住んだ
三人暮らしの借間(しゃくま)の前に
川が一本ありました。
家と道との間を通る
広くて深いその川は
混凝土(コンクリート)の川でした。
橋の上から眺めて見ると
居るはずのない蟹々(かにがに)が
居るよに見えたものでした。

僕が生まれてその次住んだ
四人暮らしの借家の前に
川が一本ありました。
最初のそれよりちょっぴり狭い
深さのよく似たその川も
混凝土の川でした。
橋の欄干裸になって
渡ると菓子が貰えると
嘘を信じたものでした。

(月日は流れ…)

最初の川に来てみると
そこは歩道になりました。
広いと思ったその幅も
一跨(ひとまた)ぎほどのものでした。
親子で住んだアパートも
とても小さいものでした。

次の川に来てみると
高速道路がありました。
青信号にならないと
渡れないよな幅でした。
親子で住んだその家も
側(そば)の空き地も消えました…。


 (←いま何位?)

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最後までお目通しいただき、ありがとうございます。
あなたに、良いことがいっぱいありますよう…
明日もまた、お会いできたら嬉しく思います。
コメント (2)
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