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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

松井大阪府知事と橋下大阪市長の維新の会コンビが当選なら「大阪」は破産する

2011年11月13日 | 橋下維新の会とハシズム

 

橋下大阪府知事は、10月23日に開かれた、自ずからが代表を務める大阪維新の会の会議で、「誰に言っても何を変えてくれるわけではないという諦めがあるが、すべては今の日本の行政の仕組みに原因がある。この大阪の地において、日本の統治機構を変える、新しい国づくりを行うきっかけを作っていきたい。大阪市長選挙に出ます」と述べ、「大阪都構想」の実現を目指して、来月の大阪市長選挙に立候補する意向を正式に表明しました。

そして、11月27日に同日選挙となる府知事選挙には、維新の会の幹事長で、府議会議員の松井一郎氏を擁立することを発表しました。松井氏は「非常に厳しい戦いだが、橋下知事の後を受けて、府知事選挙に立候補したい。政治生命のすべてをかけ、覚悟を持って戦いに挑みたい」と述べました。

さらば橋下徹大阪府知事 知事辞職・大阪市長ダブル選挙出馬表明は政治生命終わりの始まり 


では、橋下府知事と維新の会が、大阪の「何を変えてくれた」のか、見てみましょう。

橋下知事が2008年(平成20年)2月、知事選に立候補するときの最大の公約は大阪経済の活性化と財政赤字削減でした。

以来、3年8ヶ月、橋下・松井維新の会は、福祉、教育、文化施設の切捨てを実行しました。

「『子どもが笑う』 とは皆さんが笑うことではない」橋下大阪府知事が女子高生を泣かせたハシズム全開討論

 

 

たとえば、府立高校に勤務する非正規の事務補助員など約350人も全員解雇しました。彼女らの年収は約110万円です。いくらも府政赤字削減の助けになりません。

「御堂筋のイルミネーションより、私たちのほうが下なんですか」と泣いて抗議する事務補助員の方々は記憶に新しいところです。

老人・乳幼児・障害者・一人親の家庭の医療費の1割負担を要求し、青少年期に学ぶ機会のなかった人々が学ぶ夜間中学校での就学援助制度も廃止を提案しました。私学助成の3割削減を主張し、これらの一部はすでに実現してしまいました。

多くの人の寄付で支えられてきた貴重な文献・資料の集まる国際児童文学館は解体され、多くの府民が利用しづらい東大阪市の中央図書館へ図書は移送されました。

これらの府民にとって真に必要な支出を削減しながら、財政赤字の削減どころか、この3年間に物凄い勢いで、大阪の公債(府債すなわち負債)が増えています。

府債発行の推移


平成19年度は新発債2942億円、借換債3750億円で合計6692億円だったのが、平成22年度は新発債4259億円、借換債3976億円で、合計8235億円になってしまっているのです。

ちなみに、橋下さんの知事選での公約の一つは、「新規に府債を発行しないこと」でした。

発行しないどころか、新発府債を1300億円以上も増やしてしまっているのです。

結果として、大阪の府債=負債の残高は。。。。平成19年度末に5兆8288億円だったのが、平成22年度末には史上初めて6兆円!を突破し、6兆739億円になってしまいました。

つまり、橋下府知事が誕生してわずか3年間で、大阪府は2151億円も借金が増えたということになります。

府債残高の推移



維新の会は、文字通り、弱者切り捨てを断行しまくって、なにをしているのだということです。

この財政赤字拡大の原因はなにかというと、弱者にしわ寄せをするだけで、肝心の大阪経済の活性化が全くできなかったことです。

橋下・維新の会の経済政策って、関西空港から梅田まで磁気浮上式リニアモーターカーで8分で結ぶとか(まだリニアがどこでも本格運転もしていないところにもってきて、今から新設するとなると物凄い時間と1兆円以上のお金がかかります)、大阪のカジノ特区を作るとか(これ以上、自己破産や生活保護者を作ってどうするのか)、まるで実現性がない上に、弊害のみ大きな話ばかりです。

(本気で香港・マカオのカジノを視察する橋本府知事)



大阪都構想もそうで、それがどういう経済的効果が上がるか不明な上に、府から都へ規模が大きくなれば地方自治で最も重要視される住民の意志が反映しにくくなります。区長を選挙で選べても、肝心の憲法学で基礎自治体とされる大阪「市」を「解体」するとなればなおさらです。

