計算気象予報士の「こんなの解けるかーっ!?」

ゆきぐに羽越(主に山形県・新潟県)のお天気学の難題に工学計算で挑み続ける熱き奮闘記

あの日から6年。

2017年03月11日 | オピニオン・コメント
東北の未来に幸あれ。
今、その想いを新たにしています。
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準備中・・・

2017年03月06日 | 何気ない?日常
 3月9日に開催される市民講座(まちなかカフェ)に向けて準備中です。

 
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2016年12月-2017年02月の新潟県の冬の傾向

2017年03月05日 | 気象情報の現場から
 先日、2月25日に(一社)日本気象予報士会の第9回研究成果発表会が無事に終了しました。

 そして、今度は3月9日に一般市民の皆様を対象とする講座(まちなかカフェ)が控えております。当日は「天気と景気」をテーマに、天気の変化と身近な経済活動にまつわるリスクマネジメントのお話をする予定です。

 その打合せが3月1日に催され、この冬の新潟県内の天候の特徴についての話題も浮上しました。さすがに一応、資料をまとめておいた方が良さそうなので分析してみました。平年値と比較することで、今シーズンの特性が色々と見えてきました。


 降雪量の分布を見てみると、沿岸平野部では平年よりも少なく、山沿いの地域ではほぼ平年並みの傾向でした。もともと平年値自体が「沿岸平野部では少雪となる一方、山沿いの地域では大雪となる」分布を示しているので、このコントラストがより一層強調される結果となりました。山雪型の特性が色濃く反映された感じです。

 確かに、降雪予報に従事していて、今シーズンは等圧線が縦縞模様となる山雪型のパターンが多かったように感じていましたので、やはりそうだったか・・・との印象を受けました。


 降水量の分布を見てみると「平年よりも特に少ない」という地域は無さそうです。むしろ、平年より1割以上も降水量が多い地域が見られました。特に降雪量の多い中越地方の山間部に加えて、上越市でも降水量が多い傾向が見られました。


 日照時間は、中越地方の山間部で平年よりも少ない傾向が見られました。降雪量が特に多い地域と概ね一致しています。その一方で、平野部の日照時間は平年並みであったことから、山沿いの地域により集中して降雪が生じたことが推察されます。


 1月の平均気温を見てみると、中越地方と下越地方北部の沿岸平野部で、気温が平年よりも高めとなっています。北西の季節風が強く吹き付けた結果、より気温の高い海上の空気が流入していることがうかがえます。


 そこで、上空1500m付近の季節風に着目してみます。この高度で北西寄りの季節風(10m/s以上)が観測された日数を調べてみました。これを偏差(平均値からの差)の形で表示しています。この結果、今シーズン・2017年は特に日数が多いことが判ります。つまり、北西の季節風が強い頻度が大きく、山雪型の傾向が出現しやすいシーズンであったことが判ります。

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第9回日本気象予報士会研究成果発表会にて成果発表しました

2017年02月27日 | CAMJ参加録
 先日2月25日は、(一社)日本気象予報士会・第9回研究成果発表会に参加してきました。


 こちらがその会場です。

 当日は受付で綺麗に製本された「予稿集」頂き、その中に自分の予稿が含まれているのを手にした時は、ちょっと感動しました。

 また、懐かしい再会もあり、有意義な一時となりました。

 今回は次の2件の研究成果について報告・発表を行いました。

(1) 山形県内の冬季降水域および気温分布に関するニューロ・モデルの独自開発


 人工知能の基礎としても知られる「ニューラルネットワーク」を気象データの分析に応用して、山形県内の局地気象特性を明らかにしようと試みました。プログラムの部品に相当するニューロンの配置や入出力の変数変換など様々な工夫が必要であり、試行錯誤の末にようやく一筋の成功を得たものです。

 この研究も、開始してから約10年以上掛かって、漸くここまで到達しました。実際には途中で3~4回ほど投げ出しており、その度に1~2年の空白期間を置いて、新しいアイデアが浮かんだら再開して、また失敗して投げ出して・・・を繰り返してきました。

 今回はニューラルネットワークを用いて気象データを分析して結果を出せる段階に至った事それ自体と主題としました。この他に行ってきた熱流体数値モデル(LES)による数値シミュレーションなど、様々な解析結果と合わせて検討することで、「気象学的メカニズム」の考察を行っていくことも、今後の課題として取り組んで行きたいと考えています。


