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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

維新の党規約を徹底解釈する。少なくとも、大阪系グループの「臨時党大会」と「解党決議」は無効です。

2015年10月25日 | 橋下維新の会とハシズム

 松野頼久氏ら維新の党「現執行部」に「除籍」された大阪系国会議員らが、2015年10月24日、大阪市内のホテルで独自の「臨時党大会」を開きました。

 大阪系グループは維新の党執行部の任期は2015年9月末で切れているので、維新の代表は不在であるから、「現執行部」による自分たちの「除籍処分」は無効であり、自分たちには党籍があると主張しています。

 そして、大阪系グループは馬場伸幸衆院議員を「代表」に選出した後、維新の党の解散を決議したと宣言しました。

 もちろん、松野頼久「代表」は

「大会も解散決議も無効」

として解散には応じない方針です。


 さて、ニュートラルに生まれ変わった我がブログ、現執行部とか除籍とかをカッコ書きにしたのは、橋下氏ら大阪系グループの主張によれば、ここが今回の騒動のどちらに理があるかのポイントだからです。

 ポイントは

1 松野氏ら「現執行部」は2015年10月1日以降も執行部なのか。

2 維新の党の執行部には党員らを除籍にする権限があるのか。

3 1,2が肯定されたとして、今回の「現執行部」の除籍処分は規約に則った手続きが取られたか

です。

 すべての質問に対する答えがYESであれば、大阪系の党員たちにはそもそも維新の党の党籍がありませんので、党大会を開く権限はなく、党大会も維新の党の解散決議も無効となります。

 では、さっそく維新の党の規約を見てみましょう。



1 松野氏ら「現執行部」は2015年10月1日以降も執行部なのか。

 末尾に掲載した維新の党の党規約8条には代表という条文があり、

第8条

本党に、代表を置く。

  1. 代表は、党を代表する最高責任者とする。
  2. 代表の任期は、就任から3年後の9月末日までとし、重ねて就任することができるものとする。
  3. 代表の任期満了に伴う代表の選出は、党員による選挙によって行う。代表選出のための選挙は、代表の任期が終了する年の9月に行うことを通例とする。

とされています。

 確かに代表の任期は就任から3年後の9月末日とされており、これは松野氏の任期は江田氏の残任期間の2015年9月末までということで争いがありません。

 しかし、任期が切れた後の代表がどうなるかについては党規約に規定がないので、合理的解釈をするしかありません。

 ここでは解釈の余地があるということであり、裁判になると「現執行部」と、彼らに「除籍」された大阪系グループとで最も争いになるところでしょう。

「臨時党大会」で「新代表」に選ばれた途端に党を「解散」した馬場伸幸議員。史上最短の「党代表」の寿命でしょうね。

 


 裁判上、普通の組織ではどう解決されているかというと、代表者がいないと組織が運営できませんので、任期が切れたからと言って即時に代表者不在になるというようには取り扱われていません。

 任期が切れてから何年も新代表の選出手続きも踏まずにいたら問題ですが、9月末に任期が切れてまだ一か月も経っていないので、松野「代表」ら執行部が不存在であるという解決はされないのが普通で、合理的な解釈と言うべきでしょう。

(会社法351条1項,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律75条1項など)

「臨時党大会」を開いたとたんに、解散決議をする大阪系グループ。

 


 特に、9月は、最重要法案である安保法案を与党が成立させるために史上空前の95日間も国会を延長して国会で審議中であり、野党である維新の党としても緊急事態でしたから、代表選挙を行なわなかったことに合理的な理由があります。

 また、12月には代表選挙を予定しているそうですから、任期が切れていることへの手当てもなされています。

 さらに、維新の党規約付則の第4条には

本規約に定めのない事項については、執行役員会で決定する。

という規定もあり、執行部に裁量権が与えられています。

 ですから、私は、この論点に関しては、松野氏らに理があると考えるので、これからはカッコを取り除いて、現執行部と呼んであげることにします(ニュートラル、めんどくせえ!笑)

ニュートラルでいたい。安倍さんや橋下さんを支持する人のこともわかる。ネトウヨという言葉は使わない。

 

2 維新の党の執行部には党員らを除籍にする権限があるのか。

 これは、文句なく、維新の党の執行部には今回の場合は大阪系グループを除籍にする権限があります。

 なぜなら、もちろん、維新の党とは別に「おおさか維新の会」という国政政党を作ろうとしているからです。これは最も重大な反党行為です。

 維新の党の規約第24条3項を見ると

第24条

執行役員会は、第一項に違反した党員の行為が、党の綱領及び規約に反し本党の運営に著しい悪影響をおよぼす場合、党紀委員会に諮った上で除籍等の党員の身分にかかる処分を決定することができる。

