
(仕事がコメンテーターから政治家に変わっても人格は一つ)
橋下市長は、2012年11月10日、よりによって広島で
「(日本に拠点を置く)米海軍第7艦隊が核兵器を持っていないことはあり得ない。日本が米国の核の傘に守られている以上、持ち込ませる必要があるなら国民に理解を求めたい」
と語ってしまいました。さらに、被爆者の方々や広島市などが訴えている核兵器廃絶については、
「理想としては(廃絶)。でも、現実的には無理ですよ、今の国際政治で。日本は平和ぼけしすぎている」
と言い切りました。
この発言を受けて、BLOGOSブロガーの池田信夫氏も
「この発言は矛盾している。第7艦隊が核を搭載していることは明らかで、日本に寄港するときだけ外すことはできない。それを容認するなら、非核三原則は「堅持」できない。おそらく「堅持」のほうは広島へのリップサービスだろう。それを除けば、彼の発言はごく常識的なものだ。」
などとブログに「非核三原則と言う虚構」などと書いていたら、すでに第七艦隊が核武装していないとアメリカが公式に発表していることを教えられて、いつものようにヘタリはじめ、
私の知識はちょっと古かったのかな。もう戦術核は退役したようだ。 RT 第七艦隊は核兵器をもっていません - 海国防衛ジャーナル http://ow.ly/fbXkV
追記あり:第7艦隊については、橋下氏も私も勘違いしているかもしれない。 RT 非核三原則という虚構 http://bit.ly/SMG3XY
このブログでも「第7艦隊は核を搭載していない」と断定している。米政府の公式発表らしい(未確認) RT 日本軍事情報センター http://ow.ly/fc02S
とツイッターで訂正しました。
ところが、池田氏を松永弾正とすれば、ネット界の織田信長の橋下市長は例によって間違っても訂正しない人なので、以下、新旧コロコロ王子の二人が間違いをなすりつけあう抱腹絶倒のやり取りが始まります。
橋下市長
90年代と今ではパワーバランスが大きく変化。第七艦隊の現状をきちんと確認する必要あり RT @ikedanob: 私の知識はちょっと古かったのかな。もう戦術核は退役したようだ RT 第七艦隊は核兵器をもっていません - 海国防衛ジャーナル http://ow.ly/fbXkV
これはコメンテーターと政治家の発言の違いの象徴例 RT @ikedanob: 「第7艦隊が核を持たないことはありえない」と認めているのに「非核3原則は堅持」って矛盾してますね。どっちが本当? 橋下代表、非核三原則を疑問視 - 読売新聞 http://bit.ly/SDKWCj
池田氏は、第七艦隊は核兵器を持っていると断定し、非核三原則はおかしいとコメント。その後第七艦隊は核兵器を持っていないので間違っていたと修正。この 時点で政治家なら失脚。コメンテーターなら許される。政治は現実。非核三原則は閣議決定事項。閣議決定を変更するならそのプロセスが重要。
つまり、橋下氏も失脚のはずなので、池田氏が
「核兵器をもっていないことはありえない」と言ったのは橋下さんでしょ。私もそのときは同じ認識だったが、事実誤認らしいので訂正したのです。 RT @t_ishin: 池田氏は、第七艦隊は核兵器を持っていると断定し、非核三原則はおかしいとコメント。
少なくとも読売は、広島で橋下さんが「米海軍第7艦隊が核兵器を持っていないことはあり得ない」と述べたと書いています。 http://ow.ly/ffAyx
と追及すると、橋下市長は
だからきちんと調べると言ったのです。 RT @ikedanob: 少なくとも読売は、広島で橋下さんが「米海軍第7艦隊が核兵器を持っていないことはあり得ない」と述べたと書いています。 http://ow.ly/ffAyx
事実が確認できるまでは非核三原則は堅持。これが政治家の発言。矛盾はないのです RT @t_ishin: だからきちんと調べると言ったのです。 RT @ikedanob: 少なくとも読売は広島で橋下さんが「米海軍第7艦隊が核兵器を持っていないことはあり得ない」と述べたと書いています
と、またもトンデモ強弁。矛盾はないどころか、橋下市長が池田信夫氏と同じく、外交や軍事のことは全く不勉強なので「第七艦隊が核兵器を持ち込んでいないことはあり得ない」と間違ったことは明らかなのですが、ゆくゆくは大阪府市特別顧問になりたい?池田氏もあきらめて矛先を収めてしまいました。
