またも橋下徹大阪市長と大阪維新の会の敗訴です。
2015年6月1日付けで、大阪地方裁判所は橋下市長と維新の会に対して、維新のHPにアップして公開した事実無根の演説をする橋下市長の動画を削除するように命令しました。
読売新聞はこのように伝えています。
前市長批判の演説、橋下氏に動画削除命じる決定
大阪市の平松邦夫・前市長が、橋下徹・同市長(大阪維新の会代表)の演説で、公職選挙法違反をしたかのように言われ、名誉を毀損きそんされたとして、演説の映像をインターネットの動画サイトなどから削除するよう求めた仮処分の申し立てがあり、大阪地裁(古財英明裁判長)は、橋下氏と維新側に、削除などを命じる決定を出した。1日付。
決定によると、橋下氏は今年3月、大阪市内の公園などで支持者らに「平松さんは僕と戦った(2011年の)市長選で、町内会に100万円ずつ、領収書抜きで配った」と演説した。
橋下氏側は、この趣旨について、平松氏が市長時代、地域活動に対する市の補助金に関し、使途の領収書を不要にしたことへの批判だった、と反論していた。
決定で、古財裁判長は「(領収書を不要とする取り扱いの)変更は、市民の常識ではなく、(橋下氏の演説内容は)平松氏が選挙で有権者を買収した印象を強烈に与える」と指摘。「橋下氏の知名度や情報発信力は平松氏を大きく上回り、映像削除の必要性がある」と判断した。
決定を受け、維新幹事長の松井一郎・大阪府知事は2日、「命令が出たら従わないといけない」と話した。
平松前大阪市長が橋下市長を名誉毀損で告訴。完全にアウトで今度は刑事責任が問われる。
2015年3月20日、仮処分申立後に記者会見する平松邦夫氏(左)と代理人の崎岡良一弁護士(中央)ら。
上のブログ記事でご紹介した新聞記事は以下の通りです。
平松前市長が橋下氏告訴=「発言で名誉毀損」-大阪
平松邦夫前大阪市長は20日、大阪市役所で記者会見を開き、橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)の発言で名誉を傷つけられたとして、橋下市長を名誉毀損(きそん)容疑で、大阪地検に告訴したことを明らかにした。
告訴状などによると、7日と9日に大阪市内で開催した「大阪都」構想に関する維新の会主催の集会で、橋下市長は「町内会に平松さんの選挙の時に現金100万円配られたのご存じですか。領収書なく配っています」などと発言した。
会見した代理人弁護士は「領収書なしで町内会に公金を支出した事実はなく、明らかに虚偽の発言を市民の前で行った」と主張。今後、損害賠償請求や、維新の会のホームページに掲載されているこの集会の動画を削除するよう求める仮処分の申し立ても行う方針。
(2015/03/20-18:13 時事通信)
平松邦夫氏と代理人の崎岡弁護士による本件名誉棄損事件の解説動画。維新と違って手作り感満載ですが、平松さんの名キャスター時代の片鱗を彷彿とさせます。
今回認められた「仮処分」というのは民事保全法に基づき認められる民事手続きで、本格的に行われる本案の民事訴訟では時間がかかりすぎるので、裁判所が普通の裁判よりは簡易な手続きで仮の決定をするというものです。
今回の場合で言うと、本案の民事訴訟は別に提起されていまして、この内容は動画削除と橋下被告らの平松前市長の精神的苦痛に対する損害賠償請求事件です。
しかし、この裁判の判決が出るまで、名誉棄損の動画を公開し続けることは平松氏の名誉が毀損される状態が延々と続くことになるので、仮処分決定が出て、裁判所が橋下市長と維新の会に動画の削除を命じたということです。
今回の橋下市長と維新の会に対する命令は、確かに仮処分決定ですので本案の裁判の判決とは違います。
しかし、この事件は重大だということで大阪地裁保全部は、一人の裁判官に任せるのではなく3人の裁判官の合議体に判断させました。
しかも、この3人の裁判官は審尋といって、双方の当事者や代理人を裁判所に呼んで、主張や証拠を出させるという、普通の民事訴訟に準ずる手続きを3回も行なっており、さらに決定は最後の審尋から3週間以上経ってから出していますので、相当慎重に手続きを進めています。
