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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

産経新聞は田中防衛相が漏らした「普天間移設・辺野古埋め立ては年内着工」を知っていて隠していた

2012年01月16日 | 沖縄差別の解消と基地問題

(モノを言うけど、報道はしない新聞)



田中直紀防衛相は2012年1月15日のNHK番組で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について

「年内に実施、着工できるかどうかが当面の手順になっている。だが、沖縄県民に理解いただかないと物事が進まない」

と述べ、沖縄県側の理解を得たうえで年内に着工したい考えを示しました。

武器輸出3原則見直しとPKO参加5原則とを混同していたこと(笑)とこの問題について、田中防衛相が一川前防衛相よりさらに素人だと野党やマスコミは非難囂々ですが、むしろ、問題なのは「安全保障問題の玄人」を自認する産経新聞の報道姿勢です。

産経新聞は、同日の記事はこう報じています。


司会者「いつ埋め立て申請を行うのか」

田中氏「年内に着工できるかどうかが当面の手順になっている」

代替施設建設に向けた海面埋め立ての「申請」時期を問われただけなのに田中氏は一足飛びに「着工」時期に言及。埋め立て申請は6月ごろを想定しているのかと再度ただされると、あっさり「はい」と認めた。

このスケジュールは日米両政府間では暗黙の了解だが、公言することは慎重に控えられてきた。埋め立ての許可権限を持つ沖縄県の仲井真弘多知事が「県外移設」を求めているためだ。


これ、ひどくないですか? 

このスケジュールは日米両政府間では暗黙の了解だが、公言することは慎重に控えられてきた」

って、つまり、日米ではもう内定済みなのに、ただ日本国民や沖縄県民には伏せられているということでしょう?!

つまり、辺野古の基地建設に対する環境影響評価書の審査は始まったばかりで、第1回の審査会さえまだ行われていないのに、はじめから建設ありきで野田内閣はアメリカとスケジュールを了解しているというわけです。

そして、産経新聞もそのことを知っていたのに、報道しないできたと認めているわけです。他のマスコミも似たり寄ったりでしょうが、堂々と認める恥知らずぶりは図抜けています。

とにかく、田中防衛相の「失言」より、日本政府と産経新聞の国民に対する裏切りの方がはるかに背信的ですよ!

田中直紀防衛相=首相官邸で2012年1月13日、梅村直承撮影

 


同じ産経新聞の記事によると、田中防衛相は、2012年15日に米政府が発表した新国防戦略にも触れ「(新戦略でも)内々には普天間の計画は変わらないと…」と米側からの伝達内容を明かしてしまったということで、産経新聞は

「(普天間の)問題をきちんとしないと世界に信用されない」と危機感をにじませたが、米政府の信用を失うのは田中氏自身だ。

などと賢しらに論評していますが、こうやって国民に必要な情報をボロボロ漏らしてくれる大臣の方が、報道機関のくせして、国民の知る権利に全く寄与しない産経新聞より、よほど存在価値があります。

田中大臣は防衛省の官僚から説明されたとおりしゃべっているだけです。田中防衛相が早晩辞めさせられて、野田政権にまた打撃となるのは大歓迎ですが、それよりなにより、この産経新聞の国民に対する裏切り方はあんまりです。

産経新聞なんて相手にしてもしかたないと放ってきましたが、もはや、産経新聞は報道機関ではなく、国の情報統制機関と化していると言えるでしょう。


 

 

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田中防衛相、いきなり迷走 

2012.1.15 22:22 産経新聞
   田中直紀防衛相

   田中直紀防衛相

 田中直紀防衛相は15日のNHK番組で、自衛隊の海外での武器使用基準緩和と「武器輸出三原則」緩和を混同するなど安全保障に関する「素人」ぶり を露呈した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題でも、日米協議の内容を暴露しただけでなく、代替施設を年内に着工したいとの考えを表明。政府高 官が着工時期に言及したのは初めてだが、番組後「そこまでは難しい」と直ちに軌道修正した。野田佳彦首相は15日夜の経済人との会食で、田中氏の起用を含 む今回の内閣改造について「まさに考えられるベストの布陣だ」と胸を張ったが、24日召集の通常国会で野党側から追及されるのは必至だ。