橋下市長新ブレイン?の池田信夫氏に核廃棄物処理策を訊け 経産省が使用済み核燃料直接処分を初予算化要求
(池田氏の有名な名言の一つ。燃やすとセシウムは分解する)
さて、このやり取りの終盤で、池田氏は
非核三原則のうち「持ち込ませず」の意味はなくなったが、「持たず、作らず」は再検討の必要がある。アメリカの核の傘がいつまでもあるとは限らない。 RT コストを試算! 日米同盟解体 http://bit.ly/SQiTjn
と、核武装について言及しました。これに対して、橋下市長は
これは責任ある立場では公言できませんね。無責任な立場ならいくらでも言えますが。国際的なデメリットが大きすぎる。それこそ原発は即時全部ストップになりますよ RT @ikedanob: 非核三原則のうち「持ち込ませず」の意味はなくなったが、「持たず、作らず」は再検討の必要がある。
この辺の話は、池田さんにお任せします RT @ikedanob: 自民党政権が原発を導入したのは、将来の核武装のため。米国もそれを警戒しているので、核燃料サイクルは政治的にセンシティブな問題。 『原発と原爆』 http://ow.ly/ffEGY
とツイートしました。
もともと、橋下市長はテレビのコメンテーター時代は何度も日本が核武装するべきだと言っていましたから、本音では核武装論者だけれども、政治家として公言はできないというわけです。
橋下市長は、核廃絶をめざすなら日本が国連で常任理事国を目指すくらいじゃなきゃいけないなどとしたり顔で言っていますが、そもそも、アメリカの核の傘を肯定し、なおかつ日本が核武装するべきだとも思っているわけですから、真面目に核廃絶のために何が必要かだなんて考えたこともないわけです。
お父様が原爆投下の社会的影響を研究された社会学者である湯崎広島県知事は11月13日の定例会見で
「そうじゃないという議論もたくさんある。国会議員も所属する公党の党首なら認識を改めてほしい」
広島市の被爆二世である松井一実市長は11月14日の記者会見で
「被爆の実相を理解していない方の発言ではないか。実相を知ればおのずと違ってくる」
と、橋下市長を批判しましたが、そもそも核廃絶なんて念頭にもない橋下さんみたいな人を相手にしても仕方ないのだと思いますよ。
橋下市長は、核廃絶を目指す日本は平和ぼけと言いましたが、核廃絶を目指すのは国際的には主流派です。
2012年11月7日、第67回国連総会の第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)はマレーシアなどが提出した「核兵器合法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見の後追い」と題する、核兵器禁止条約の交渉開始を求めた決議を、賛成123、反対24、棄権24の圧倒的賛成多数で採択しました。
さらに、ミャンマーなど38カ国が提出した決議も、化学兵器禁止条約、生物兵器禁止条約に続き、「核兵器禁止条約を確立するよう決意する」と表明し、賛成111、反対43、棄権20でこれも3分の2以上の多数の賛成で採択されました。
橋下氏は、世界の100か国以上の国々が平和ボケだとでも主張するのでしょうか。
それに、日本政府が核廃絶を目指していると思っている橋下氏はそれこそ勉強不足も甚だしい。
日本は毎年のように核保有国でも賛成できるようなお茶を濁す核兵器廃絶決議案を提案しますが、今回も日本は、核兵器禁止条約の交渉開始を求めたこのマレーシア提出の決議に、「多国間交渉の開始を呼び掛けるのは時期尚早だ」と主張し、ミャンマーなど提出の決議には、「核保有国も含めた共同の行動が重要だ」などとして、いずれも昨年に続き棄権しているのです。
橋下さん、日本政府はまさにアメリカの核の傘のもとにいることに安穏として、本気で核廃絶の努力なんてしてないんですよ。今や、日本ではなく、日本以外の大多数の国が核兵器廃絶を核保有国に突き付けているんです。これも知らないんでしょう。平和ボケしているのはあなたです。
橋下市長 あの広島で「核兵器廃絶は無理 平和ボケ」と被爆者の方々を踏みにじる究極の暴言 許せない!