としています。

 別の国政政党を作ってしまうなどは

「本党の運営に著しい悪影響をおよぼす場合」

の最たるものですから、松野氏ら現執行部による大阪系グループの「除籍」処分は有効です。

維新の党からは離党しているのに、なぜか「臨時党大会」後の記者会見では主役のお二人、橋下大阪市長と松井大阪府知事。

 

 

3 1,2が肯定されたとして、今回の「現執行部」の除籍処分は規約に則った手続きが取られたか

 上の党規約24条には、

「党紀委員会に諮った上で除籍等の党員の身分にかかる処分を決定することができる。」

とあり、除籍される本人に告知・聴聞の機会を与えなければならないとはなっていません。

 そんなことが必要だとしたら、本人が呼び出しても出てこなかった場合などに除籍できなくなります。本来はそういう手順を踏んだ方がいいのですが、除籍されるような人が素直に出てくるわけがないので、これは合理的な範囲の手続き規約でしょう。 

 ですので、この規約は適法ですし、今回の大阪系グループ「除籍」処分は有効です。

 したがって、以下、除籍と記載することにします。

 以上を前提にすると、今回の臨時党大会に出席して投票したほとんどの人はそもそも維新の党の党籍がありませんので、「臨時党大会」は党大会ではありませんし、そこで決めたことはすべて維新の党の決議ではありませんから、維新の党は解散にもなりません。

 

 

4 そして、いずれにしても、大阪系グループの「臨時党大会」「解散決議」は無効である。

 今回の大阪系グループの臨時党大会は、東徹参議院議員は,党の特別党員に対し、「臨時党大会」を開催するとの文書を送付したとのことです。

 けれども、維新の党規約6条3項には

「党大会は、執行役員会の承認に基づき、代表が招集する。」

と定め、党大会の招集権者を代表とし、かつ、招集 には執行役員会の承認を要するものとしています。

 松野氏の代表権限さえ争っている大阪系グループが、何も手続きを経ていない東議員がいきなり代表者だというのは無理ですよね。

 この東氏は、「維新の党党大会実行委員会委員長」 なる肩書を用いて「臨時党大会」の招集をしていますが、そんな役員は党規約には規定がありませんので、「でっちあげ」ですw

また、でかいブーメランだ。

 

 

 また党大会規則4条1項 には

「党大会は、代表が、構成員に対して、党大会の日の10日前までに招集状を発送して招集するものとする。」

と定めていますが、代表による招集上も出されていませんので、この点でも「臨時党大会」には重大な瑕疵(かし=キズ)があります。

 よって、昨日、24日に行なわれた「臨時党大会」は無効で、党大会ではありません。

 ですから、その「臨時党大会」で選出された新「代表」も、決議された維新の党の「解散決議」もまた無効と言うか、そもそも成立が否定されます。

 ちなみに、橋下氏は大会終了後に自身のツイッターで

「党大会での過半数の決定が全てだ」「勝負あり」

などと投稿していますが、ニュートラルに言うと、全く事実に反します(普通に言うと、デタラメ。笑)。

 

 

5 振り込まれた維新の党の政党交付金を大阪系グループが使ったら、業務上横領の可能性大。

 しかも、大事なことは、これは松野氏に代表権限があるかどうかという維新の党現執行部と橋下氏ら大阪系グループの争いの結論に関わらず、無効だということです。

 なぜなら、東参議院議員に、党大会を召集する権限がないことは争いようがないからです。

 とすると、少なくとも、解散を前提に、維新の党へ国庫から支出された政党交付金を国に返上するような権限は、大阪系グループにはありません。

 さらに、このお金を動かすと、自己の「占有」する他人の物を横領したことになりますので、業務上横領罪になる可能性が高いです。

 まず、維新の党から法律意見書を求められた元検事の郷原信郎弁護士も同じことを警告しています。

 そこは止めておくように、橋下氏ら大阪系の方々に衷心からご忠告申し上げる次第です。

大阪組が松野頼久代表を申請者にして、維新の党の政党交付金を受領。これは詐欺・横領の可能性あり!