だいたい、大阪都なんていつ出来るんですか。それが出来ないと大阪の活性化はあり得ないなんて言っていたらいつまでかかるのか。

そのあげくに、出来てもいない大阪都の庁舎用の建物を買ったら大損してしまう始末です。

府庁移転断念問題で大阪府民に大損させた橋下徹府知事・松井維新の会幹事長は大阪ダブル選挙に出る資格なし



そもそも、橋下府知事は、なにかといえば「民間では、民間では」と言いますが、彼の知っている民間といえば弁護士として顧問をしていた商工ローンと島田紳助氏に誘われたテレビ界だけですからね。

民間も行政のことも何も知らないも同然ですから。

実現可能性のない政策しか出てきません。

こうして、橋下・維新の会は4年近くも、まるで有効な経済活性化策を打ち出さず、夢を語るというか、法螺を吹くというかばかりしていたので、大阪経済の沈下に拍車がかかり、なんと大阪府の税収入が激減してしまったのです。

府税収入の推移

 平成22年度平成21年度増減率
府税収入 9,860億円 1兆270億円 ▲4.0%
(法人二税) (2,629億円) (2,944億円) (▲10.7%)
       

 

大阪の企業は伸びるどころか、衰退の一途をたどり、法人の所得が減った結果、法人税歳入が1年で1割以上減少してしまいました。

こんな歳入の目減りの仕方はいくらデフレの国全体でもないわけで、「すべては今の日本の行政の仕組みに原因がある」のではなくて、すべては橋下・維新の会の無為無策、失政に原因があるのです。

そんな口先だけの橋下府政3年間で府税収入は4000億円も減り、去年は大阪府税全体の史上最低額を更新し、法人税収入も史上最低となりました。これでは少々歳出を削減しても、歳入穴埋めのために借金が増えるのは当たり前です。

府税収入の推移

以上 大阪府作成の大阪府の主な財政状況の推移

 

 

これが、橋下府知事と松井維新の会幹事長がやってきた大阪府政の現実です。

松井さんも三期も府議をやっているのに、こんな現実を見て見ぬふりどころか旗振りをしてきました。これほど無能な人が維新の会人気だけで大阪府知事になったらと思うとぞっとします。

この二人が、府知事と与党幹事長という立場から、さらに進んで大阪市長と大阪府知事になったら、これは大阪にとっては致命傷でしょう。

最も恐ろしいのは、橋下・維新の会が絶妙の誤魔化しによって、これまで通りに府民・市民に気づかれないまま、大阪を根腐れさせてしまうことです。

もう、いい加減、大阪府民も市民も、見かけや上手い言葉に騙されず、事実を客観的に見つめ、大阪維新の会にノーを言うべき時だと思います。

 

 

 

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52 コメント

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維新の会にノーをというのはわかりました。 (海外在住)
2011-10-23 23:04:02
ブログ主の論調は、一貫して批判記事のみなのですね。

維新の会にノーをというのは、わかりましたが、では、他に誰を支持するのでしょうか?

平松さんを支持したほうがよいというお考えでよろしいのでしょうか?

また、府債が増加しているとのことですが、
今までの債務が5兆円を超えているのですよ。
増加している府債が、過去の府知事が決定した
事業の継続にかかるものなのか、利払いで生じているものか、橋本さんが府知事になって新たに始めた事業による府債の増加なのか、中身を具体的に掲載していないので、府債の増加イコール無策と、断定するのは稚拙な表現だと思いますが、いかがでしょうか。

橋本さん率いる維新の会ノーというのは、わかりました。

では、他の候補者についてもブログ主の意見を聞きたいと思うのは私だけでしょうか。

いつもの明快な理論で、他の候補者に対する批評を期待しています。
返信する
Unknown (Unknown)
2011-10-24 10:05:35
?
返信する
Unknown (ika)
2011-10-24 11:41:13
対案:「何もしない方がマシ」
返信する
憎しみだけは伝わりました (関東から)
2011-10-24 13:57:10
私は橋下府政に対しては中立のつもりで色々な記事を読んでいますが、この文章はひどすぎます。
憎しみだけは十二分に伝わりますが、それでは中立の人間でも心情的に橋下擁護にまわりたくなります。

そもそも、なぜ「橋下人気」がこれだけ続くのか?
TVに出ているから?それもあるでしょうが、本当にそれだけでしょうか。
大阪の行政の質の低さ、公務員の怠けぶりは全国的に有名です(特に大阪市)。
それが一向に改まらない、その現状への怒りが橋下支持につながっているのでしょう。

