愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

旧美里村高座原(こうざわら) 経が峰道の磨崖石仏

2011年04月06日 | 石仏:三重

前回紹介した美里町日南田(ひなた)より東北よりの経が峰ふもと、県道28号線が集落をかすめて通る山裾に長閑な高座原(こうざわら)の集落が有り、集落の奥から背後に聳える経が峰道が通じている。

集落はなだらかな経が峰南東斜面の棚田に囲まれ古い歴史を感じさせる景観の中にひっそりと家並を並べて居てまるで別天地。

集落の家並を抜けて林道を進むと左手にそれと解る山の神場が在って、その中央にでんと座る巨石に多くの磨崖仏が刻まれているのが目に付く。

一般に多尊石仏と呼ばれているものだが風化によるものか摩耗が激しく何体在るかも定かではないほど・・

上部一列に約十体程か?何とか地蔵立像の様にも見える・・・・、正面中央には孔が二つ穿たれ供物台でも備えられて居たのか??

これほどまでに劣化すると云うのは火災にでも遭って焼け爛れたのだろうか・・・・、今となってはその全容を明らかにするす術は無く想像するにしか過ぎない。

この地を選んで山の神場としたのはその必然性が有ったからなのかも???。

この先暫く進むと林道脇には石積跡がそこ此処に見受けられ、そんな一角にこんな磨崖石仏が・・・・。

三角オニギリ状の大石に月輪を彫り沈め、蓮座上に坐す地蔵菩薩を刻みだしている。

意匠的にはかなりユニークで、ついぞこんなデザインの石仏は見たことがない。

苔むしては居るものの風化劣化はそれほどでも無く、室町~江戸期のものだろうか??

暫く進むと杉林の中、石垣に囲まれる様にしてまたも大石に地蔵さん、そこだけ光が差し込んで、まるで手招きでもしているようでした。

今度は舟形光背の中に地蔵菩薩坐像、二体共にうり二つの顔をしていて同一作者の同一時代のものだろう???

共に像高約35cm程、右手に錫杖、左手には宝珠の定形地蔵。

往時この辺りには天正年間に織田信長の兵によって焼かれてしまった草安寺という古刹が在ったとされ、その遺仏だとすると此の石仏さんたちは天正年間以前の石仏さんなのかも・・・・。

今は深い山の中で訪れる人もなく静かに時の流れに身を委ねているようでした。

撮影2011.4.2



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4 コメント

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Unknown (たいしん)
2011-04-06 07:58:20
お早うございます。
多尊仏も好いけれど
地蔵坐像も珍しいですねぇ。
スポットライトが当たったようなお地蔵さん
いいな~
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Unknown (ぺん)
2011-04-06 08:45:26
中々良いですよね。
このように人知れず山中に埋もれてしまう石仏さんも一杯あるんですよね。

ありがとう。
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Unknown (幽黙)
2011-04-06 19:05:32
最近のアップに
なかなか追いつけていないのですが
おにぎり岩の地蔵尊は
なんともいえず
素晴らしい造形ですね
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Unknown (ぺん)
2011-04-06 19:39:52
幽黙さん、自粛も考えましたが・・・・。
やっぱり通常通りやることにしました。
かえってスピードUP ...
そんな事より幽黙さん諸々大丈夫でしたか??
コメントもしたかったけど憚られました。
ごめんなさい。

色々有るけど・・・・。
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