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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

東日本大震災 福島原発 放射線 内部(体内)被曝の恐怖1 3月14日 加筆修正

2011年03月13日 | 内部被曝の恐怖

東日本で大地震と大津波が起こり、その後、東日本だけでなく、長野、新潟などでも余震と言うには余りに大規模な地震が起きています。

すでに2000人近い方の死亡が確認されたという報道もあり、1万人単位になるのではないかという予測さえされています。改めて、地震頻発国日本の恐ろしさに直面した重いです。

そんな中でも、私が一番気になるのは原発事故、それも内部被曝のことです。

 

 

 

原爆症集団認定訴訟に携わり、放射線を外部から受ける外部被曝以上に恐ろしいのが、放射性物質を体内に取り入れ、被曝する内部被曝だと知りました。体内には、放射性物質を含む空気を吸っても、飲食物をとっても、放射性物質が入ってしまいます。半減期の短い放射性物質も多いし、体外に早く出るタイプの放射性物質もあるのですが、放射線に被曝することに変わりはありません。

恐ろしいのは、体内の内臓についてしまいなかなか体外に排出できない放射性物質です。被曝による身体への影響は、放射性物質との距離が非常に問題になりますから、各内臓との距離がゼロに近い内部被曝の影響は一般人の想像を絶するものがあります。

我々は原爆投下による被爆者の被害を、熱線、爆風、初期放射線による死という形で思い描きがちですが、実は原爆症というのは原爆投下後70年近い歳月を経た今でも被爆者に発症しています。それも、甲状腺、肝臓など、ありとあらゆる内臓に、ガンだけではなく、千差万別の形で現れると言っても過言ではありません。近年、心筋梗塞も内部被曝と関係があることがわかってきており、原爆症と認定されるようになってきました。

被爆者は、原爆投下によって、数十万人が1945年の間になくなりましたが、その後生き延びた方々も、家族を失い、生活基盤を失い、地域社会を失い、偏見と差別にさらされ、そして、いつどのような形で発症するかも知れない原爆症の恐怖にもさらされてきたのです。

原爆症集団認定訴訟の原告側証人になられた矢ヶ崎克馬琉球大学理学部名誉教授の「内部被曝についての考察」

 

 

 子どもの日 内部被曝の恐怖25 近畿原爆症集団認定訴訟 大阪高裁判決文よりICRP基準の問題点

 

被爆医師肥田舜太郎先生は、近畿原爆症集団認定訴訟第一審大阪地裁でのご証言で

「人類にとって放射線の問題を恐竜だとすれば、原爆症認定訴訟はその尻尾の末端の問題にすぎない。人類は核兵器を廃絶し、核兵器を製造することに費やしてきた金と人と英知をすべて、すでに作ってしまった原爆、原発の廃絶・廃棄とそこから生み出される放射性廃棄物の処理の問題に投入して、全力を挙げて取り組まなければならない。そうしなければ人類に未来はない」

という趣旨のことを言われました。

 

今、現在、どの範囲の方がどれだけ被爆をされているか、ほとんどわからない状況です。被曝対策についてまとめた読売新聞の記事を下に引用しておきましたが、ほとんど花粉症対策と変わりありません。NHKも同じようなことを繰り返し報道しています。もともと原爆投下の際の防御についてさえ、政府は、屋内には入れだの、雨合羽を身につけろだの、非現実的なマニュアルしか発表できていません。肥田先生は、原爆は投下されてしまったら医師にできることはほとんど無い、とおっしゃっていました。読売新聞やNHKがふざけているわけではなく、放射線に対して人類は本当に無力なのです(それでも対策しないわけにはいきませんので参考にはしてください)

風向きと風力によっては福島原発から数百キロ離れた東京の人々も安全とは言い切れない。私はそう考えています。

 

 内部被曝の恐怖シリーズ


 

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 福島原発事故 内部被曝の恐怖26真実の原子力 被爆医師肥田舜太郎「福島で広島の入市被爆者と同じ症状」

 

 

 

