名阪国道、伊賀上野の玄関口である上のインターの辺りが守田の地でその直ぐ南側の小高い丘には天台宗の古刹、九品寺(くぼんじ)が建っている。
辺りは交通の要所としていつも激しい喧騒の中に有る。
九品寺脇の旧道を少し南進するとやがて左手の山裾と右手、田園地帯の中を走るのぞかな道路となるが、やがて山裾の崖淵の岩に石仏の刻まれているのが見える。
向かって右手上部に舟形後背を掘りくぼめた厚肉彫りの像高63cmの地蔵立像、左手には高さ106cm、幅約30cm方形の彫り窪め三列四段、頂上に虚空蔵菩薩の十三仏が刻まれている。
地蔵石仏の下方には永正十五年(1518)、十三仏の枠外には永正十七年(1520)の年号が見えて、先ず地蔵が咲きに彫られて後十三仏が追刻されたようです。
しかしここには何の説明板も無い。
ここから少し南進すると、右手道路わきに粗末な覆屋があって下には花崗岩の大きな自然石が横たわっている。
道路反対側の岩肌に先ほどと同様の地蔵と十三仏が刻まれています。
此方の方が全体に大振りですが地蔵の位置が此方では向かって右側になっています。
時代的には先の石仏とほぼ同時代だろうと言われていて室町時代のものだそうです。
小川と道路の間にあって野の仏としてのロケーション申し分ないのですが、無粋な覆屋が邪魔をしている様に思うのは石仏好きの我侭だろうか??
撮影2007.2.12