それに加えて、橋下市長は
「広島の市民や県民の皆さんの自治体レベルで政治をするのと、主権国家として国際政治をやるときにはステージが違う」
と言いましたが、あなたの地方主権てなんだと言いたいです。広島・長崎市長が世界153の国と地域の5,238の自治体が加盟している平和市長会議を主導しているのを知らないんでしょう!?
橋下市長には、平和や外交や国際問題での知識も理想もないし、地域主権と言っても長いものには巻かれろという発想しかないことがよくわかります。
理想なき政治家は改革者を名乗る資格なし、と言っておきます。
こんな人をみんなが相手にしないで済めばいいのですが。
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橋下氏「核廃絶無理」に広島知事が苦言
日本維新の会代表の橋下徹大阪市長が核兵器廃絶について「現実的には無理」などと発言したことを受け、広島県の湯崎英彦知事は13日、定例記者会見で「そうじゃないという議論もたくさんある。よく勉強してほしい」などと苦言を呈した。
橋下氏は10日、遊説先の広島市で記者団に対し、核兵器廃絶について「理想としては(廃絶)。でも、それは全部が(核を)持たないことができて初めて成り立つ。現実的には無理ですよ」などと答えた。
これに対し、湯崎知事は「国会議員も所属する公党の党首なら認識を改めてほしい」とし、「安全保障には、核抑止(力)が不可欠という議論がある一 方、地域的にはなくせるという議論もある」と反論。発言は、地域的に開発や製造、実験などを禁じる「非核兵器地帯条約」が中南米や東南アジアで締結されて いる点を念頭に置いたものとみられる。
広島市長「被爆の実相知って」 橋下氏発言で
2012年11月14日 13時34分 東京新聞
記者会見する広島市の松井一実市長=14日、広島市役所 |
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日本維新の会代表の橋下徹大阪市長が10日に遊説先の広島市で「核廃絶は現実には無理」と発言したことについて、広島市の松井一実市長は14日の記者会見で「被爆の実相を理解していない方の発言ではないか。実相を知ればおのずと違ってくる」と疑問を呈した。
松井市長は「日本は民主主義の国だからいろんな考えがあることは認める」と述べた上で「オバマ米大統領のように核兵器廃絶に向け理想を求めている政治家もいる」と指摘。
「忙しいだろうが、いろんな機会に広島で被爆の実相を見てもらうよう橋下氏に呼び掛けたい」と述べた。
橋下氏、広島県知事に再反論「核廃絶訴えるだけでは世界は動かない」
日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は14日、遊説先の広島市で「核廃絶は現実的に無理」と 発言したことに、広島県の湯崎英彦知事が「認識を改めてほしい」と批判したことについて、「核廃絶を訴えるだけでは世界は動かない。実現できるプレーヤー になる方法を考える必要がある」と述べた。
橋下氏は「政治は現実を直視して戦略を練らなければいけない」と述べ、現在の日本の国際社会で の立場のままで核廃絶を実現できる可能性は低いとの認識を示した。さらに「国際社会で発言力を持つために権力闘争や駆け引きをしながらずる賢く政治をやら なければならない」と述べた。
橋下氏は10日、広島市内で記者団に「理想としては廃絶。でも、それは全部が核を持たないことができて初めて成り立つ。現実的には無理」と述べた。この発 言に対し、湯崎知事は13日の定例会見で「そうじゃないという議論もたくさんある。国会議員も所属する公党の党首なら認識を改めてほしい」と批判してい た。
この人、大阪市長でしょう。
しかも知事→市長と、お山を小さい方に変えちゃってw。
どんだけ小さい国際社会だよ。
まああれだ、元慰安婦のおばあちゃんたちから逃げ回っているようでは、真の国際社会から認められることはないでしょうね。
相手にしても仕方ないと、諦めてしまうのは良くない。
知ってもらえば、考えが変わってもらえるとの思いから
「被爆の実相を理解していない方の発言ではないか。実相を知ればおのずと違ってくる」
と発言したのだと思います。
よって、市長のこの意見は正しい。
諦めずにガンバレ! 松井市長!!
