Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

経営情報学会@金沢星陵大学

2012-11-19 09:32:00 | Weblog
金沢星陵大学で開かれた経営情報学会の研究発表大会に参加した。自分の発表は初日の午前中で「アフィリエイト広告のパラドクス~ソーシャルメディアと広告は共存できるか?」と題する発表を行った。聴講者は10人にも満たなかったが,いろいろ貴重なコメントを得ることができた。

このテーマで様々な学会や研究会で報告してきたが,今回いただいたコメントのいくつかは新たな視点のもので,有意義であった。たまたま知り合いの方が何人かセッションにいらして,聴講者が少ないので,気軽に発言できたのがよかったのかもしれない。幸運に恵まれたといえる。

経営情報学会,なかなかいい・・・と感じる一方で,その夜出た懇親会では,若い参加者が少ない印象*を持った(女性が少ないことを嘆いておられる方もいた)。これは経営情報学会に限らず経営系の学会でよく見られる現象だし,若い参加者が多ければいい,というわけでもないだろう。
* 懇親会費が高いので院生たちは出られないという指摘をいただいた。自分の発表と座長が重なって出られなかったポスターセッションに行けば印象が変わったかもしれない。
経営情報学会は創立されて約20年で,比較的若い学会のはずだが,そのまま「高齢化」してしまったように見えるのは,学会に問題があるのか,「経営情報学」という分野自体の問題か・・・。取り上げているテーマ自体は今日的なので,実務家の参加を促進すれば若返る可能性はある。

しかし,学会を実務家に開かれたものにすることで,研究コミュニティとして活性化するかどうかわからない。この学会に限らず「学会」という組織の限界を見据える必要がある。組織としてきちんとすればするほど,組織の存続が自己目的化していく。「名誉」の互助会と化していく。

現在,10以上の学会に属し,整理しなくてはならない身としては,学会をどう選択していくかが重要な課題だ。しかし,もっと重要なことは,学会に拘らない,ダイナミックな枠組みを個々人が創り出すことだろう。学会はせいぜい知識や人材のアーカイブで,編集するのは別の主体なのだ。

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