 司会者「いつ埋め立て申請を行うのか」

 田中氏「年内に着工できるかどうかが当面の手順になっている」

 代替施設建設に向けた海面埋め立ての「申請」時期を問われただけなのに田中氏は一足飛びに「着工」時期に言及。埋め立て申請は6月ごろを想定しているのかと再度ただされると、あっさり「はい」と認めた。

 このスケジュールは日米両政府間では暗黙の了解だが、公言することは慎重に控えられてきた。埋め立ての許可権限を持つ沖縄県の仲井真弘多知事が「県外移設」を求めているためだ。

 

防衛省担当者は番組後「普天間問題はまだちゃんと説明していない」と釈明したが、本音をさらしては後の祭りだ。民主党沖縄県連の又吉健太郎幹事長はさっそく前原誠司政調会長に「期限を切った話ではない」と抗議した。

  田中氏は「先に進まなければ、米国も修正を迫られる」とも述べ、年内に着工できないと日米合意の見直しにつながりかねないとの認識を示唆。今月5日に米政 府が発表した新国防戦略にも触れ「(新戦略でも)内々には普天間の計画は変わらないと…」と米側からの伝達内容を明かした。

 「(普天間の)問題をきちんとしないと世界に信用されない」と危機感をにじませたが、米政府の信用を失うのは田中氏自身だ。

 国連平和維持活動(PKO)の基礎知識欠落も目を覆うばかりだ。「『3条件』があり適合して要請があれば派遣する」と述べたが、PKO協力法に基づく自衛隊の参加条件は5原則であって3条件ではない。

  5原則のひとつである武器使用基準について問われると「PKOで使った橋や道路を建設する機械は(その)国に置いてこられるように検討している」と得意げ に答えた。だが、これは昨年末に決定した「武器輸出三原則」緩和のことで、武器使用基準について4度問い直されても三原則の緩和内容を繰り返した。

 

 15日には南スーダンPKOに参加する陸上自衛隊の先遣隊が同国に到着した。自衛隊では武器使用基準緩和を求める声が強かったが検討を停滞させたのは国会で質問されるのを恐れた一川保夫前防衛相だった。

 「安全保障は素人」と自認した一川氏の後任として、質問の意図すら理解できない田中氏を「適材」として投入した首相の任命責任は今度こそ免れない。(半沢尚久)

 

 

 

米軍普天間飛行場=本社機から、金澤稔撮影
米軍普天間飛行場=本社機から、金澤稔撮影

 田中直紀防衛相は15日のNHK番組で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について「年内に実施、着工できるかどうかが当面の手順になっている。だが、沖縄県民に理解いただかないと物事が進まない」と述べ、県側の理解を得たうえで年内に着工したい考えを示した。県が政府の環境影響評価書に対する意見書作りを進める中での着工時期言及は、県側の反発を招きそうだ。

 政府は6月にも移設先の同県名護市辺野古周辺の公有水面埋め立てを県側に申請する方針だが、埋め立ての許認可権を持つ仲井真弘多知事は「県外移設」を求める姿勢を崩していない。田中氏は「週が明けたら知事に電話する。国会の開会前にお会いして、顔合わせ、心合わせ、力合わせができるよう努力していく」と述べ、24日の通常国会召集前に仲井真知事と会談したい意向も示した。

 また、田中氏は「これが先に進まなければ米国も修正を迫られる」と述べ、日米両政府間で合意した在日米軍再編計画全体の見直しにつながりかねないとの認識も示した。

 ただ、田中氏は番組後、記者団に「知事の了解が得られなければ着工できない。私が断定しているわけではない」とも語った。【坂口裕彦】

 ◇「見通し欠落」沖縄県は反発

 公有水面埋め立て申請に対する県の審査期間は法に定められているわけではなく、半年から1年かかるのが通常という。

 田中防衛相の発言について、沖縄県はすぐに防衛省に照会した。県幹部は「防衛省の説明は『年内着工したいというニュアンスではない』ということだったが、仮に年内着工の意向なのだとしたら、大臣には辺野古移設の具体的な見通しが欠落しているとしか思えない」と批判。「政府は辺野古移設、沖縄は『県外』と立場が変わっていない中で、就任3日目にこのような発言をするということは、防衛省がきちんと大臣に状況を説明していないということだろう」と突き放した。

毎日新聞 2012年1月15日 20時16分(最終更新 1月15日 23時06分)

 


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