昨年発見されたZTF彗星が地球に接近し、見ごろを迎えています。
(速報)ZTF彗星が地球に接近(2023年1月・2月) | 国立天文台(NAOJ) https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/01-topics07.html
見ごろと言っても最接近時で約5等級と、都会の夜空において肉眼で見られるほどの明るさではありません。
両目の視力1.5と目がいい方とはいえ、星図を頼りに目を凝らしてみてもさっぱり見つけられず。
まあ、たいていの肉眼彗星は思っているより暗くて地味なものです。
子どもの頃に見た百武彗星やヘール・ボップ彗星は、今思えばとても特別なものだったんですね。
とはいえここで諦めるのももったいない。
双眼鏡や天体望遠鏡はなくても、手元にはPENTAX K-3 markIIIと望遠レンズがあるじゃないか!
じゃあアストロトレーサーType3を試してみるか、ということで寒い中ベランダで粘ってみました。
アストロトレーサーType3は、K-3 markIIIのファームウェアver.1.41から使えるようになった機能です。
Type1・2と異なりGPSユニットを用いず、事前撮影の結果からセンサー上での星の動きを予測し、追尾撮影をします。
シャッターを切るとまず40秒ほどの事前撮影を行い、その後設定した秒数の追尾撮影をしてくれます。
三脚さえあれば星の追尾撮影ができてしまうという、とんでもない飛び道具です。
Type1・2だって他のメーカーがやらないことなのに、その上をやってしまうのがPENTAXらしいところ。
で、何枚も撮影しながら徐々に領域を絞り込み、どうにか捉えたのが次の写真です。
PENTAX K-3 markIII+HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE
300mm ISO800 F6.3 アストロトレーサーType3で50秒追尾
なんだか他の星と比べると、周りがモヤっとしています。
等倍で切り出してみると
ビンゴ!
長く伸びる尾は残念ながら見られませんが、それでもちゃんと写っています。
アストロトレーサーType3すごいなぁ、もっと試してみるべきですね。
2023/02/04 追記
少し画像処理をしてみました。
トーンカーブ調整とハイライトの色相をいじって、それっぽくしてみました。