橋下市長が「維新の党に勝てる!」という主張の根拠が、全く関係ない監獄法に関する最高裁判例だった件w


参考記事 郷原信郎弁護士

「弁護士たる政治家」としての橋下徹氏への疑問

 

むごい話だなと思うのは、橋下氏と松井氏は維新の党から早々と離党していて当事者にならず、新代表となったとたんに解散決議を出した馬場伸幸議員や東議員に火中の栗を拾わせていることです。

ずるくないですか。

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毎日新聞 2015年10月24日 21時24分(最終更新 10月25日 02時03分)

維新の党の「臨時党大会」で新代表に選出され、あいさつする馬場伸幸衆院議員=2015年10月24日、三浦博之撮影
 
維新の党の「臨時党大会」で新代表に選出され、あいさつする馬場伸幸衆院議員=2015年10月24日、三浦博之撮影

 維新の党を除籍された大阪系国会議員らは24日、大阪市内のホテルで独自の臨時党大会を開いた。同党の代表は不在として馬場伸幸衆院議員を代表に選出した後、党解散を決議したと宣言した。政党交付金も国庫に返納するとしている。松野頼久代表は「大会も解散決議も無効」として解散には応じない方針だ。

 国会議員は、執行部が除籍した馬場氏ら12人のほか、現在も党に所属する下地幹郎元郵政担当相ら8人の計20人が出席した。地方議員を含め、計約230人が参加した。橋下徹大阪市長や松井一郎大阪府知事は参加しなかった。

 維新には、国会議員、地方議員らの過半数の要求があれば代表が臨時党大会を開催できる規約がある。橋下氏らは「執行部は存在しない」として、議員らの署名を集めて大会を開いた。国会議員20人のうち、少なくとも19人は橋下氏が31日に結成する新党「おおさか維新の会」に参加する見通しだ。執行部側には26人が残留する見通しだが、騒動前の51人からは半減する。

 馬場氏らは近く総務相に代表の変更と解散を届け出る。執行部と意見が対立しているため、総務相が受理するかは不透明だ。「新執行部」に選出された馬場氏ら4人はすぐには新党に参加せず、解散手続きを担う。執行部は解散届が出されれば法的手段で対抗することも辞さない構えで、新党参加議員は除籍する方針だ。

 松野氏は24日夜、記者団に対し「党大会開催は執行役員会で決めると定めており、無効だ」と述べた。執行部は24日夜、総務相に解散届などを受理しないよう申し入れた。橋下氏は大会後、ツイッターで「永田町の国会議員が何を言おうと党大会の決定が全て。無効になるわけがない」と書き込んだ。【福岡静哉、熊谷豪】

 

 

「現執行部の正統性と臨時党大会の不成立についての法律意見書」(郷原・清水弁護士/10月21日公表)

2015年10月21日 活動報告 tag:

法律意見書の概要(弁護士:郷原信郎・清水真/10月21日公表)

(現執行部は正統)

1.松野代表の選任及び任期延長は,党規約等に従って適正になされており,執行役員会等の構成も適正である。よって,松野代表は平成27年10月1日以降においてもその地位を有しており,現執行部は正統なもの。

(理由)

 党規約は,任期満了によらない代表選挙については,党員による選挙以外の方法を可能とした上で,その具体的な方法は執行役員会の合理的な裁量に委ねている。代表選挙規則においても,任期途中の代表選挙においては「執行役員会において臨時緊急であると認める時」に党大会以外での代表選出を認めている。

 党規約は,代表の任期満了に伴う代表選挙は,「代表の任期が終了する年の9月に行うことを通例とする。」と定めており,その時期を9月に限定しておらず,9月以前に行うものともしていない。維新の党は政党であるから,解散総選挙・会期延長などを含め,政治情勢の変動等により代表選挙の実施が事実上極めて困難となる事態は想定できるものである。また,その際には,原則よりも前倒しで選挙が実施できるとは限らないから,党規約は,任期満了による代表選挙が代表の任期満了後に行われることも想定していると考えられる。

 したがって,安全保障関連法案の審議のための国会会期の95日の延長という事態を受けて,選挙の延期が「政治情勢等に係りとくに必要がある」として,新たな選挙制度によって代表選挙を行う上で必要な期間においてこれを延長するとした執行役員会の判断も合理的なものであるといえる。

 そして,前任者の任期満了によって役職者が欠けた場合に,新たに選任された者が就任するまでの間,任期の満了により退任した者が引き続きその職務を行うとの定めは,一般的に合理的なものと考えられている(会社法351条1項,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律75条1項参照)。少なくとも,新代表が決定されるまでの間,松野代表の任期を延期することとした執行役員会の決定は,内容的にも合理的なものであって、有効なものということができる。


(「臨時党大会」は不成立)

