五十崎さんの妻など3人は、
東京電力福島第1原発事故による避難が原因で自殺したとして、福島県浪江町の無職五十崎喜一さん=当時(67)=の遺族が、東電に約8700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で福島地裁(潮見直之裁判長)は30日、東電に約2700万円の賠償を命じた。
原発事故と自殺の因果関係を認め、原告側が勝訴した判決は昨年8月の福島地裁判決に続き、2例目。
喜一さんの妻栄子さん(66)、次男の政之さん(38)、孫の貴明さん(21)の3人が訴えた。裁判の中で、請求額を提訴時の約7600万円から約8700万円に拡大していた。
毎日新聞 2015年06月30日 12時11分(最終更新 06月30日 14時07分)
2011年3月の東京電力福島第1原発事故に伴う避難生活中に自殺した福島県浪江町の男性の遺族が東電に約8700万円の損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁(潮見直之裁判長、西村康夫裁判長代読)は30日、「帰還の見通しすら持てない多大な喪失感でうつ状態になった」と事故との因果関係を認め、東電に2700万円余を支払うよう命じた。原発事故の避難住民の自殺を巡る訴訟で東電の賠償責任を認めたのは2例目。
原告は、自殺した五十崎喜一さん(当時67歳)の妻栄子さん(66)と次男、孫の3人。
判決などによると、第1原発から約10キロの五十崎さん宅は事故で警戒区域内となり、福島県郡山市内の高校体育館に避難した。五十崎さんは不眠や食欲不振などうつ状態を訴えるようになり、11年4月に同県二本松市のアパートに移ってから症状が悪化。同年7月、同県飯舘村で飛び降り自殺した。
潮見裁判長は「古里に戻れなくなったことは人生の基盤を失ったことを意味し、強度のストレスを受けてうつ状態になった」と認定。東電側は「持病の糖尿病なども影響していた」と主張していたことから、判決は「持病も精神状態を悪化させた」と賠償を減額する一方、「自殺の要因としては原発事故によるストレスの方が大きな割合を占める」と判断した。
栄子さんは閉廷後、「東電は判決を受け止め、夫の墓前で手を合わせて謝罪してほしい」と語った。
原発事故と自殺の因果関係を争う訴訟では、福島地裁で今回と同じ潮見裁判長が昨年8月、福島県川俣町の女性(当時58歳)の自殺を巡り東電の賠償責任を初めて認め、約4900万円の支払いを命じる判決が東電の控訴断念で確定した。ほかに同県相馬市の男性(当時54歳)の妻ら遺族3人が損害賠償を求めて東京地裁に提訴している。東電福島広報部は「判決を精査した上で真摯(しんし)に対応する」とコメントした。【土江洋範】
東京電力福島第1原発事故後の避難生活によるストレスでうつ状態となり自殺したとして、福島県浪江町の五十崎喜一さん=当時(67)=の遺族3人が東電を相手に、計約8700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、福島地裁であり、潮見直之裁判長(西村康夫裁判長代読)は約2700万円の支払いを命じた。
潮見裁判長は、避難生活によるストレスなどでうつ状態になったとして、原発事故と自殺の因果関係を認定。東電は避難者の中に自殺者が出ることについても予見可能だったと指摘した。
一方、「事故以前から罹患(りかん)していた糖尿病に起因する精神的負荷は相当程度あったと認めざるを得ない」と述べ、賠償額を減額した。
訴状によると、五十崎さんは2011年7月23日、避難先の二本松市のアパートを出て、24日に飯舘村の真野ダム近くで投身自殺しているのが見つかった。避難後に睡眠障害や食欲衰退に悩まされ、「浪江に帰りたい」と繰り返していた。
[時事通信社]
東京電力福島第一原発事故で福島県浪江町から避難を強いられた後、自殺した男性の遺族3人が、東電に約8700万円の損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁の潮見直之裁判長は30日、男性の自殺の主な原因を「事故に起因する様々なストレス」だったとし、東電に約2700万円の支払いを命じる判決を言い渡した。遺族側の弁護団によると、同原発の事故と自殺の因果関係を認めた判決は2例目という。
訴えていたのは、五十崎喜一さん(当時67)の妻栄子さん(66)ら遺族3人。
訴状などによると、喜一さんは、原発事故が起きた2011年3月12日、家族と一緒に避難を始め、翌日、自宅から約60キロ離れた福島県郡山市内の高校の体育館に避難した。避難所で喜一さんは「ほとんど眠れない」と話し、食欲が落ちていった。
約1カ月後、同県二本松市のアパートに移り住んだが、6月半ばごろから体調が再び悪化し、しきりと「早く浪江に帰りたい」と言うようになったという。7月、同県飯舘村の川で遺体で見つかった。近くの橋の上から飛び降りたと見られている。
自殺と原発事故との因果関係などが争われた裁判で、遺族側は「喜一さんは事故による避難でうつ病になり自殺した」と主張。東電側は「喜一さんの持病の糖尿病で不安とストレスが生じていたと考えられる」などと反論していた。
原発事故の避難者の自殺をめぐっては、同県川俣町から避難を強いられ、一時帰宅中の11年7月に焼身自殺した女性(当時58)の遺族による損害賠償請求訴訟で、同地裁が昨年8月、事故と自殺の因果関係を認め、東電に約4900万円の賠償を命じた。東電は控訴を断念し、幹部が遺族に謝罪している。(小島泰生)
私は、糖尿病と自殺の因果関係は、無いんじゃないかとおもう。糖尿病患者の自殺率が高いなんて話を聞いたことはないです。
人の死を、値切るな!
にもかかわらず、2700万円は少ない感じはしました。
あとは、私も法律家のはしくれですから、これ以上の論評はできないんですよねえ。