だからこそ、3月に申し立てた仮処分の決定に、2か月半もかかったわけです。緊急を要する事件である保全処分でここまで時間をかけたということは、裁判所も相当丁寧に扱ったということです。
ということは、今大阪地裁の通常部に係属している本裁判の方も、原告平松氏が勝訴し、また被告橋下氏らが負けるであろうことはほぼ確かと言えるでしょう。
市長を辞めてもう一市民になっている平松氏への橋下維新の会と支持者の攻撃は酷すぎます。
敗訴が確定したら、橋下氏は平松氏にこうやってちゃんと謝りに行かないとね。人として。
ちなみに、この動画については、平松氏は大阪地検特捜部に橋下市長と維新の会を名誉毀損罪で告訴をしています。
そしてこれは完全に同罪の構成要件に該当しています。
名誉毀損
「最も危険な政治家」橋下徹研究 孤独なポピュリストの原点―新潮45eBooklet | |
上原善広 | |
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「改革」と称して次々と奇策を繰り出し、それを疑問視するものは徹底的にやりこめる。チャパツの弁護士から政治家に転進し、自身の政党まで作り上げたこの人物は、いったい何に突き動かされているのか。そして彼の思想、行動力はどんな環境が育んできたのか。新潮45掲載時に大反響を呼び、いくつもの後追い記事を生んだ「橋下徹研究」の嚆矢。
橋下徹―。彼は一体何者なのか。何を予期し、何を遂行し、何を具現化しようとしているのか。いかなる未来の到来を告げるものなのか。戦後政治を独自の炯眼で読み解いてきた著者が、その正体に切り込む。
橋下徹 改革者か壊し屋か―大阪都構想のゆくえ (中公新書ラクレ) | |
吉富有治 | |
中央公論新社 |
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サラ金業界などの財界アウトサイダー、食肉王ハンナンの浅田満をはじめとした関西アンダーグランドの面々……橋下人脈は徹頭徹尾、きな臭いのだ。週刊誌さえまだ気づいていない、時代の寵児の正体がここに明かされる! 橋下「大阪維新の会」は、一皮むけば旧態依然としてた利権屋集団、ブレーンから財界パトロンまでアウトサイダーの巣窟だったのだ。改革の旗手の仮面に隠された“ペテン"のカラクリを大胆に暴く!! 新しい告発ノンフィクションリシーズ「宝島NF」の最新刊。
それにしてもここまで時間がかかるとは、住民投票に影響がないように裁判所が「配慮」した気がせんでもない。
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2015.6.2 19:41 産経新聞
橋下市長に動画削除を命令 平松前市長への名誉毀損認定 裁判長「橋下氏の情報発信力大きい」
大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長のタウンミーティングでの発言で名誉を傷つけられたとして、平松邦夫前市長が維新と橋下氏に対し、発言の様子を撮影した動画のインターネットサイトからの削除などを求めた仮処分申請で、大阪地裁(古財英明裁判長)は、一部の動画を削除するよう命じる決定をした。1日付。
決定によると、橋下氏は昨年7月~今年3月のタウンミーティングで、「僕と平松さんが戦った市長選の時、町内会に現金100万円が配られた」などと3回にわたって発言。維新側はその動画を投稿サイトなどを通じて公開した。
維新側は平松氏の市長時代に交付金が支給されたことの説明だと主張したが、古財裁判長は決定理由で、これらの発言の一部が「平松氏が公職選挙法で禁止される買収行為を行ったような印象を抱かせる」と指摘。その上で「橋下氏の知名度や情報発信力は平松氏のそれを大きく上回る」とし、削除の必要性を認めた。
平松氏は「基本的な主張が認められた」とコメント。維新幹事長の松井一郎大阪府知事は報道陣の取材に「命令が出たなら削除する」と話した。
橋下市長らに動画削除命令 都構想で名誉毀損発言
06/02 21:16 北海道新聞
大阪都構想の実現を訴えたタウンミーティングで橋下徹大阪市長が名誉毀損の発言をしたとして、平松邦夫前市長が橋下市長と大阪維新の会に対し、動画サイトに投稿した撮影映像を削除するよう申し立てた仮処分で、大阪地裁は2日までに、削除を命じる決定を出した。