2.東徹議員には党大会の招集権も事務を取り扱う権限もないので,党大会を開催することはできない。そこで何らかの内容が決定されても,その効果は維新の党には及ばない。

(理由)
 党規約は「党大会は,執行役員会の承認に基づき,代表が招集する」と定めている。東議員は,代表ではなく,かつ、執行役員会の承認も得ていないから,党大会の招集権を有さず,招集状を発送することもできない。特別党員の過半数の賛同を受けたことによって党大会を開催することなどできないのは当然の事理である。

 松野代表の後任の代表選は,任期満了に伴う代表の選出をすべき場合に該当する。したがって,一般党員が選挙権を有しない党大会によって,新代表を選出することは規約上できない。したがって,この点からしても,臨時党大会による新代表の選出は不適法である。

 松野代表の選任による執行役員会の構成員への就任を受諾し,任期満了による代表選挙の延期や松野代表の任期の延長を提案して賛成していた者、9月末の任期延長後に行われた執行役員会に出席していた者が,松野代表の選出や任期延長を無効であると主張した上で,代表選出のための「臨時党大会」の開催を通知する文書を送付するなどの行為を行うことは,従前の自己の言動に基づいて形成された事実状態を,自己の都合により,一方的に覆し,徒に混乱させるものであって、禁反言の原則や信義誠実の原則などの法理に照らし法的に許容されないというべきである。


(犯罪行為を形成)

3.無効な臨時党大会の決定に基づき、役所へ各種届出を行えば、偽計業務妨害罪、公正証書原本等不実記載罪等に該当する。また、支出権限者に無断で政党交付金を費消した場合、党本部事務局の担当者は業務上横領罪に該当する。

(理由)

 ・総務省(選管)への党の代表変更届、党の解散届

 人を欺いたり不知を利用したりして維新の党の業務を妨害することとなるので,偽計業務妨害罪に該当する(法定刑:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金)。

 ・法務省(法務局)への党の代表変更登記

 松野代表が記名押印していないにもかかわらず,松野代表名義の「代表権を有していた者の記名押印した書面」を作成して提出した場合には,有印私文書偽造(刑法159条1項),同行使(刑法161条1項)に該当する(法定刑:いずれも3月以上5年以下の懲役)。同時に,公正証書原本等不実記載未遂罪(刑法157条3項)に該当し,それによって不実の登記を行わせた場合には,公正証書原本等不実記載罪(刑法157条1項)に該当する(法定刑:いずれも5年以下の懲役又は50万円以下の罰金)。

 松野代表は代表者ではなくなっており代表不在の状況にあり,臨時党大会で新たに代表が選任されたなどとして,後者の新代表名義の書面のみで変更登記を行おうとした場合,「臨時党大会」は党大会ではないので,それによって選任されたとする「新代表」への変更登記申請を行えば,虚偽の申立てをしたことになり,公正証書原本等不実記載未遂罪(刑法157条3項)に該当し,それによって不実の登記を行わせた場合には,公正証書原本等不実記載罪(刑法157条1項)に該当する(法定刑:いずれも5年以下の懲役又は50万円以下の罰金)。

 ・政党交付金の費消

 党本部事務局の担当者は,維新の党の政党交付金を業務上委託されて占有しているものであるから,それを支出権限者に無断で費消するなど,自己又は第三者のために不法に領得する行為は,業務上横領罪に該当する(法定刑:10年以下の懲役)。

維新の党(HP 2015.10.21)
現執行部の正統性と「臨時党大会」の不成立について

 

 

維新の党 規約

平成二十六年九月二十一日制定
平成二十七年二月二十二日改正

第1章 総則

(名称)

第1条

本党は、維新の党と称する。

(党本部)

第2条

本党の本部を大阪府と東京都に置き、主たる事務所は大阪府に置く本部とする。

(目的)

第3条

本党は、党の綱領及びそれに基づく基本政策の実現を図ることを目的とする。

第2章 党員等

(党員)

第4条

本党の党員は、本党の綱領及び政策に賛同する18歳以上の日本国民で、入党手続きを経た者とする。

  1. 党員は、所定の党費を納めなければならない。
  2. 党員の種別は、特別党員[国会議員、地方議員(都道府県議会の議員及び市区町村議会の議員をいう。以下、同じ)、首長及びそれらの公認候補予定者である党員をいう]または一般党員(特別党員以外の党員をいう。)とし、その入党手続き等については、組織規則で別に定める。
  3. 国会議員が入党しようとするときは、幹事長に申し出て、執行役員会の承認を得ることを必要とする。

(離党)

第5条

党員の離党の手続きについては、組織規則で別に定める。

  1. 国会議員が離党しようとするときは、幹事長に申し出て、執行役員会の承認を得ることを必要とする。

第3章 議決機関

(党大会)

