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2009年度作品。スウェーデン=デンマーク=ドイツ映画。
敏腕ジャーナリストとして鳴らしたミカエル・ブルムクヴィストは、大物実業家のスキャンダルを暴いたばかりに名誉棄損で有罪判決を受けてしまう。そんな矢先、40年前の少女失踪事件の真相解明を大企業グループの重鎮ヘンリック・ヴァンゲルから依頼される。早速、ヴァンゲル一族の住む孤島で調査を開始したミカエルのもとに、天才ハッカーにしてパンキッシュな出で立ちの若い女リスベットが貴重な情報を持って訪れる。(ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 - goo 映画より)
監督はニールス・アルデン・オプレヴ。
出演はノオミ・ラパス、マイケル・ニクヴィスト ら。
筋運びが巧みな映画である。
盛り上がるポイントは随所に散りばめられているし、後半の畳み掛けるような展開はなかなかのもの。
それに伏線の散りばめ方も堂に入っている。
たとえば前半にあったレイプシーン(「アレックス」みたいだった)。
これを見たときは何でこんなものを描くのだろう、悪趣味な、と思ったのだけど、後半でそのレイプシーンをそれとなく呼応させてくるところなどは、うなってしまうほど上手い。
また投獄のきっかけになる不正行為の追及も、ラストで生きてくるところは好きだ。
その物語の組み立てには感心するばかりである。ミステリのおもしろみを堪能できる格好だ。
もちろん欠点はたくさんある。
エピソードを若干つめこみすぎていると思うし、そのために印象が散漫になっているし、派手なモチーフのわりにパンチも弱いところは気に食わない。
それでも構成の上手さを認めるのに、僕は何のためらいもないのだ。
キャラクターとしては、主人公二人のつながりの描き方はちょっと弱いように思う。
それにそんなに簡単にくっついていいの、と思う部分もなくはない(もちろん女の過去から判断するに、必然的な理由はあるようだけど)。
しかし、ラストで女が男に真相を伝えるシーンなどはなかなか好きだ。
二人の間にある適度な距離感もおもしろく、孤独と共感がうまく出ていたと思う。
続篇があるらしいが、現時点では見るかどうかは不明だ。絶対次も見たいと思わせるほどの力はない。
しかしサスペンスとしては、よくできた作品で、退屈せずに見ることができる。丁寧につくられた一品である。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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