Journal of Consumer Research 最新号のお知らせがメールで送られてきた。それを見て驚いたのが,それぞれの論文についてメディアでの書評へのリンクが張られていることだ。これはおそらく,今回から始まった試みではないだろうか。たとえば,この号の巻頭論文 E. B. Andrade & T. H. Ho, Gaming Emotions in Social Interactions には,以下の書評がリンクされている:
The Wall Street Journal
Does It Pay to Be an Angry Customer?
CBC News
Consumer Anger Can Be a Powerful Negotiating Tool: Marketing Study
United Press International
Consumer Anger Can Pay Off, or Backfire
The Consumerist
They Wouldn't Like You When They're Angry - Or Would They?
AOL Canada
Consumer anger can be a powerful negotiating tool: marketing study
Innovations Report (Germany)
Consumer anger pays off: Strategic displays may aid negotiations
EurekAlert
Consumer anger pays off: Strategic displays may aid negotiations
次の論文,S. Frederick et al., Opportunity Cost Neglect には書評のリンクは2つだが,そのうち1つは The New York Times である(詳しくはこのページを)。
ところで,最新号の論文なのに,なぜすでにメディアに書評が出ているのか?編集部が事前に各メディアに原稿を送付し,書評を書くよう働きかけているにちがいない。学術雑誌がそこまでやるとは!こうしたことは,欧米ではそう珍しくはないのだろうか。日本のマーケティングや消費者行動の学会も,本来ならメディアに研究が取り上げられるように努力すべきなのかもしれない(誰に向かっていっているんだ?)。
もちろん,ここで当然突っ込みが入る。メディアが取り上げるべき研究があるのか?と。これこそ,我が身に突きつけるべき問いだろう。メディアが取り上げるには「この研究では○○がわかった」という明確なメッセージがあり,それが一般の人々にとって面白く,驚きである必要がある。「消費者の新製品の採用と会話ネットワークが織りなす相互作用を記述するモデルを構成した」という答では全然ダメなのだ。
メディアまでいかなくても,初めて会うビジネスパーソンに,何を研究しているのかを一言で説明でき,それに対して相手が「ほーそりゃ面白い」とお世辞抜きに反応するかどうか。あるいはまた,多少は関連するが少し距離のある分野の研究者が「ほーそりゃ面白い」というかどうか。このことをもっと強く意識して研究テーマを設定すべきなのだ。いま自分が進めている研究のほとんどは,この基準を満たしていない。
掲載した論文をマスメディアに批評させる Journal of Consumer Research の戦略は,消費者行動研究を開かれたものにし,社会にインパクトを与える研究を促進させる効果があると思う。目指せジャーナル&マスメディア!
The Wall Street Journal
Does It Pay to Be an Angry Customer?
CBC News
Consumer Anger Can Be a Powerful Negotiating Tool: Marketing Study
United Press International
Consumer Anger Can Pay Off, or Backfire
The Consumerist
They Wouldn't Like You When They're Angry - Or Would They?
AOL Canada
Consumer anger can be a powerful negotiating tool: marketing study
Innovations Report (Germany)
Consumer anger pays off: Strategic displays may aid negotiations
EurekAlert
Consumer anger pays off: Strategic displays may aid negotiations
次の論文,S. Frederick et al., Opportunity Cost Neglect には書評のリンクは2つだが,そのうち1つは The New York Times である(詳しくはこのページを)。
ところで,最新号の論文なのに,なぜすでにメディアに書評が出ているのか?編集部が事前に各メディアに原稿を送付し,書評を書くよう働きかけているにちがいない。学術雑誌がそこまでやるとは!こうしたことは,欧米ではそう珍しくはないのだろうか。日本のマーケティングや消費者行動の学会も,本来ならメディアに研究が取り上げられるように努力すべきなのかもしれない(誰に向かっていっているんだ?)。
もちろん,ここで当然突っ込みが入る。メディアが取り上げるべき研究があるのか?と。これこそ,我が身に突きつけるべき問いだろう。メディアが取り上げるには「この研究では○○がわかった」という明確なメッセージがあり,それが一般の人々にとって面白く,驚きである必要がある。「消費者の新製品の採用と会話ネットワークが織りなす相互作用を記述するモデルを構成した」という答では全然ダメなのだ。
メディアまでいかなくても,初めて会うビジネスパーソンに,何を研究しているのかを一言で説明でき,それに対して相手が「ほーそりゃ面白い」とお世辞抜きに反応するかどうか。あるいはまた,多少は関連するが少し距離のある分野の研究者が「ほーそりゃ面白い」というかどうか。このことをもっと強く意識して研究テーマを設定すべきなのだ。いま自分が進めている研究のほとんどは,この基準を満たしていない。
掲載した論文をマスメディアに批評させる Journal of Consumer Research の戦略は,消費者行動研究を開かれたものにし,社会にインパクトを与える研究を促進させる効果があると思う。目指せジャーナル&マスメディア!