第6条

本党の最高議決機関を党大会とする。

  1. 党大会は、年間活動計画、予算、決算、規約の改正及びその他の重要事項を審議し決定する。
  2. 党大会は、執行役員会の承認に基づき、代表が招集する。
  3. 党大会は、構成員の2分の1以上の出席により成立し、その議事は行使された議決権の過半数をもって決する。
  4. 特別党員は、党大会における議決権を有する。
  5. 党大会の構成、運営等に関し必要な事項は、執行役員会の承認に基づく党大会規則に定めるところによるものとする。

第4章 執行機関

(執行役員会)

第7条

本党に、次の各号に定める役割を担うため、執行役員会を設置する。

  1. 党務の執行に関する方針を定め、本規約に定める事項及びその他の重要事項について、党大会の承認、決定を求める。
  2. 国会対策の執行に関する事項を審議、決定する。
  3. 党運営に関する以下の規則について審議、決定する。
    • 党大会規則
    • 組織規則
    • 候補者選定規則
    • 代表選挙規則
    • 幹事会規則
    • 政務調査会規則
    • 総務会規則
    • 党規規則
    • その他、執行役員会にて必要と認めた規則
  4. その他党運営全般に関して総合調整を行う。
    1. 執行役員会は、前項第一号に掲げる重要事項を指定する。
    2. 執行役員会は、代表、代表代行、副代表、幹事長、幹事長代行、政務調査会長、政務調査会長代理、総務会長、総務会長代理及び代表が指名する若干名で構成する。
    3. 執行役員会は、代表が主宰し、その要請に基づき、幹事長が運営する。
    4. 執行役員会は、毎月1回以上行うものとする。
    5. 執行役員会は、代表を含む構成員の2分の1以上の出席により成立する。
    6. 執行役員会の議事は、構成員の過半数の意見をもって決する。

(代表)

第8条

本党に、代表を置く。

  1. 代表は、党を代表する最高責任者とする。
  2. 代表の任期は、就任から3年後の9月末日までとし、重ねて就任することができるものとする。
  3. 代表の任期満了に伴う代表の選出は、党員による選挙によって行う。代表選出のための選挙は、代表の任期が終了する年の9月に行うことを通例とする。
  4. 代表選挙の被選挙権を有する者は、党所属の国会議員並びに地域政党所属の首長及び地方議員とする。
  5. 党員は、代表選挙の選挙権を有するものとする。
  6. 前項に規定する代表選挙については、詳細を別途、代表選挙規則において定める。
  7. 本規約に定める機関の役員等の任期は、代表の任期に従うものとする。

(代表代行及び副代表)

第9条

本党に、代表代行及び副代表若干名を置くことができる。

  1. 代表代行及び副代表は、代表を補佐して党務を遂行する。
  2. 代表代行及び副代表は、代表が選任する。
  3. 代表は、少なくとも1名の副代表を、地域政党所属の首長及び地方議員の中から選任するものとする。

(幹事長)

第10条

本党に、幹事長を置き、その下に幹事会を設置する。

  1. 幹事長は、代表を補佐し、予算を執行する等、党運営を統括する。
  2. 幹事長は、代表が選任する。
  3. 幹事長は、執行役員会の承認に基づき、幹事会の構成員である幹事長代行、幹事、その他必要な役職を党所属の国会議員、首長及び地方議員並びに党顧問の中から選任することができる。
  4. 幹事長は、必要に応じ役職者等の連絡、調整のための会議を招集することができる。
  5. 幹事の総数及び幹事会の運営については、執行役員会の承認に基づく幹事会規則に定めるところによるものとする。

(政務調査会長)

第11条

本党に、政務調査会長を置き、その下に政務調査会を設置する。

  1. 政務調査会長は、党の政策活動を統括する。
  2. 政務調査会長は、代表が選任する。
  3. 政務調査会長は、執行役員会の承認に基づき、政務調査会の構成員である政務調査会長代理、政務調査会役員その他必要な役職を党所属の国会議員、首長及び地方議員並びに党顧問の中から選任することができる。
  4. 政務調査会役員の総数及び政務調査会の組織及び運営については、執行役員会の承認に基づく政務調査会規則に定めるところによるものとする。

(総務会長)

