北海道小樽市で1997年、拳銃と実弾を所持していたとして、銃刀法違反に問われ有罪が確定したロシア人男性(46)が「北海道警の違法なおとり捜査だった」と訴えた再審請求で、札幌地裁(佐伯恒治裁判長)は3日、再審開始を認める決定をした。

 佐伯裁判長は、「本件おとり捜査は重大な違法があるのは明らか」と指摘。「無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したときに該当する」とした。

 男性は弁護団を通じて、「ようやく自分の話に耳を傾け、受け入れてくれたことに感謝している。あまりに長い時がかかってしまい、残念な気持ちもある」などとコメントした。

 男性は97年、拳銃と実弾を所持した容疑で逮捕された。公判では「道警の捜査協力者が取引を持ち掛けた違法なおとり捜査だ」と無罪を主張したが、札幌地裁は98年、懲役2年の実刑判決を言い渡して確定。服役した。2013年9月に再審請求した。

 道警は「警察としてコメントすることはない」としている。

 札幌地検の片岡敏晃次席は「決定内容を精査し、上級庁と協議の上、適切に対応したい」とした。 

[時事通信社]