計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

山谷風の基礎

2013年11月17日 | お天気のあれこれ
 山岳の斜面に沿って山頂に昇ったり、または山麓に吹き降りるような山谷風が生じます。夜間は山風は生じ、昼間は谷風が生じます。これは放射冷却や日射によって生じる熱のやり取りが源になっています。

[1] 夜間の山風が生じるメカニズム


 夜間は長波放射(赤外放射)に伴い、地表面から熱が逃げて行きます。


 地表面は冷え込みます。


 地表面が冷え込むと、そこに接する空気もじわりじわりと冷やされていきます。このため、地表付近の気温はどんどん下がります。


 平地の上で冷やされた空気はともかく、斜面上で冷やされた空気は、重力に引きずり下されるように下降します。


 斜面上の空気が下に降りると、その穴を埋めるように周囲の空気が移動してきます(補償流)。


 やがて、地表面では山頂から山麓(谷)へと向かう循環が形成されていきます。


[2] 昼間の谷風が生じるメカニズム


 昼間は短波放射(太陽放射)に伴い、太陽からの熱エネルギー地表面に降り注ぎます。


 地表面は暖まります。


 地表面が暖まると、そこに接する空気もじわりじわりと暖められていきます。このため、地表付近の気温はどんどん上がります。


 斜面上で冷やされた空気は、浮力に持ち上げられるように斜面の上を昇っていきます。


 斜面上の空気が上に昇ると、その穴を埋めるように周囲の空気が移動してきます(補償流)。


 やがて、地表面では山麓(谷)から山頂へと向かう循環が形成されていきます。


 ・・・学会前にこんな記事を書いている場合なのだろうか?・・・でも、実はこのメカニズムが重要だったりするんだよね。 ※ちなみに発表日は19日(火)です。
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