「理想としては(廃絶)。でも、現実的には無理ですよ、今の国際政治で。日本は平和ぼけしすぎている」
橋下徹市長、あなたは、エントリーコメントにある、平和市長会議(Mayors for Peace)に、あなたが市長をしている大阪市も正式に加盟していることを知っていますね?
http://www.mayorsforpeace.org/jp/outlines/index.html
その目的は、次のように各国語で明記されています。
「平和市長会議は、世界の都市が緊密な連携を築くことによって、核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起し、核兵器廃絶を実現させるとともに、人類の共存を脅かす飢餓、貧困、難民、人権などの諸問題の解決、さらには環境保護のために努力することによって世界恒久平和の実現に寄与することを目的としています」
そして、エントリーでは
「広島・長崎市長が世界153の国と地域の5,238の自治体が加盟している平和市長会議を主導している」 とされていますが、2012/11/1現在では、155か国、5,443自治体に増えているようです。
刻々と加盟自治体が増えている、それは、会議が打ち出す「都市連帯推進計画」での目的を
「 原爆被爆都市、広島・長崎がその体験に基づいて、長年にわたって訴え続けている核兵器の廃絶は、今や世界の多くの都市で唱えられ、その輪が大きく広がりつつある状況にかんがみ、我々はこうした都市と都市とのより緊密な連帯を図ることによって、核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起し、もって世界恒久平和の実現に寄与しようとするものである。」
とし、連帯と広がりのため、世界中の市民と市長が努力をしているから、です。
このままでは、大阪市民が世界の笑いものになりますね。
また、アーミテージさんにでも、ルース在日米大使にでもいいから、もう一度言ってごらんなさい。
「事実が確認できるまでは非核三原則は堅持。これが政治家の発言。矛盾はないのです RT @t_ishin: だからきちんと調べると言ったのです。」
ついでに、どのように「きちんと調べる」か、も。
池田氏につぶやかれた、(核武装について)
「これは責任ある立場では公言できませんね。無責任な立場ならいくらでも言えますが。」 ということばが、あなたの頭を直撃してはいませんか?
1.核兵器の最大の脅威は核兵器です。先制攻撃を受けたら、使えませんから。
2.核兵器は隠し通せるか、内陸奥深くに持てる国の方が圧倒的に有利です。
3.潜水艦の展開も含めて考えると、日本が核武装しても、中ロに対しては、軍事的に何の意味もありません。
4.核の先制攻撃でなくても、核兵器の護衛にかかるコストは膨大なものになり、どこかの(パキスタン?)まっとうな軍人は割りに合わないと言ってたくらいです。
日本が核武装?平和ボケかただのボケしか吐けないたわごとだと思います。平和ボケ、まさに橋下市長のことです。ボケが掘る穴をボケツと言います(嘘)。
ん、大阪ってジムに行くにも危険な所(にした)って誰か言ったような…
○それにしても、解散・総選挙が騒がれているこの時期に、「第3極のエース」がノビーとこんな頓珍漢なツイート合戦をやってるってのが信じられない低レベルじゃないですか。
○低レベルと言えば自民党も地に墜ちましたね。安倍ちゃんも野ブタが解散を口にしたらもう有頂天って感じになってもう。
○でも衆院の定数削減を押し込んだから、選挙結果は微妙なんでしょう。結局、民・自・公連立政権で、消費税+TPP+年金削減ですか。百年の不作ですね。
○橋下は、この鬼子母神とか尼崎の鬼とかと同類なので、私達凡人には改心させることは出来ない。
○広島市長はまだ「奴の正体」に気付いておられないようだが、気付けば「被爆の実相を理解していない方の発言ではないか。実相を知ればおのずと違ってくる。」なんて事は仰らないと思う。
○広島市長の認識は大甘。
橋下氏の広島での発言に、怒りで身を震わせていた時、偶然、先生のブログに出会い、拝見させていただきました。
「そもそも核兵器廃絶などする気がない、核武装論者」である橋下氏の本質の指摘に大きくうなずきました。
被爆地ヒロシマでは橋下氏の発言に党派を超えた怒りが寄せられています。まさにヒロシマの心を踏みつけにされた思いです。
「平和ボケ」とは、核兵器の恐ろしさを知らない橋下氏のような方を言うのだと思います。広島に落とされた原子爆弾は広島の生きとし生けるものすべての命を奪いました。67年後の今なお「黒い雨」などの核被害に苦しんでいらっしゃる方がたくさんいます。
憲法9条を手に、平和の問題でも核兵器廃絶の問題でも、世界とアジアでイニシアチブを発揮する政府をつくるために決意を新たにいたしました。