内部被曝とは、放射性物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内側から放射線を浴びることである。恒常的に被ばくすることで遺伝子が傷つけられ、癌などを誘発するといわれている。だが、このリスクを見極める研究は少なく、人体への影響をめぐっては議論百出だ。本書では、ヒロシマでの被ばく後、六十年にわたり内部被曝の研究を続けてきた医師・肥田舜太郎と、気鋭の社会派ジャーナリスト・鎌仲ひとみが、内部被曝のメカニズムを解き明かし、その脅威の実相に迫る。「劣化ウラン弾」などの大量使用により新たな様相を帯びる「核の脅威」に斬り込んだ、警世の書。

 

 

 

160人被曝の可能性 福島原発周辺で  産経新聞 2011.3.13 06:44 

 経済産業省の原子力安全・保安院は13日、東京電力福島第1原発の周辺で約160人が被曝(ひばく)した可能性があることを明らかにした。被曝した可能性があるのは、国の避難指示を受け原発から10キロ圏内を出るために双葉厚生病院から移動して、同原発から約3・7キロ離れた県立双葉高校のグラウンドで救助のヘリを待っていた約60人と、原発での爆発後に福島県外にバスで避難した約100人。 バスで避難していた100人のうち9人の放射線量を測定したところ、3人から通常を上回る数値が検出されたという。今後、160人全員の放射線量も調査するとみられる。

 

第1原発の10キロ内に114人 20キロ内には18万人残る  産経新聞 2011.3.13 09:01 

 枝野幸男官房長官は13日午前の記者会見で、福島第1原発周辺の避難について10キロ圏内には114人が残っていること発表。10キロから20キロ圏内には18万人弱が残っている。本日早朝から避難を始めるという。

 

被曝対策どうする (2011年3月13日 読売新聞)

今回は、地震や津波による被災に加え、原発事故による被曝への対策も問題になっている。被曝を防ぐにはどうしたらよいか、長引く避難生活での健康への影響をどう抑えるか、対処法や注意点をまとめた。

被曝をおさえるには 

屋内退避、避難時の注意は? もし施設の外に放射性物質が漏れ出たら、どのようにすれば被曝を抑えられるのか。

  まず知っておきたいのは、被曝から身を守るには、〈1〉放射線を遮る〈2〉放射線源から距離をとる〈3〉被曝する時間を少なくする――の3点が重要ということだ。屋内退避と言われたら、放射性物質が飛散している外気が室内に入らぬよう、ドアと窓をしっかり閉める。エアコンや換気扇も切る。 避難のため外に出る時は、放射性物質が鼻や口、皮膚の傷口などから体内に入る「内部被曝」を防ぐことを心がける。ぬれタオルで鼻や口を覆う。皮膚を露出しないような服装が望ましい。また、風向きにも気を配りたい。なるべく風下に入らないように注意する。

外から室内に入るときは? 外から室内に入る際にも注意が必要だ。衣服には、放射性物質が付着している可能性がある。室内には汚染された衣服を持ち込まず、ドアの前(戸外)で脱ぎ、ただちにビニール袋に入れて口を縛る。放射性物質の一つであるヨウ素は、体内に入ると甲状腺に集まりやすく、特に子どもでは甲状腺がんの原因になる。ヨウ素の甲状腺への取り込みを防ぐ薬(安定ヨウ素剤)は、副作用もあるので、災害対策本部の指示に従って服用する。一定以上の被曝が確認された場合、通常は、衣服を脱いだり、ぬれた布でふきとったりして、放射性物質の周囲への拡散を防ぐ。  また、体内に入った放射性物質に対しては、排出を促す薬を用いる。

放射線被曝と健康影響 

ヨウ素事前服用、排出しやすく 福島第一原子力発電所の正門付近で13日午前8時20分ごろに記録した毎時882マイクロ・シーベルトは、短時間の被曝であれば、健康に影響が出るレベルではない。仮に正門付近にいて、1時間放射線を浴びたとしても、東京―ニューヨーク間を航空機で4往復した際の放射線量と同じ。一般の人が日常生活で1年間に浴びる2400マイクロ・シーベルトは、正門で3時間ほど放射線を浴びる量に相当する。放射線による健康影響が生じるのは、放射線が遺伝子などを傷つけてしまうためだ。被曝後、数週間以内に出る急性の症状と、数か月から数年以上たってから出る症状がある。

