ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

2月に読んだ本

2013-03-01 21:37:53 | 読書
青空文庫以外の、普通に読んだ本は以下の12冊。

湊かなえさんが2冊。
◆少女

そこまでやらなくともと思えるほどに、小説の終盤にあざとくつながってくる真実、由紀といいタッチー&昴といい、湊さんの小説に出てくる人物は、どうしてこうみんな少しずつ悪辣に自己中心的なんでしょうか。
◆夜行観覧車
TVドラマが面白いので読んでみました。ヒロインの遠藤妻を始め、登場人物は皆虚栄心、自己愛などちょっとおかしい人ばかり、一番まともなのは殺された高橋夫ですよね、お気の毒に。ご冥福をお祈りします。遠藤夫の意味不明な行動が怪我の功名で何となく丸く収まったけど、一生嘘を抱えることになった高橋兄弟、このラストが、実は恐ろしいです。

◆聖徳太子―日と影の王子 (2) (3)(黒岩重吾)

倭国の絶対的権力者、大臣蘇我馬子の元で頭角を表す皇子・厩戸を、等身大の青年として描いています。
蘇我馬子はついに泊瀬部大王を暗殺、もう馬子の思い通りにならないことはなにもない。
そんな状況下、皇太子となった青年厩戸、老獪な馬子に対し、どう立ちまわって自分の理想の政治を行うか。冠位や憲法、隋への例の国書、教科書に出ていた彼の政策がどのような形で実現するのか、最終巻の4巻を読みます。

◆夢をかなえるゾウ(水野敬也)

再読。ガネーシャ本人が言っている通り、彼の課題はどこかで聞いたり読んだりした事があるものばかり。でも、こういうかたちで整理して分かりやすく言われると、すっと腑に落ちます。

◆風が強く吹いている(三浦しをん)

これも再読。
堂場瞬の「チーム」、高橋しんの「いい人。」、箱根駅伝を題材にした作品は他にもあるけど、これが一番ありえない。
素人にいきなり5000m走らせても、絶対に15~18分なんてタイムは出ない。ほかにも突っ込みどころ満載、走ったことがない人が大学の陸上部のみ取材して書いた作品、でしょうか。
でもフィクションなんだって割り切ってしまえば、とっても上質なエンターティンメントに仕上がっていると思います。

◆時計じかけのオレンジ(アントニイ・バージェス)

「ビブリア古書堂の事件手帳」がきっかけ、小学生の栞子さんほど立派な読書感想は書けませんが。
前半はアレックスたちの悪辣な暴力に、後半は国家権力や反政府派の身勝手な理屈にうんざりでした。政府よりも、むしろ自称正義の味方の方が残酷ですね。
当時の不良少年たちの俗語をそのまま使っているのでしょうが、訳文が読みにくかった。

◆新世界より(下) (貴志祐介)

全3巻、読了しました。
きっかけは放映中のアニメが今一つ理解できなかったから。アニメの進行とペースをあわせて読むつもりが、つい追い抜いてしまいました。
わずか数千人の人間に支配され、生殺与奪の権を握られている数十万のバケネズミ。支配階級vs圧政に苦しむ被支配階級という視点で見れば、必然のクーデター、でも人間たちにはそれがわからない。
驕れるもの久しからず、救いようのない世界観だけど、早季と覚の築くであろう人類の未来に期待します。

◆知らないと恥をかく世界の大問題1、2 (池上彰)

池上さんの解説は分かりやすくてニュートラル、実にためになります。
自分はわかっているつもりでも、実はわかってなかったってこと、ありますよね。
唯一心情を吐露しているのがマスコミの姿勢に対して。これも同感。
最近のマスコミ報道は無駄に煽情的で偏ったものが多い。氏の言うとおり、国民はマスコミリテラシーを持たねばなりません。

◆ゴーマニズム宣言SPECIAL 新天皇論(小林よしのり)

歴史好きが高じた感情的な男系男子支持派だったのですが、この本を読んで心変わりしました。
第一に考えねばならないのは皇統の維持であり、皇太子殿下、秋篠宮の次の世代の皇位継承者が現行法の下では悠仁さましかいないのは厳然とした事実。30年後を想像すれば、皇統が危機にあるということは誰でも容易に想像がつきます。
皇室典範は本来天皇家の家法であるべきというのも賛成、愛子さまか悠仁さまか、後継問題に今上陛下も皇太子殿下も発言権がないというのもおかしな話です。

◆ウサギはなぜ嘘を許せないのか?(マリアン・M・ジェニングス)

再読。06年に訳されたコンプライアンス本。
原本が書かれたのは、米国でSOX法が施行された直後くらいでしょうか。わずか6,7年前はこのレベルだったんだな、世の中の変化って早いものだなと思いました。

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