(2) 降水日数を指標とする天候デリバティブのプレミアム算定の試み


 予め指定された期間における土日祝の降水日数が一定値を超えた場合に、その超過分に対して補償金が発生するような金融デリバティブ商品を想定し、その契約料(プレミアム)の試算を行いました。プレミアムの算定は、単に金融商品の「値付」に留まらず、「天候リスクに伴う経済効果の評価」という意味を持っています。

 一方、現実問題として、天候デリバティブは90年代後半に始まって以来、なかなか産業界での活用・普及が進んでいないように見受けられます。その背景には様々な課題があると思いますが、理論的な側面から言えば、そもそも「天候デリバティブ」自体、実務が先行していて、理論が追い付いていないことも一因かと思います。

 オプション取引などのような貨幣に伴う金融資産に基づく理論を、無理矢理に気象要素に当てはめるという、いわば「木に竹を接ぐ」ような手法が用いられるなど、まだ開拓が進んでいない側面が多々あります。さらに、様々な産業において天候リスクが定量的に認識されるまでには、まだ時間が掛かるかも知れません。
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第9回日本気象予報士会研究成果発表会に向けて

2017年01月29日 | CAMJ参加録
 来たる2月25日には「第9回日本気象予報士会研究成果発表会」が横浜で開催されます。今回は私も「計算・局地気象分野」と「経済・金融気象分野」の2件のテーマをエントリーしております。

 当初は「全体の応募件数(時間配分)により、発表は1件のみ」となる可能性もありましたが、結局は「2件とも」採択されるに至りました。現在は発表準備の真っ最中です。

 今回発表予定のテーマはこちらの2件です。

(1) 山形県内の冬季降水域および気温分布に関するニューロ・モデルの独自開発
(2) 降水日数を指標とする天候デリバティブのプレミアム算定の試み




 現在、この他にも通常業務として「メディア向けの天気予報」やこの時期特有の「降雪量および最低気温の予報」、さらに突然スタートした「共同研究」等に振り回されながらも、何とか進めています。

 さらには3月9日には一般向けの講演を控えており、この冬は例年に無い状況に陥っています。
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温帯低気圧のイメージ(2)

2017年01月28日 | お天気教室・公開講座
 以前、「温帯低気圧のイメージ」の記事で、寒気と暖気がぶつかり合って温帯低気圧を形成するプロセスを描きました。

 このイメージは、水槽実験のように容器の中で実験するようなものです。実際の大気は容器に入っているわけではありませんので、もう少し形が変わります。すなわち、暖気側はより盛り上がる一方、寒気側はより盛り下がろうとします。

 このような効果までを考慮してイメージを描き直すと、次のようになります。

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等圧線から風向きを読む

2017年01月24日 | お天気教室・公開講座
 例えば、次のように平行な等圧線があり、下の方が気圧が高く、上に行くにつれて気圧が低くなるような場合の風向きを考えてみましょう。

 とりあえず、空気は気圧の高い方から低い方に向かって移動するわけですから、気圧の高い方から低い方に向かって等圧線と直角に矢印を引きましょう。

 さらに、北半球の場合は、進行方向の右手向きコリオリの力が働きます。また、地上付近では摩擦の力も働きますので、先ほどの矢印を少し右手向きに傾けましょう。どれくらい傾けるかは一概に言えませんが、とりあえず45°くらい傾けます。

 ここで、気圧の差に伴う力(気圧傾度力)、コリオリの力摩擦力、そして風の向きにはこのような関係があります。

 続いて、このように高気圧低気圧の中心を、等圧線が渦状に取り巻く場合を考えてみましょう。

 とりあえず、気圧の高い方から低い方に向かって等圧線と直角に矢印を引きましょう。

 さらに、先ほどの矢印を少し(45°くらい)右手向きに傾けましょう。高気圧の中心からは時計回りに風が吹き出して行く一方、低気圧の中心に向かって反時計回りに風が吹き込んでいます。

 それでは、前線を伴う低気圧(温帯低気圧)を取り巻く風の流れを読み解いて行きましょう。

 とりあえず、気圧の高い方から低い方に向かって等圧線と直角に矢印を引きましょう。

 さらに、先ほどの矢印を少し(45°くらい)右手向きに傾けましょう。

 南からの暖気北からの寒気がぶつかり合い、前線が形成される様子が浮かび上がってきます。
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安全資産と危険資産

2016年11月21日 | お天気教室・公開講座
 11月19日の記事(連続金利とネイピア数)の続きです。

 定期預金のように、普通の複利法であれば、例えば1年毎のように「定期的に」利子が上乗せされます。この様子をグラフに表すと次のようになります。


 縦軸が資産価値、横軸が時間の経過です。一定の時間が経過する毎に、安定して利子が上乗せされるため、資産価値の時間変動は段階的なものとなっています。

 これに対して、連続複利を用いると、利子は連続的に上乗せされるため、資産価値の時間変動は連続的なものとなります。従って、グラフに表すと次のように滑らかな曲線となります。


