ラッコ庵日乗

「不思議な話」や「ヘンな話」が大好きなラッコ庵の日記。

「地球でいちばん過酷な地を行く」ニック・ミドルトン

2010年07月01日 | 本あれこれ
イギリス人の地理学者が、「地球で一番寒い土地」と「地球で一番乾燥した土地」と「地球で一番暑い土地」と「地球で一番雨の多い土地」を訪ねる旅。

シベリアのオイミャコンの最低温度はマイナス71.2度(1月の平均気温マイナス50.1度)
エチオピアのダロルでは毎日の最高気温の平均が41度(年間の!)
インドのマウシンラムの年間降水量は12メートル(日本の最高記録屋久島の2倍)
チリのアリカではほとんどゼロ(この前雨が降ったのは20年前、みたいな)

ニックさん、マイナス38度のバイカル湖で寒中水泳に挑戦したり、エチオピアで死をかけたゲームに参加したり、体を張ってます。
それも嬉々として(と見える)。
ああ、イギリス人って。

それはともかく。
このどこにも実際に行ってみたいとは思わないので、こうして本で読めることはありがたいのですが・・・いかんせん、訳がおそまつ。
意味が全くとれない箇所多数。多分、訳者本人も意味がわかってないと思う。
でも、原語で読む根性がない以上、これもよしとしなければいけないのかもしれませんね。

「万物理論」グレッグ・イーガン

2010年07月01日 | 本あれこれ
たまにはSFなんかも読んじゃおうかな~と思って選んだ一冊。

「すべての自然法則を包み込む単一の理論’万物理論’が完成されようとしていた。ただし学説は3種類・・・映像ジャーナリストの主人公は3人のうち最も若い20代の女性学者を中心に番組を製作するが・・・学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が。」

という、裏表紙の紹介を読んでもなんのことやら?
なんかしちめんどそうと思いましたが、意外やどんどん読めました。
舞台となるのが2055年の世界。
この本が出版されたのが1995年。
それから15年たった現代と2055年の世界が、微妙に地続きなところが面白い。
「死後復活」とか「汎性(男性でも女性でもない性)」とか「太平洋上の人工島」とか「無知カルト」とか、これだけで何冊も書けそうなアイデアが満載ですが、今ひとつ紹介するとしたらこれでしょう。

ノートパッド。

この世界では誰もがノートパッドというものを持っていて、何かといえば取り出してはあらゆることを調べたり、通信したり、書いたりしているのです。
これって、ipadじゃん!
1995年にはもう想定済みだったんですね。
「万物理論」そのものも、物理学のシロオトには途方もないおおボラのように聞こえますが、実際研究されているそうです。
何度もいいますが、私のようなふるいSFファンから見ると、
「私たちは子どもの頃読んだSFの世界に住んでいる」
少なくとも、情報通信の分野に関しては昔の想像をはるかに超えたところまできてしまったとおもう今日この頃デス(^^ゞ

ちなみにこの本と一緒に借りたのが「銀河英雄伝説」1
これはまた大時代なスペースオペラで、言っちゃっていいのかな~(^^ゞ、陳腐。
久しぶりに読んだSFが極北と極南?で笑ってしまいました(笑うのかい!?)