第12条

本党に、総務会長を置き、その下に総務会を設置する。

  1. 総務会長は、執行役員会で定める党の組織活動、広報宣伝活動、交流活動及び財務・経理等の総務を統括する。
  2. 総務会長は、代表が選任する。
  3. 総務会長は、執行役員会の承認に基づき、総務会の構成員である総務会長代理、総務会役員、その他必要な役職を党所属の国会議員、首長及び地方議員並びに党顧問の中から選任することができる。
  4. 総務会役員の総数及び総務会の組織及び運営については、執行役員会の承認に基づく総務会規則に定めるところによるものとする。

(候補者選定手続き及び決定機関)

第13条

衆議院議員選挙、参議院議員選挙、首長選挙、地方議員選挙の候補者の公認、推薦等は、執行役員会の承認に基づき、代表が決定する。

  1. 衆議院議員選挙における比例代表名簿の登載順位、参議院議員選挙における比例代表選挙の名簿記載順番は、執行役員会の承認に基づき、代表が決定する。
  2. 代表は、執行役員会の承認に基づき、第一項の公認、推薦権の一部を都道府県総支部に委任することができる。
  3. 執行役員会は、公職の候補者の公認、推薦について、必要があると判断する場合は、前項に基づく委任の場合を含めて、決定を取り消すことができる。
  4. 前各項の手続きの詳細については、別に候補者選定規則で定める。

(本部の設置)

第14条

幹事長は、本党が全党をあげて取り組む重要事項に関して、臨時の本部を設けることができる。

  1. 設置する本部の長は、幹事長が選任する。
  2. 本部の長は、幹事長の承認の下に副本部長、本部員等を選任することができる。

第5章 特別機関

(諮問機関)

第15条

本党に、諮問機関を置くことができる。

  1. 諮問機関は、代表または執行役員会の諮問により、党の重要問題について審議し、答申、意見具申等を行う。

(最高顧問及び顧問)

第16条

代表は、党最高顧問、党顧問を選任することができる。

(党紀委員会)

第17条

本党に、執行役員会の諮問機関として、党紀委員会を設置する。

  1. 代表は、執行役員会の承認に基づき、党内外から党紀委員長及び党紀委員若干名を選任する。
  2. 党紀委員会は、諮問を受けた場合のほか、自らの判断に基づいて、執行役員会に対して党員の党紀遵守に関して意見を述べることができる。

(会計監査)

第18条

本党に監査委員会を置く。監査委員会は党の経理を監査する。 2 会計監査人は、代表が選任し、執行役員会の承認を得る。

第6章 国会活動

(国会活動)

第19条

党所属国会議員は、国会内での活動のために必要な組織及び役員を置き、会議を開催することができる。

  1. 国会活動の詳細については、別に国会活動規則で定める。

第7章 地域組織

(国会議員選挙区支部)

第20条

衆議院議員及び公認候補予定者並びに参議院議員及び公認候補予定者の活動を支える党員組織として、国会議員選挙区支部を設けることができる。

  1. 国会議員選挙区支部の支部長は、党所属国会議員または国政選挙の公認候補予定者が務めることとし、その任期は当該国政選挙期日までとする。
  2. 国会議員選挙区支部の支部長の任期及び交代に関する必要な事項は、組織規則の定めによるものとする。
  3. 国会議員選挙区支部は、本規約に準じて規約等を定め、適正な組織運営に努めなければならない。

(都道府県総支部等)

第21条

都道府県に、都道府県総支部を置く。総支部の代表は特別党員が務める。

  1. 全ての特別党員はいずれかの都道府県総支部に所属しなければならない。一般党員は全て、いずれかの都道府県総支部にのみ所属するものとする。
  2. 都道府県総支部は、当該都道府県に属する市区町村(指定都市の行政区を含む)を活動区域とする市区町村支部を設立することができる。市区町村支部は、本党の支部とする。
  3. 市区町村支部の支部長は、党籍を有する首長、都道府県議会議員または市区町村議会議員が務める。
  4. 都道府県総支部及び市区町村支部は、本規約に準じて規約等を定め、適正な組織運営に努めなければならない。
  5. 都道府県総支部は、必要に応じ一定の地域を単位とする地域支部を設置できるものとする。地域支部は、本党の支部とする。
  6. 地域支部の支部長は、その地域に関係する一定数を超える一般党員を代表する者とする。

(地域政党)

第22条

代表は、執行役員会の承認に基づき、重要な都道府県総支部を、地域政党として指定する。

(支部の設置及び廃止等)