決定は1日付。平松氏の代理人弁護士が明らかにした。大阪維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は決定に対し「命令が出たら従わなければならない」と削除の意向を報道陣に語った。
橋下市長らに動画削除命令 名誉毀損で
2015年6月3日 デイリースポーツ
大阪都構想の実現を訴えたタウンミーティングで橋下徹大阪市長が名誉毀損(きそん)の発言をしたとして、平松邦夫前市長が橋下市長と大阪維新の会に対し、動画サイトに投稿した撮影映像の削除を申し立てた仮処分で、大阪地裁は2日までに、削除を命じる決定を出した。決定は1日付。平松氏の代理人弁護士が明らかにした。
問題となったのは、今年3月に市内で開かれたタウンミーティングでの橋下氏の発言。平松氏が2011年の市長選の際、町内会に現金100万円を配ったかのように語っていた。古財英明裁判長は決定理由で「集票目的で買収行為を行ったような印象を抱かせる。極めて高い知名度や情報発信力を持つ橋下市長らによる名誉の侵害は重大だ」とした。
平松邦夫 前大阪市長が緊急寄稿
「私はなぜ、橋下徹市長を訴え、動画削除を求めるのか」
橋下市長が懸命に論点をずらされようとしている
3月23日に高橋洋一氏が現代ビジネスの「ニュースの深層」に寄稿された「平松前大阪市長が橋下徹大阪市長を告訴」という記事を読ませてもらいました。
その投稿自体は高橋氏がご自身の連続シリーズの一つとしてお書きになったものであり、私はそれに対する反論を展開しようというものではないことをまずご承知置き頂きたいと思います。ただし、この記事で展開されているお話は、橋下市長が懸命に論点をずらされようとしているものを補完する意図を持って書かれているとしか思えませんので、名誉を棄損され続けていると訴訟に踏み切った当事者として「本筋」をきちんとお示ししたいとの思いから書かせていただきます。
現代ビジネスでは市長在任中の2010年12月から「永田町ディープスロート」にインタビュールポを5回連続でアップして頂いたご縁があることからこういう機会を与えて頂きました。(現代ビジネス内ページ検索で「もうひとつの大阪」を検索すると全て残っています)
現時点(3月25日)ではあまり多くのメディアが提訴自体を取り上げていない状況であるにもかかわらず、こうした機会を得ることができたのは、大阪市の財政特別顧問をされている高橋氏の寄稿により実現できたことと、ある意味感謝いたします。
高橋氏は経済学の専門家ではあっても、名誉毀損罪の構成要件については当然ご存知であろうと思います。やむにやまれぬ気持ちで、周囲と相談し私にとって初めての訴訟提起をすることが、どれだけプレッシャーになるのか。去る3月20日記者会見した際の私の代理人、崎岡良一弁護士の冒頭の言葉です。
「橋下徹現大阪市長による前市長平松邦夫氏への批判、揶揄が余りに度が過ぎており、しかも事実に反することで平松氏の名誉を著しく毀損するような言動が繰り返されております。しかもそれを街頭演説等に止まらず、橋下氏が代表を務める大阪維新の会のホームページに動画を掲載し、多くの皆様が閲覧、視聴できる状態におくなど違法な名誉毀損行為を継続しております。かかる行為は、政治的主張、政治的活動の域を超えた違法な人権侵害であります。逡巡する気持ちを乗り越えてでも提訴に踏み切ったことの事実を知ってもらいたいと思います。」
■私が違法公金支出をやったかのように喋る橋下市長
そもそも名誉棄損に当たるかどうかは、司法が当方の主張をどう判断するかであって、その主張がどういったものか、またなぜこの時期に繰り返しなされているのかという点を抜きにしては語れないと思っております。以下、告訴状の内容などを引用しながら書かせていただきます。
いわゆる大阪都構想「大阪市の廃止・分割構想」を何としてでも進めたい橋下市長を始めとする維新の会はこの間、大阪市を中心に精力的にタウンミーティング(以下TM)を続けています。
