前回紹介した、清滝磨崖石仏群から、少し上流に上がった鳴川集落の辻にこの地蔵堂がある。
この地蔵堂の本尊が揺るぎ地蔵で,高さ2.0m、幅68cm、厚さ40cm、像高154cmの地蔵立像で頭上に幅92cmの笠石を乗せている。
左側面に銘文があり「弘安二二(四)年辛巳五月日 とあり、元寇(げんこう)(文禄・弘安の役)の二度目(1281)に際して国家的危機を回避するために立てられた尊像と考えられているらしいが、その造立の意味が忘れられ、信心すると病気などの痛みが揺るぐ(消える)との信仰が生まれ、今日の呼び名となっているという。
この地蔵さんの信仰の篤さは地蔵さんと言わず、其の建物の柱や枠などにも涎掛けが掛けられ千羽鶴までが堂内に下げられている
本当は失礼して涎掛けを外した写真が欲しいけど、これだけ多く、何重にも掛けられているとついつい臆してしまって外せなかった。
傍に十三石仏が有るけど、これなどはまったく石仏が見えないほどに涎掛けを掛けられていて、撮影をあきらめざるを得なかった。
信仰と観賞は別物でやっぱり信仰が優先されるべきだと思うので、この石仏さんの撮影はこの程度であきらめました。
人気無い山中で苔むし朽ち果てる石仏も多い中、この石仏には体温さえ感じられる。
撮影2006.5.21