第23条

国会議員選挙区支部、都道府県総支部、市区町村支部及び地域支部の設置及び廃止、または支部長の選任には、幹事長が認め、執行役員会の承認を要する。

  1. 都道府県総支部の代表には、幹事長が指定する特別党員から選任しなくてはならない。
  2. 幹事長は、執行役員会の承認に基づき、市区町村支部及び地域支部の設置及び廃止、並びに支部長等の選任権の一部を都道府県総支部に委任することができる。ただし、地域政党として指定された都道府県総支部には、原則として委任するものとする。
  3. 幹事長は、とくに必要と判断する場合は、執行役員会の承認に基づき、都道府県総支部または支部の廃止に必要な措置を講ずることができる。
  4. 都道府県総支部または支部の設立、異動、解散に関する党内手続きについては、組織規則の定めによるものとする。

第8章 倫理

(倫理の遵守)

第24条

党員は、政治倫理に反する行為、党の名誉を傷つける行為、本規約及び党の諸規定に違反する行為を行ってはならない。

  1. 執行役員会は、党員が前項に違反した場合、当該党員の行為について速やかに調査を行った結果に基づいて、党紀規則にしたがい必要な執行上の措置を決定する。
  2. 執行役員会は、第一項に違反した党員の行為が、党の綱領及び規約に反し本党の運営に著しい悪影響をおよぼす場合、党紀委員会に諮った上で除籍等の党員の身分にかかる処分を決定することができる。

(党紀規則)

第25条

党員の党紀の遵守、党紀委員会の設置、党員の権利擁護等に関して必要な事項については、執行役員会の承認に基づき、党紀規則に定める。

(企業団体献金の禁止)

第26条

本党は、企業または団体からの寄附を受け取ってはならない。

  1. 本党の全ての支部は、企業または団体からの寄附を、本党組織からの寄附を除き受け取ってはならない。

第9章 会計及び予算等

(党財政)

第27条

本党の経費は、党費、寄附、事業収入、政党交付金その他の収入をもって充てる。

(会計年度及び予算、会計監査)

第28条

本党の会計年度は、1月1日から12月31日までとする。

  1. 幹事長は、執行役員会の承認に基づき、会計年度毎に予算を調製し、党大会の承認を得なければならない。
  2. 総務会長は、執行役員会の承認に基づき、会計年度毎に会計報告を作成し、会計監査人の承認を受けた上で、党大会の承認を得なければならない。

附則

(規則等)

第1条

本党は、本規約で委任を受けた事項または本規約を実施するために必要な事項について、執行役員会の承認に基づき、規則等を定めることができるものとする。

(改正規約の発効)

第2条

本規約は、決定と同時に発効する。

(規約の改廃)

第3条

本規約の改廃は、党大会において決定する。

(補則)

第4条

本規約に定めのない事項については、執行役員会で決定する。

(経過措置)

第5条

党の設立にかかる経緯に鑑み、結党から1年間に限り、本党に代表二人を置くことができるものとする。

  1. 都道府県総支部が存在しない地域にあって、都道府県総支部に対して行う手続きは、維新の党幹事会に対して行うものとする。
  2. 本党及び本党の全ての支部は、当分の間、第26条の規定にかかわらず、政治資金規正法に規定する政党及び政治資金団体に対してされる政治活動に関する個人のする寄附について超えてはならないとされる額を限度として、企業または団体からの寄附を受け取ることができる。 (企業団体献金禁止に関する経過措置)

第6条

本党及び本党の全ての支部は、平成28年1月1日以降、本則第26条の規定に従い、企業または団体からの寄附を受け取ることを禁止する。

  1. 附則第5条第3項は、平成27 年12月31日をもって失効する。

 

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12 コメント

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Unknown (とら猫イーチ)
2015-10-25 12:42:50
 御説のとおりです。

 維新の党規約に依れば、執行役員会の権限として党規約第7条に挙げられていない事項に関しては、補足第4条で包括的に挙げられている、と観られる訳ですから、代表と執行役員についても、その選出までの暫定措置として執行役員会の決に依り、その任についている、と認められるのでしょう。 

 勿論、その旨の主張は、現代表と執行役員会共々がされるでしょうし。

 政党等の任意団体については、その運営等は、包括的にその代表者や、執行役員等の裁量権限を有する者に任せられていると解すべきでしょうから、その裁量に余程の瑕疵が無ければ、司法に依る統制は出来ないものと思われますので、橋下氏の解釈は、勇み足のようですね。 