だから橋下批判をするならば対案なり、より府民のためになるような人物を紹介するなりしたほうが良いと思いますよ。

批判だけでは何も変わりません。
返信する
小泉氏と似てますね (kei)
2011-10-24 14:55:13
勢いと人気だけで大胆なことを実現しても、中身が伴わないので、企業の成績は伸びず、結果的に経済は悪化すると思います。

「俺に付いて来い」的な強さを強調しても、大きな間違いを起こす実績を作ってしまった橋本氏を信用は出来ず、付いて行くにはリスクが高すぎるので、支持はしません。

弱者切り捨ての手法も、楽な方法を選んだだけに見えてしまうので、じっくりと事に当たろうとする平松氏の方が、少しずつ上向きに出来る力を期待出来ます。

実生活でも居ますよね、借金返済の為に夢を語ったり、博打を打とうとする人。
そういう発想をすることからして、成功する可能性はかなり低いのですが。
単純で人間としては面白く魅力的だったりするので、騙される人も多いのですが。
まあ、あの泣き方からして、詐欺師と紙一重でしょうね。

きっと、結果が出なくても、府政が悪化しても、あの口の上手さで、無いことにしてしまのではないでしょうか。



返信する
結局どうすればいいのですか? (佐々木)
2011-10-24 19:32:53
内容はとてもわかりました。
で、どうすればいいのですか?

批評する方は確かに調べられてスゴイです・・・
でも、その先を絶対提示してくれません。
結局誰がいい方向にできるのか?

その内容をアピールして頂きたい。
記事内容は面白いです。
返信する
そうそう (かわ)
2011-10-24 22:40:57
リーマンショックも円高も
橋下さんのせいですわなぁ。
返信する
記事の誤り (hero)
2011-10-24 22:43:53
府債が増えているのは橋下氏が原因であるかのような印象を与えるのは大きな誤り。

上の図にある府債の中の主要な部分を占める臨時財政対策債,減収補てん債などは地方自治体の力では減らすことは不可能なものです。これらは橋下氏の評価の対象とすべきものではありません。わかっていてほんとにひどい印象操作だと思います。

税収も大幅に落ち込んだことや都道府県に割当が増えたことが増加の主要原因です。

どこの地方自治体がその権限内で景気を上げられるというのでしょうか。国でさえ何の効果も挙げられていないというのに・・・これが橋下氏が原因というのでしょうか。

ブログ主の評価は大きく誤ってます。







減債基金への返済を自身で当初の選挙で述べていたとおりしっかりおこなっています。
返信する
大阪府の平成21年度→平成22年度の法人税減収 (ray)
2011-10-24 23:37:04
大阪府は全国平均の倍近い割合での減収です。

よって、公債の増加率も全国平均をはるかに超えています。

そこに橋下府知事と大阪維新の会の無能ぶりが如実に表れています。

それを地方自治体では無力だからと説明するのであれば、大阪都になろうが、橋下・松井コンビに任せている限り同じことです。
だからこのままでは大阪は破産してしまうと言っているのです。
返信する
きちんとした批判だと思います。 (tomi)
2011-10-25 02:33:14
それほど不公平な記事とも思いませんでした。
要は橋下氏が目玉として打ち上げ、公約化して宣伝した約束が全く機能せず、非現実的なアドバルーンを揚げるばかりだったというのがブログ主の論点の眼目でしょう。

弱者いじめなど立場によって評価が変わることはともかく、橋下氏が打ち上げてきた大阪再生のイメージそれ自体においてすら実行力がなかったという批判は、それ自体は首長であった人とその勢力に対しては十分成り立ちうるでしょう。

経済問題については、大阪が厳しい環境にあるのは事実で、全てを橋下氏の責に帰するのはかわいそうかとも思いますが、経済環境や府の政策の余地の狭さなど外的条件のみに帰して橋下氏の責任を論じないのもまた誤りでしょう。

橋下氏について「よりまし」論や「対案を出せ」論で養護する向きもあるようですが、残念ながら、橋下氏擁護のためにする議論のような印象を感じてしまいます。むしろブログ主に対して批判するならば、橋下氏の失政とされる点についての具体的な批判や、望ましい政策についての具体的な議論を行うことが建設的であろうと思います。ブログ主は論点を明確にして橋下氏を批判しているわけですから。
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