福島第1原発4号機の燃料プールには福島原発で最も多い燃料集合体1535体(うち使用済み燃料1331本、新燃料204本)が入っています。これらには広島型原爆5000発分のセシウムがあります。したがって、他号機より発熱量が多く、水が蒸発して燃料が溶けると放射性物質が大量に放出される危険性があると指摘されています。
ところが、東京電力は2012年6月30日、よりによってこの4号機の使用済み燃料プールの水を冷却する装置で異常があったことを示す警報が鳴り、自動停止したと発表したのです。
東電や経済産業省原子力安全・保安院によると、冷却装置に2台あるポンプがいずれも動かなくなったということです。停電に備えた非常用電源の故障が原因ではないかというのですが、故障の原因自体が今現在わかっていません。
6月4日にも冷却が停止していますから今月2度目の停止で、しかも、今度は予備冷却装置も動かないのです。
つまり、今現在、4号機の冷却装置は全く動いていないということなのです。
東電は7月1日以降、復旧作業を始める方針ですが、冷却装置が停止した際に31度だったプールの水温は、6月30日午後6時時点で36.6度に上昇しました。今のところ、1時間に0・5度程度上がっていますが、このペースで上がり続けるのかどうかはわかりません。
保安院は
「保安規定の上限の65度に達するには約60時間の余裕がある」
としていますが、水温の上がり方も作業の進捗もどうなるか判然としませんので、間に合う保証は何もありません。現場の方々のご奮闘と幸運をお祈りするしかないのです。
この4号機については、2012年1月2日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールに隣接するタンクの水位が 1月1日異常低下し、原因は同日、関東・東北地方で最大震度4を観測した地震の影響と発表しました。
東電は、プール内の放射性汚染水がタンクと逆側の原子炉格納容器側に流れ込み、一時的にプールからタンクへの水の供給が途絶えたことが原因とみています。
また、この4号機の原子炉建屋にある使用済み燃料プールを支える壁が壊れていることから、プールを支える鋼鉄製の柱を新たに設置し、コンクリートで補強してきたのですが、5月に壁の高さ13メートルに対し3.3センチの傾きがある場所を東電が発見しました。さらに、6月に外壁の傾きは建屋の西側や南側の広い範囲で確認され、西側の3階部分に高さ13メートルに対し4.6センチと、5月の調査より大きなものが新たに見つかりました。
広島型原爆の5000発分のセシウム137を貯めている福島原発4号機が傾き続けている
東電は、4月26日に「4号機原子炉建屋は傾いておらず、燃料プールを含め地震で壊れることはありません」という公式見解を発表し、6月25日、福島第1原発4号機の原子炉建屋の外壁が水素爆発の影響で膨らんだことに伴う耐震性について、「問題はない」との報告書を経済産業省原子力安全・保安院に提出したのですが、問題はないどころか、次々と問題が発生しているわけです。
冷却装置が復旧せず、冷却水が蒸発し続けて、燃料棒がむき出しになったら、どれだけ放射性物質が飛散するかわかりません。
まして、応急措置で補強している4号機の建屋壁が傾き続け崩壊したりしたら、いったいどうなるのか。。。
事故収束どころか、福島第一原発がさらなる大惨事になるかもしれない状態で、大飯原発を再稼働することなど許されるわけがないのです。
1号機で事故後最高、致死レベルの毎時1万300ミリシーベルトを検出 廃炉作業さえできない絶望の福島原発
あきらめたらそこで終わりだから書き続けます。
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東京電力は30日、福島第1原発4号機の使用済み燃料プールの冷却装置で、午前6時25分ごろに異常を知らせる警報が鳴って自動停止したと発表した。
冷却が停止した時のプール温度は31度で、放射性物質を含む水の漏えいは確認されていないという。東電は、水温が急上昇するとはみていないが、原因を調査するとともに、別系統の冷却装置を稼働させるか検討している。
4号機の燃料プールでは、6月4日にも冷却が停止していた。
4号機プールは原子炉建屋5階にあり、未使用の燃料204体を含む計1535体が保管されている。今夏に未使用の燃料を試験的に取り出す予定。 2012/06/30 11:23 【共同通信】
福島第一原発4号機 壁に傾き
水素爆発で大きく壊れ耐震性が懸念されている福島第一原子力発電所4号機で、東京電力が建屋の外壁の膨らみによる傾きをさらに調べた結果、先月の調査より大きな傾きが新たに見つかりました。
解析の結果、東京電力は、4号機の建屋全体やプールの耐震性に問題はないとしています。
福島第一原発4号機では、先月、原子炉建屋の西側で水素爆発の爆風でできたとみられる膨らみによる傾きが確認され、傾きは、壁の高さ13メートルに対し3.3センチで、建築基準法の制限値の半分ほどでした。
東京電力が今月さらに調べた結果、外壁の傾きは建屋の西側や南側の広い範囲で確認され、西側の3階部分に高さ13メートルに対し4.6センチと、先月の調査より大きなものが新たに見つかりました。
傾きは、すべての場所で建築基準法で定められた制限値を下回っているということです。
4号機の建屋の上部にある使用済み燃料プールには、福島第一原発で最も多い燃料1535体が保管されていますが、東京電力は、建屋全体やプールは傾きが見つかった外壁以外の柱などで支えられていることから、解析した結果、耐震性に問題はないとしています。