去年までほとんど熱を感じたことはなかった。
だが、今年は体が外の熱を感じるようになっていた。
ついでに汗もかくようになった。汗がこんなにベトついて気持ち悪いものだなんて知らなかった。
食卓、テレビを見る部屋、パソコンをする場所にタオルを置いた。
ドライブ中、アクエリアスも飲んでいたし、濡らしたタオルも持っていたのに、熱中症に傾いた。
飼い主がいなかったら、そのまま熱中症になっていたのは確実。
どんなきっかけでおかしくなっていたのかさっぱりわからないうちに、おかしくなっていたらしいが、本人はまったく気づかなかった。
猛暑日は風もなく、暑さを初めて自覚した体がどうしていいのかわからず、ただ「だるいよ」と言うだけ。
乗り切れるかなあ?ってか、乗り切れないってどうなるのかなあ?と一抹の不安を抱えた夏。
お盆が終わる日、夕方秋風が吹いた。そして今年最初の虫の音を聞いた。
ああ、夏を乗り切れたかも知れない。
それはとても貴重な体験だった。
まあ、そうはいっても今日もクソ暑いけれど、ときどき吹く秋風がイラッとしそうな気分を和ませてくれている。