  2~3週間以内に出る症状は免疫力の低下や貧血、出血など。骨にある骨髄が被曝でダメージを受け、白血球や赤血球などを作る機能が損なわれるため、こうした症状が出る。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなる。腸管や脳が障害を受けることもある。被曝後すぐに症状が出なくても、数か月から数年以上たってから、白血病や甲状腺がんなどを発症することもある。妊娠から間もない妊婦が放射線を多く浴びると、胎児に奇形などが生じる危険性もある。

  被曝には、体の外から被曝する「外部被曝」と、放射性物質を吸い込み、体の内側から被曝する「内部被曝」がある。内部被曝の場合、放射性物質の排出を促す薬を服用するなどの対策が必要になる。原発事故に備え、事前にヨウ素を服用すると、内部被曝を抑える効果が期待できる。事前に放射性のないヨウ素を取り込むと、事故で空気中に放出される放射性ヨウ素が、排尿によって体外に放出されやすくなる。放射線には、中性子2個と陽子2個からなる「アルファ線」、高速の電子が「ベータ線」、エネルギーが高い電磁波である「ガンマ線」など様々な種類があり、それぞれに健康影響には違いがある。

 原発事故、「除染」できるだけ早く…放射線医 地震に伴う原発事故で、放射線による健康被害への不安が広がっているが、愛媛県の原発の「初期被ばく医療機関」に指定されている八幡浜市立八幡浜総合病院の山本尚幸副院長(放射線科医)は「原発から一定の距離にいた住民に対しては、体表の汚染を調べて、必要な人には少しでも早く放射性物質を洗い流す『除染』を、行政が主導して行うべきだ」と指摘する。山本副院長によると、除染は一般的に、脱衣、シャワーでの全身洗い流しというやり方になる。ただし、放射性物質を含む廃液の管理が問題になるので、ぬれタオルで拭き取る方がよい場合もあるという。除染の際、誤って放射性物質をのみ込んだり、体を強くこすって傷から内部汚染を起こしたりする心配もあるため、行政などでしっかり方法や注意点を説明する必要がある。また、汚染のある地域の屋外に置いてあった食品を食べるのは、内部被曝の恐れもある。食品を運ぶ際も、ふたのある容器に入れた方がよい。

 その他の注意点は次の通り。

▽屋内退避と言われたら、自宅など建物の中へ入る。放射性物質が飛散している外気が室内に入らないように、ドアと窓をしっかり閉め、換気扇は使わないようにする。

▽外出の際は、鼻や口、傷口から体内に入る内部被曝に注意。ぬれタオルで鼻や口を覆う。皮膚は出さない服装で。なるべく風下に入らないように注意する。外から室内に入る際は、汚染された心配がある衣服を戸外で脱ぎ、ビニール袋に入れて口を縛る。

 

 


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10 コメント

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諸行無常 (はてな)
2011-03-13 13:32:12
大自然の営みの前に、人間の存在の小ささを痛感します。

原発機関関係者の「想定外」の言葉が空しく響きます。

自然を人間と対立するものととらえ、自然を支配するという考えには疑問があります。

科学万能主義によって人間の想像力を超えた自然への畏怖を忘れ去れば人間は、痛手をこうむる結果となるでしょう。


人間も自然の一部であると思います。
人間は自然環境を守るため存在するもの。
そう、思いたいです。

かくいう私も、電気を消費し、この文書を
書いています。
原発周辺地域に住む人々の健康、安全の犠牲の上に電気による快適な生活を日々送っているわけです。
その意味では、日々の忙しさにかまけ、エネルギー政策への深い関心と理解がなかった自分自身にも反省しています。


東北、関東には親族、友人も多くいます。
何をすべきか、自分に何が出来るか。
考えてみます。

今は、一人でも多くの命が救われますよう、心から願っています。
返信する
僕もただ祈ってます (ray)
2011-03-13 23:54:26
本当に無力ですね。

さっき、AKB48の「桜の木になろう」という最新シングルのPVを見て泣いてしまいました。

この曲を最初に聴いたときは、また、男の大人の仕掛け人たちが、「桜」つながりでヒット曲狙いやがって、使い捨てにされる彼女らは現代版の女工哀史、ああ野麦峠か、と怒っていたのですが(笑)、地震と津波の映像見て、インタビューとか見てから聴いたら、友達が一人、先に旅立ってしまったのであろうこのPVで泣けて泣けて。。。


