pure's movie review

鑑賞した映画の感想です。

明日の記憶

2009-06-06 23:30:32 | 邦画



2006年 日本配給 122分 東映配給
STAFF
監督:堤幸彦
脚本:砂本量 原作:荻原浩『明日の記憶』
CAST
渡辺謙 樋口可南子 吹石一恵 坂口憲二 水川あさみ 香川照之 大滝秀治 及川光博


今、荻原浩さんに夢中になり、彼の作品を片っ端から読んでるとこです。本当に引き出しの多い作家さんで、ユーモアに富んでいるのは共通して言えることだけれども、どの作品も全然世界観が違う。特にこの「明日の記憶」は「ハードボイルド・エッグ」を読んだ直後のせいもあると思うんだけど(笑)、同じ作家が書いたものとは到底思えなかった。この原作に渡辺謙さんが自身の闘病生活と照らし合わせて共感し、荻原氏に「映画化したい」と熱烈アプローチをしたそうです。多分、ただのお涙頂戴ものではなく、絶望に陥ってみたり希望を持ってみたりの繰り返しの不安定な心境や、周りの人々の裏切りや冷たさ、そして温かさがリアルに描かれている所が謙さんの心に触れたのではないかな?家族と闘病生活をおくっている自分もその点にすごく好感が持てた。映画やドラマの中の「病気」って、ともすれば感動や涙を誘う道具として軽々しく使われがち。そういう意味で、今上映されている余命1ヶ月の花嫁は本には感動したけれども映画はどうしても観る気になれません。

前置きが長くなってしまいましたが、原作で感じた好感を映画でも感じる事が出来るのか?「トリック」や「自虐の詩」の堤監督がどう映画化するのか?と不安と期待を持って観てみましたが、よかったです。原作に引き続き、好感のもてる作品でした。謙さんはやっぱりうまい。謙さんが涙を流すシーンは必ず涙を誘われてしまいました夫の前では涙を見せないように献身的に支える妻の姿にも涙 でも原作同様、悲しいだけではなく、前向きになれて希望を持てるエピソードも忘れない。記憶をなくして妻の姿を見ても素敵と思えたり。過去に思ったように、名前もいい名前だと思えたり。

ところで実は謙さんの出演してる邦画って初めて観たかも? 「ラストサムライ」とか「SAYURI」とか、気付けばハリウッド映画の出演作ばかり観てました。でも余談ですが、実は仕事で彼が出演している某CMの撮影現場の見学をさせてもらったことがあるんです。その時お会いしたのですが、ものすごくいい方でしたよ。本番中は勿論真剣な表情でも、「カット!」のひと言と同時に笑顔になり、スタッフと気さくに話し、待ち時間もスタッフが立ってれば座らずに一緒に立ってる。挨拶もスタッフ全員に笑顔で。思わず惚れそうになりました(笑)そんな、本人を目の前にして好きになってしまった俳優さんが、この主人公を演じてくれて本当に良かったなぁ~。


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