その橋下市長がTMで複数回発言している内容を知ったのは3月11日頃でした。「町内会に平松さんの選挙の時に現金100万円配られたのご存じですか。領収書なく配っています。どのように使われたのか全く分からない。全町内会に100万ずつ配っているんです。」(3月7日TM、告訴状事実1から引用 )というまるで私が選挙の時に違法な公金支出をやったかのように喋っている映像でした。
調べてみると3月9日のTMでも「3年前の大阪市長選挙。僕と平松さんが戦った大阪市長選挙。町内会に現金100万円領収書抜きで配られています。皆さん税金で。使い道わかりません。領収書求めずに役員の方に(一部の方と後に言い換えているが)全部配っています。(中略)平松さんの時はよかった。領収書もなく100万円配られて」
(告訴状事実2から引用)
こうした内容の動画が、維新の会のホームページに流され続けており、その行為自体も名誉毀損であると訴えたものです。
私はTMでの発言自体もそうですが、特に聴衆の反応までもが聞こえる動画を確認し、放置できない思いが強くなりました。多くの聴衆がこの発言を驚きをもって聞き、「事実」であると捉えられた印象が残りました。在任中、巨大都市での「市民協働」というテーマに積極的に取り組んだ中で、意見の違いを乗り越える動きを目指しました。しかし、この一連の発言はそうした市民を分断するための煽動であると恐怖を感じ、下記のメッセージを記者会見席上で発表しました。
■「地域の皆様を愚弄し、善意の人たちをも分断する」
「この発言は、私だけの問題ではなく、地域を何とか守りたいと市政に協力してくださった多くの地域の皆様をも愚弄するものであり、市政に協力されている善意の人たちをも分断する結果を生むことになるという側面も看過できません。
この3年間、あらゆるところで橋下代表から揶揄され続けた私です。一方で私の在任中の動きを分かってくださる方も数多くおられると信じ、そのことはこの間の、住民投票に反対票をという街頭活動を通じて実感もさせていただいております。
今回の発言を放置することは、単に大阪市を廃止・解体したいという維新の会の思惑を広げるだけでなく、自らの街を自らの手でを合言葉に活動してくださっている多くの大阪人を馬鹿にしたものであるということをわかって頂きたいという側面もあることを付け加えさせていただきます。」
全国の注目を集める、歴史ある大阪市を「廃止・5分割」しようという住民投票を何が何でも勝ちたいという意図から、日本維新の会元共同代表、現在は維新の党最高顧問、大阪維新の会代表、大阪市長、そして弁護士という肩書を持つ橋下氏が、公衆の面前で繰り広げる演説が、どれだけの影響力をもつのか。
直近に迫った4月12日の統一地方選挙での維新の会の議席獲得のため、そして5月17日の住民投票で「賛成」を得るための作戦であり、その内容を信じ込まされた市民が間違った選択をしないためにも、早急の措置をお願いするため本日、流れ続けている維新の会のホームページから当該動画の削除を求めるなど一連の仮処分申請を行います。
今後、本件は司法にゆだねられますが、誰が見ても前述告訴事実1の内容「町内会に平松さんの選挙の時に現金100万円配られたのご存じですか。領収書なく配っています。どのように使われたのか全く分からない。全町内会に100万ずつ配っているんです。」が示す、まるで私が平成23年の市長選挙の際に選挙民である市民の方々を買収しているという印象を与えることは明らかだと思います。
これが「無理筋」であるなら、今は一市民として、大阪市で生活している個人として、前市長であるということから繰り返される誹謗中傷に耐えねばならないのでしょうか。私に人権はないのでしょうか。
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ありがとう
本当に 感謝してます。
本当に素晴らしい政治家だった。
橋下市長 忘れません。
自治会が政治に介入なんて
絶対に許せませんし 許しません。
これらの裁判費用、賠償金は、大阪市が支払います。つまり、橋下徹という悪人のせいで税金が費やされてしまうのです。
市長をやめても、裁判が続き、大阪市が費用を負担するなんて、橋下教の信者は、どう責任を取るのですかね。
悪く言う人がわかりません。
ぜひ、政界復帰、願います