 それにしても、橋下氏は、弁護士なのに、どうして、会社法等では、良く争われる事項で間違いを犯すのでしょうか。 

 自治体法務でも、これに似た問題は、よくありますし。 各行政庁でも訴訟等では、お馴染みの問題なのですが。 

 裁量・統制論は、行政法の教科書でも詳しく説明され
ていますし。。。

 こんな問題を裁判所に上げても、裁判官は、陰で言うでしょうね。 「勝手にやれよ!」って。 ま、国費が絡んでいますけれども。 
返信する
まさにそのとおり! (ゆう)
2015-10-25 13:02:26
なお、おおさか維新は「召集手続きに瑕疵があったとしても、現に過半数を超える特別党員が出席している以上、瑕疵は治癒される」と主張してくること間違いなしですが、確か、過去の判例では召集手続きは絶対的だったと記憶しています(橋下氏は、また一般法令は政党には適用されないと言うでしょうけど。そう言う本人は監獄法の判例なんか出してきちゃったりしていますが(笑))。
また、10月6日の政党助成金の請求自体は違法性はないように個人的には思います。
返信する
弁護士になってあげてください (マキオチダイエット)
2015-10-25 20:05:00
いつも諸問題へのツッコミ?をおもしろく読まさせていただいています。

規約うんぬんは難しい話で分からないことも多いですが、今回の橋下の口の悪さや、言動の変節は特に際立っていて、見苦しいほどなので、ぜひ維新の党の弁護士になって頂いて、橋下を打ち負かしてほしいです(笑)
返信する
自分が原因なのに (リベラ・メ)
2015-10-25 20:39:40
橋下さん、貴方が切っ掛けを作ったのに、松野さんを悪し様に言うのは変です。「分かった。俺は出て行く。全部お前達にやる。俺は俺の為の新しい政党を作る。今からはrivalだU+203C」って潔く言って別れれば良かったのに…。
返信する
珍説ですなあ (通りすがり)
2015-10-25 23:34:09
団体法のいろはも無視した暴論ですね。
全員出席総会なら召集手続すっ飛ばすのもありかもしれませんが、過半数で良いとは(笑)

規約、私も一読しましたが、信じられないほど出来が悪い。執行部がどう選任されるかすら書いてない。団体統治の基本が無視されている。これはアホが作ったというよりは、橋下独裁を可能とするためでしょうね。ただ、普通団体の規則では、新たな役員が選出されるまでの間、旧役員が職務を行うと明記されてるのが普通ですが、それすら書いてないのを見ると、やっぱりアホが作ってるというのが正解なのかもしれません。
返信する
痛快 (呉瀟)
2015-10-26 02:09:34
いや、読みやすく面白かったです!

橋下維新の滑稽さがよく伝わってきました。有り難うございました!
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Unknown (Unknown)
2015-10-26 06:30:50
コメント欄もツッコミどころ満載なんだけど、執行部の選任方法も記載されているし、党大会招集手続きに関してはそもそも執行部もどきが独断で規則を書き換えてるので瑕疵は無く、維新の党は国会議員、地方議員同列としてるのでその手段として特別党員の過半数の要請で党大会が開催出来るようになっている。党規約が出来が悪いとの指摘は最高議決機関の地位強化の為にあえてそのようにしてるわけだ。まあここの管理者はそんなに自信があるなら維新の党の弁護でもやってみたらどうか?直に金が無くなるから報酬は出ないかもしれないけどなw
返信する
当ブログへのコメント注意書き (raymiyatake)
2015-10-26 06:58:56
当ブログへのコメント

あまりお答えできませんがコメントを歓迎しています。
記事に批判的でも一向にかまいませんが、必ず記事を読んでからコメントしてください(笑)。

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「政党法」を定める必要が (sumiyan)
2015-10-26 07:50:23
ある、と思われます。

なるほど政党は、自主作成の自律団体には相違ないが、といって、税金たる政党交付金を受領するのを認められているゆえ、全くの治外法権を持つ団体だ、とするわけにはゆかない。

法の支配を、政党という団体に浸透浸潤させるために、政党法が要るのでは。
返信する
Unknownさんの見解について (ゆう)
2015-10-26 19:59:45
「維新の党は国会議員、地方議員同列としてるのでその手段として特別党員の過半数の要請で党大会が開催出来るようになっている。」
→なっていませんよ。党大会規則(改正前)には確かにそれらしき記載はありました。
仮に改正が無効だとしても、過半数の要請だけではできません。
なぜなら、党大会規則は、規約の下位規定であり、上位規定たる規約に、「執行役員会が承認し、代表が召集」とある以上、例え、過半数が要請しても、不可能です。
それより、様々な団体では、代表や執行部が独走する場合に総会が開催出来なくなることに備え、「代表が召集しない場合は、構成員の過半数の要請があれば、監事が召集出来る」みたいな規定があり、こういう規定がないことが、よくなかったですね。
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