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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

1号機で事故後最高、致死レベルの毎時1万300ミリシーベルトを検出 廃炉作業さえできない絶望の福島原発

2012年06月28日 | 福島原発事故

(放射線の大量被ばくによってどのような健康被害、生命の危機に陥るかを示す。もっとも致死にいたるほどのケースは日本の原爆被災やチェルノブイリ原発事故など限られるため、確定的なデータは乏しい。「即死ポイント発見」でも動かぬか!造血幹細胞の事前採取、不要見解を巡るヤミ」より)

 

 

 東京電力は2012年6月27日、福島第一原発1号機の原子炉建屋地下の「トーラス室」の放射線量が、最大毎時10.3シーベルト=1万300ミリシーベルトだったと発表しました。

 福島原発の事故後1年と数か月が経ったのに、これは、同原発の敷地のうち原子炉格納容器外で実測された最高値です。

 人間は7シーベルトの全身被ばくで死亡するとされているのです。広島原爆では、爆心地から700メートルの地点が毎時11.1シーベルトレベルと推計され、現に半径1キロ以内で被ばくした被爆者のほとんどが短期間に死亡しています。原爆被爆者は大量の初期放射線を原爆投下後浴び続けるわけではないのに。

 毎時10・3シーベルトの放射線。。。浴びるとすべての人が死亡するとされる被ばく量におよそ50分で達します。作業して浴びつづけたら短時間での死亡は確実です。

 これでは、1号機の廃炉に向けた作業は少なくとも人間ができないことは明らかで、ロボットによるしかありません。

(事故直後の福島第一原発1号機)


 

毎日新聞 2012年06月27日 21時29分(最終更新 06月27日 23時11分)

東京電力福島第1原発の(左から)1号機、2号機、3号機、4号機=同原発の南西約3キロで2012年4月8日、本社ヘリから石井諭撮影
東京電力福島第1原発の(左から)1号機、2号機、3号機、4号機=同原発の南西約3キロで2012年4月8日、本社ヘリから石井諭撮影

 東京電力は27日、福島第1原発1号機の原子炉建屋内にある圧力抑制室外側で毎時1万300ミリシーベルト(毎時10.3シーベルト)の放射線量を検出したと発表した。1号機の原子炉建屋内では最高だった。1号機は、1~3号機の中で最も核燃料の損傷度が大きく、放射性物質を含む水が外に漏れているのが原因とみられる。

 東電によると、26日に建屋1階から地下1階へ線量計などを挿入して調べると、汚染水の高さは5.2メートル、水温は32~37度だったことが分かった。線量は水面に近いほど高く、直上で同1万300ミリシーベルトを示した。汚染水の透明度は約60センチで、配管には事故直後の海水注入の影響で、さびが生じていた。

 人体は1000ミリシーベルトを全身に浴びると吐き気などが生じ、1万ミリシーベルトは致死量に当たる。2号機の格納容器内では今春、同7万2900ミリシーベルトを検出した。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は27日の記者会見で、「これだけの高線量下では、ロボットに作業を頼らざるを得ない」と述べた。【中西拓司】



 1号機と言えば、東電の推定で、最悪の場合、溶け落ちた燃料のすべてが原子炉の底を突き破り、格納容器に落下して、格納容器の底にあるコンクリートを溶かし、65センチの深さまで浸食したとされています。

 コンクリートは最も薄いところでは、格納容器の鋼板まで37センチしかないということです。まさか、これが突き抜けていたんじゃないでしょうね。

福島原発事故 冷却機能停止→炉心溶融・メルトダウン 原因は津波ではなく地震 受電鉄塔倒壊と復水器停止

(こんなに核燃料が燃えたぎって落ちてしまうとは、1号機こそまさにメルトダウン)

 

 

 ところで、福島原発のことを書くたびに、BLOGOSでは「おおげさなことを書いて不安をあおりたてるな」とコメントする方がいらっしゃるのですが、あんたは枝野「ただちに健康に影響はない」官房長官か、と言いたくなります。

 事実を淡々と書いても、それも東電や保安院の言っている通りに真に受けても、あおっているように見えるくらい事態は深刻なのです。

福島原発からの放射能汚染水漏れは法的には「ゼロ」と強弁する保安院 それならステップ2達成は当たり前!

 

(これ、被害を最小に矮小化する東電の公式発表です)

 

 

 この「トーラス室」には、1号機の圧力抑制室が収められています。

 たぶん、溶融した核燃料を冷やすため原子炉に注入している水が抑制室付近から漏れ出し、汚染水としてたまっているのだろうということですが、実際のところ、確かめようがありません。

 福島第一原発の廃炉に向けて、この汚染水漏れの場所を特定する準備として、東電は6月26日、初めて内視鏡と温度計と線量計を入れて調べたのですが、この体たらくです。

 毎時1万ミリシーベルトって、年9千万ミリシーベルト(9万シーベルト)ですからね。

 放射線管理区域は年5ミリシーベルト以上だとか、ICRPでさえ年100ミリシーベルト以上で発がんリスクがはっきり上がるだとか言う話からすると、天文学的かつ殺人的な数字です。これくらい高いと人間はもちろんのことロボットの部品もダメにしてしまいますから、手の施しようがありません。

 どんなに物凄い交通事故でも、事故車を廃車にできず放置、なんてことはあり得ませんが、一度事故ったら廃炉にさえできない原発をまだ維持して、推進しますか?

 放射性物質、核兵器、原子力発電所。

 限りある人間の力ではコントロールできないものがあることを、謙虚に認めるべき時です。

広島型原爆の5000発分のセシウム137を貯めている福島原発4号機が傾き続けている




これでも4号機の方が危ないってんですから、どうしたらいいんだか。

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