しばらくニュースは見ないことにします。

少なくとも確定申告が終わるまでは。




満開の季節だけを 君は懐かしんでいてはいけない
木枯らしに震えていた 冬を越えて花が咲く

永遠の 桜の木になろう
そう僕は ここから動かないよ
もし君が 心の道に迷っても
愛の場所が わかるように 立っている
返信する
またぞろ・・・ (スクウォッター)
2011-03-14 00:36:03
地震大国・日本で「想定外」というのは「無責任・責任逃れ」と同義語です。
これまでの教訓が何も活かされていない。
これから、国による、被災者の「棄民」が始まります。
悲話も美談も数多く流されるでしょう。
諦める事無く、国に生存権を保障させねばなりません。
正義の弁護士の出番ですよ。AKB48で泣いてる場合じゃない。

「内部被曝の脅威」は私も出版されてすぐ読みました。
鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリー映画も必見です。
「ヒバクシャ・世界の終りに」
「六ッヶ所村ラプソディ」
「ミツバチの羽音と地球の回転」
記憶で書いてるので、題名はちょっと違うかもしれませんが。
返信する
今は緊急事態 (ray)
2011-03-14 23:15:55
論争しているような場合でも気分でもないので、KYなコメントはどんどん削除してます。

返信する
たとえば (ray)
2011-03-14 23:22:39
こういう、自分が神様にでもなったかのような発言は不謹慎で不愉快でしょう。

例としてあげておきます。


大震災は「天罰」と石原知事 
2011/03/14 22:42 【共同通信】

「津波で我欲洗い落とせ」 東京都の石原慎太郎知事は14日、東日本大震災への国民の対応について記者団に問われ「我欲で縛られた政治もポピュリズムでやっている。それを一気に押し流す。津波をうまく利用して、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。積年にたまった日本人の心のあかをね。やっぱり天罰だと思う。被災者の方々はかわいそうですよ」と述べた。
 知事は一連の発言の前に、持論を展開して「日本人のアイデンティティーは我欲になっちゃった。アメリカのアイデンティティーは自由。フランスは自由と博愛と平等だ。日本はそんなもんない。我欲だよ。物欲、金銭欲」と語っていた。
 同日、この後に開いた都庁の記者会見で「天罰」の意味について「日本に対する天罰だ」と釈明。「大きな反省の一つのよすがになるんじゃないか。それしなかったら犠牲者たちは浮かばれない」と話した。天罰について発言した際、「『被災された人は非常に耳障りな言葉に聞こえるかもしれないが』と言葉を添えた」としたが、実際には話していなかった。
【共同通信】
返信する
被ばく (トウキウト8)
2011-03-16 12:25:49
外部被ばくについてはニュースでも見ませんが、こんな状態では外出や換気、洗濯ものを外に出すことも避けなければ。
内部被ばくはテレビからの情報では安定ヨウ素で対処するようですが
内部にとりいれた放射線以外には有効ではなくそれ以外の放射線やセシウムには有効ではないというので今の時点で必要かどうかわからないが、万が一のため必要といっても何かあったときに処方するのが適切とあるだけで困りました。
返信する
新情報を掲載しました (ray)
2011-03-17 05:27:54
現時点でグーグル検索しにくい情報ですのでご覧ください。
返信する
Unknown (tetsu)
2011-03-19 01:41:55
先生、お元気でしょうか?

首都圏の人間が、こういう前代未聞の危険な原発から供給を受けることによって、のんのんと暮らせていたのかと思わざるを得ないですね。
ある意味では、沖縄の問題と通じるものを感じてしまいます。

また司法試験関係の講師として再デビューですか。お体にはお気をつけください。

返信する
ブログで情報提供するのがやっとです (ray)
2011-03-19 23:04:53
京大、神戸大。大阪大の7科目の問題なんて、その三大学では50人以上の研究者が取り組んでいるはずなのに、一人で対抗するとは無謀でした(涙)
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無理っぽい (M,N)
2011-11-29 12:54:53
もし東京に住んでいて急性白血病になっても原発との因果関係勝ち取るのかなり難しそうですね 原発で働いて急性白血病になった下請けの人因果関係は無いと言われましたから
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