 この曲線は指数関数であり、次のような式で表されます。


 ここで、Sは資産価値、S0は元金、tは時間(単位は「年」)、rは利率(年利)を表しています。

 このように、安定的に資産価値が変動する金融資産を安定資産と言います。安全資産の動きを微分方程式で表すと


 という形になります。

 一方、株価などのように、その資産価値が時々刻々と上下に激しく変動する金融資産(金融商品)もあります。


 このような資産を運用した場合、大きな利益を上げることも期待できる半面、元本割れを起こしてしまう危険性もはらんでいます。このような金融資産を危険資産と言います。

 危険資産を数理モデルで表現する際は、平均的な変動(トレンド)は安全資産に準じるものとして、さらに不規則に変動する成分(ノイズ)を考慮します。

 トレンドは安全資産に準ずるものとして、その時間変動は次のグラフのようになるものと考えます。この時、利率をμと表すことにします。このμは平均的な利率利益率)に相当し、リターンと言います。


 これに伴い、トレンドの変動を表す微分方程式は、次のようになります。


 ここで新たに、次のようなノイズを導入します。


 このノイズはブラウン運動に従うものとし、これをz(t)とします。また、この振動の振幅をσとします。このσは利率(利益率)の変動の標準偏差に相当し、ボラティリティ、またはリスクと言います。

 ノイズの微小変化をトレンドの微分方程式に付加すると、次のようになります。


 これが危険資産の微分方程式です。
 このように、確率的に変動する変数を含む微分方程式のことを確率微分方程式と言います。
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連続金利とネイピア数

2016年11月19日 | お天気教室・公開講座
 金融工学の理論を学んでいて、いつも不思議だったのは「ert「e-rtという係数が登場する事でした。カネの計算において、ネイピア数e(自然対数の底)がどんな意味を持つのか・・・イマイチ判らなかったのです。実は、これは「複利計算」の概念に基づくものなんですね。

 複利法とは、例えば「元金をS0,年利をr」の条件で預金すると、1年毎に元金に利子(=利率×元金)が新たに組み込まれる形で、元利合計(預金額)が増えていく方式です。つまり、1年後の預金額をS1、2年後の預金額をS2…n年後の預金額をSnとすると、この間預金の出し入れが無いものと仮定すると


のように表すことができます。

 この例では1年ごとに利子が上乗せされる条件(1年複利)を想定しました。

 これがもし、半年ごとに利子を上乗せする場合(半年複利)は、半年ごとに利率(r/2)分ずつ、1年の間に2回上乗せされることになります。3ヶ月ごとに利子を上乗せする場合(3ヶ月複利)は、3ヶ月(四半期)ごとに利率(r/4)分ずつ、1年の間に4回上乗せされることになります。



 このように、1/n年ごとに利子を上乗せする場合は、1/n年ごとに利率(r/n)分ずつ、1年の間にn回上乗せされることになります。極端な話、nを∞に持っていくと、連続的に利子が上乗せされることになります。つまり、連続的に預金が増加するということです。この考え方を用いて、1年後の元利合計S1を表現すると、次のようになります。

 ここで、ネイピア数の定義

を用いています。

 さらにS2を表現すると

となります。

 そこで、t年後の預金額はSt

と表すことが出来るわけです。

 実際には一定の時間間隔ごとに、段階的に預金が増加する(利子が上乗せされる)わけですが、理論的に解析する際は連続的な関数の方が数学的にも扱いやすいので、連続金利を用います。

 また、ある時点での元金をSとして、利率rの連続金利を適用した場合、期間Δtの間に利子ΔSが発生したとすると、次のような式が成り立ちます。これは「(利子)/(元金)=(利率)×(時間)」の関係を表します。


 このΔtを限りなく小さくとれば、次のような微分方程式が得られます。



 この方程式の解は、次のような時間の関数になります。



 以上より、現在を時点t、将来のある時点をTとした場合・・・

 現在時点tにおける価値がS0試算の将来時点Tにおける価値に換算するとS0er(T-t)となります。
 一方、将来時点Tにおける価値がS1であり、これを現在時点tの価値に逆算する場合はS1e-r(T-t)となります。


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正規分布の積分をアレンジ

2016年10月29日 | 何気ない?日常
 既にこのブログでも書いておりますが、この夏は金融工学の理論を勉強しておりました。その目的はもちろん「天候デリバティブ」への応用です。

