ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

10月に読んだ本

2016-11-02 00:28:54 | 読書
10月は16冊でした。
9月よりは読んだけどやはりやや少なめ、ポケモンGOのせいか。ちなみにポケモンはトレーナーレベル30までいきました。

現在「新潮文庫の100冊」読破に挑戦中、4冊読んで、残すところあと1冊になりました。
◆ソロモンの偽証: 第I部 事件(上)(下)(宮部みゆき)
クリスマスの未明、中学2年生の柏木卓也が校舎の屋上から転落死した。状況から自殺と思われたが、TV局の取材をきっかけに他殺説が浮上、その後クラス関係者の交通事故死と放火が発生する。学校も警察も対応が後手後手、頼りにならず真相はやぶの中。
そしてクラス委員長の涼子は真相を自分たちの手で明らかにすることを決断する。
話はがぜん面白くなってきました。続きが楽しみ。
でも長い、あと4巻もある。登場人物の生い立ちや家族などを事細かに説明するので、話が中々前に進まない。
もう少しテンポよく進めてくれると読むのも楽なんだけど。

◆孤独の歌声 (天童荒太)
コンビニでバイトするミュージシャンと、女性刑事と、SEのシリアル・キラー。夫々が子供の頃の心の傷をかかえている。
天童さんの初期作品です。孤独について一家言あるようだけど、私は、それよりも、犯人の異常さが際立ち、単純に凄惨なサスペンスとして面白かった。

◆たそがれ清兵衛 (藤沢周平)
表題作は、昔、真田広之と宮沢りえの映画を見た記憶あり、でも設定が一緒なだけで全然違う話になっていた。原作がこんな短編だったとは。
「うらなり与右衛門」「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり弥助」「かが泣き半平」「日和見与次郎」「祝い人助八」、元々職業軍人だった武士が官僚になってしまった江戸時代に、周囲から蔑まれている男が、いざという時に意外な武士の本分を発揮する、痛快な時代劇。

アニメ映画の大ヒットでいちやく有名になった新海誠さん、「君の名は。」を読み、かつ見たので、その流れで他の作品も読んでみました。いずれも、映像も見てみたくなりました。
◆小説 言の葉の庭 (ダ・ヴィンチブックス)
この手の小説ってやはりラスト・シーン、エピローグ。画になりそうなラストと思いました。万葉集って、いいですね。
◆小説 秒速5センチメートル (角川文庫)
若さとはいつの世も身勝手で未熟なもの。映画を見ていないので何とも言えないのだけど、小説だけ読むとちょっとありきたりな気もしないでもない。

◆ガラパゴス( 上)(下)(相場英雄)
今年の山本周五郎賞候補作です。
古い団地の一室で、自殺に偽装して殺害された心優しき青年。彼は、遠く故郷を離れ、日本中を転々とする派遣労働者だった。日本の社会の矛盾に巣食う悪徳派遣会社を裁け!
早々に上巻で事件のあらましが見えていたものの、一つ一つ、着実に真実に迫っていく田川刑事に引き込まれました。社会派ミステリー、中々に面白かったです。
派遣労働法、確か3,4年前に改正されましたよね。これはその頃の話?現実は少しずつ良い方向に向かっている、そう思いたいです。

◆家康、江戸を建てる(門井慶喜)
家康が主人公と思いきやさにあらず、利根川の東遷、神田上水、小判鋳造、江戸城造成、江戸の町づくりに奔走した代官たちの物語。
ジョギングが趣味なので東京のいろんなところを走りましたが、東京の東側は海抜0メートルで山の手は河岸段丘の坂だらけ、確かに家康が目をつけるまで寒村だったのも無理はない。
利根川を付け替えるとは実に壮大、水道事業も、私の実家は文京区水道橋、目白の大洗の関も発掘された水路も実物を見てますが、江戸時代の土木建築力のすごさに脱帽。
第155回直木賞候補作、読み物としても面白かったです。

◆下町ロケット2 ガウディ計画(池井戸潤)
佃製作所シリーズ第二弾は、相変わらずの単純明快、努力は報われ、正義は勝つ、勧善懲悪の企業ドラマ。必ず大逆転があると分かっているので、安心して感動できます。
涙無くしては読めない日本人向け娯楽小説、読後感は最高です。

◆天才(石原慎太郎)
今にして思えば、田中角栄は、地に足が付いた想像力のある政治家だった。適度な談合や賄賂が必要悪としてまかり通っていた時代に作られた基盤の上に今日の日本の繁栄はあるわけで、その中心に彼がいた。
それにしてもロッキード事件は不思議な裁判だった。敢然と米国に立ち向かった戦後では希有な首相は、石油と中国で米国と衝突。米国は、近視眼的な日本人の正義感を刺激する情報操作して、日本人の手で政敵を葬らさせたってことか。CIA恐るべし。
この本は、はからずもその片棒を担いだ石原さんのカタルシスか?

◆彼女がエスパーだったころ(宮内悠介)
フリー記者の「わたし」が綴る、なんとなく胡散臭い超常現象、疑似科学を題材にした短編が6編。
火を起こす猿、スプーンを曲げる美しい女性、オーギトミー(脳外科手術による性格矯正)、言葉による水浄化、終末医療と尊厳死、カルト化したアルコール依存症治癒の会、ミステリでもないし、かといってオカルトでもない、それぞれにちょっと肩透かし気味の、おかしみすら感じる結末が用意されている。不思議な短編集でした。

◆掟上今日子の家計簿(西尾維新)
今回は今日子さんが刑事さんにミステリーのうんちくを語ります。
それなりに楽しめましたが、やはり前作の「婚姻届」の厄介クンとの絡みの方が面白いかな。「忘却探偵シリーズ」も早や7作目、自作は「掟上今日子の旅行記」だそうで、西尾さんの創作力も最速か。

◆竹宮惠子カレイドスコープ (竹宮惠子,原田マハ,石田美紀,寺山偏陸,さいとうちほ,勝谷誠彦)
竹宮惠子本です。「少年の名はジルベール」に続き読んでみました。
ステレオタイプな恋愛もの一辺倒だった少女マンガに革命を起こしたのが萩尾望都さんと竹宮惠子さんの二人。「ファラオの墓」「風と木の詩」「地球へ…」「イズァローン伝説」、どれも記憶にあるのだけど、全部通しては読んでいないのですよね。おさらいになりましたし、改めて竹宮さんの新しさを知りました。
ちなみに私はどちらかといえば萩尾望都派でした。竹宮さんで好きだったのは「地球へ…」と「私を月まで連れてって」。

◆ブラタモリ(1) 長崎 金沢 鎌倉
◆ブラタモリ(2) 富士山 東京駅 真田丸スペシャル(NHK「ブラタモリ」制作班)
ブラタモリ、大好きなので、本も読んでみました。
富士山が今の形になったのは2900年前って、縄文時代後期ですよね。富士山って、そんなに新しい山だったのか。今放映中の青木ヶ原樹海とあわせてみるとますます面白い。ブラタモリはいつも驚きに満ちています。早く続巻でないかな。

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