 この理論で重要な方程式が「ブラック・ショールズ方程式」と呼ばれるものです。これに変数変換を施すことで、「熱伝導方程式」の形に書き換えることができ、そこから方程式を変形していく事で、最終的には解となる「ブラック・ショールズの公式」を導出することができます。

 この一連の導出過程の中で、指数関数を含む複雑な積分が、標準正規分布の累積分布関数に変わる部分があります。この辺の式変形がテキスト(ネットで見つけた資料)では大幅に割愛されており、どのようにして導けるのか、イマイチわからずにおりました。

 しょうがないので、その部分を棚上げして、天候デリバティブの実際の応用を先に研究を進めていたのですが、ふと式展開のアイデアが浮かんできたので、再び試行錯誤しておりました。


 おそらく、この考え方を暗黙の了解として用いていたんだろうな・・・と、3か月近くたって、一先ずの解決に至りました。
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電力需要と気温の関係

2016年10月28日 | お天気教室・公開講座
 2008,2009,2010年度のデータを基に、東北6県および新潟県の電力需要と気温の関係を調べたものです。夏と冬の電力需要と平均気温の相関関係が良く分かります


 冬に比べて夏の感応度が大きいのも特徴的です。

 夏の間は冷房機器を稼働するために多くの電力を用います。一方、冬の暖房については、エアコンなどの暖房機器の他にも、石油ストーブなど電力に依存しない手段もあるので、夏に比べて感応度が鈍るのかも知れません。
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いまさらUNIX

2016年10月20日 | 気象情報の現場から
 最近は、ある事情で、UNIX (Linux)の環境も使用することになりそう・・・ということで、スクリプト言語の勉強に励んでいます。取りあえず、AWKPerlsedShellScriptの4種類の言語の基礎を学んだ上で、その他の専門分野の概論も勉強しています。


 今年度の上半期は経済学や金融工学の勉強に追われ、下半期はUNIX環境の勉強に追われ、それに加えて日常的な予報業務なども重なっている状況です。さすがに学術論文を書いている余裕も無いので、今年度は「研究者」と言うよりも「受験生」のような感じです。

 この調子では、来年度の気象学会(春季大会)の発表は・・・無理かもしれないな。
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夏の暑さと家計消費

2016年10月14日 | お天気教室・公開講座
 今回は「前年よりも夏の暑さが増すと、家計の消費支出は増えるのか?それとも減るのか?」について分析してみました。

 使用したデータは家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)を用いて、2005年~2015年における各年の第3四半期(7~9月)における「1世帯当たりの支出の対前年同期実質増減率(%)」と「気温の前年差(℃)」です。

 ここでは、家計消費の評価に際して、物価水準の変動の影響を除去した「実質」増減率を用いています。また、気温については、管区気象台および沖縄気象台の観測値(札幌,仙台,東京,大阪,福岡,沖縄)を基に、管区内人口に応じて重み付けした平均値(加重平均)を用いました。なお、気温は7~9月の月毎の前年差の平均値です。

 消費支出全体の傾向としては、前年よりも暑さが増すと、消費支出は増える傾向にあるようです。ざっくり言って、暑い夏は経済効果にはプラスに働くようです。


 やはり、喉が渇くので飲料の需要は増加傾向のようですね。



 
 そして、暑さが増すとその分、汗もかきやすいので・・・


 暑い夏は(日射しにも恵まれるので)サイクリングも楽しめる、ということ?


 夏の暑さが増すということは、やはり忘れてはいけないのがエネルギー需要です。冷房の需要は高まる一方、給湯の需要は伸び悩みます。



 暑い夏休みには余り勉強したくない・・・という気持ちは、何となくわかります。


 私は非喫煙者なのでわかりませんが、暑さが増すと、吸いたくなる・・・ものなのでしょうか?


 最後にもう一つ、夏の暑さと卵の消費は逆相関となるようです。なぜでしょう?
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台風は日本海上に進み・・・

2016年10月05日 | 気象情報の現場から
この後は偏西風の流れに乗って、速度を上げて近づいて来るようです。


最新の情報をこまめに確認しましょう。台風情報(気象庁HP)
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台風は日本海を目指す・・・。

2016年10月04日 | 気象情報の現場から
 台風18号の動きが気になる所です。
 上空の偏西風の流れに乗ると、進路を東寄りに変えて・・・どこに近づくのか。目が離せません。


 最新の台風情報をこまめにチェックすることを心掛けて下さい。台風情報(気象庁HP)
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