作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

感想文の似た話

2017-10-20 | 感想文
 感想文が苦手という生徒は少なくありません。

 でも、それは、感想文は難しいという先入観によるものであることがほとんどです。

 「一番印象に残ったこと」→「似た話」→「想像した話」→「まとめの感想」という基本的な書き方の流れを知っていれば感想文はかなり書きやすくなります。

 上手な感想文にするためのポイントは「似た話」です。また、字数を増やすためにも「似た話」は重要です。

 感動的で共感できるような内容の「似た話」が入るとよいのですが、最初のうちは、とりあえず「似た話」が入っていれば十分です。

 私は、「似た話」の部分は、感想文だということを忘れて普通の作文のように書けばいいよと指導しています。そうすると、会話やたとえなども入れやすくなり、長く書けます。

 自分の体験から「似た話」をさがすのが難しい場合は、お父さんやお母さんが「似た話」をたっぷりしてあげましょう。

 感想文の敷居を低くするためには、親の協力も必要です。


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低学年の感想文指導

2017-10-10 | 感想文
 低学年のうちから感想文の書き方を学んでおきたいというご要望があったので、先月より、低学年の生徒にも感想文の指導をしています。

 感想文は、まず、構成を意識して書くことが大切です。

 こちらで、感想文が書きやすくなるようなシートを作成し、まずは、そこに書き込んでもらっているのですが、みなさん、しっかり準備をしてきてくれるので、教室では、あっという間に感想文を書き上げてしまいます。

 まだ字数は短いのですが、最初の目標は、感想文の構成に慣れることと似た話(体験実例など)をうまく見つけることです。低学年のうちは、これだけで十分だと思います。もちろん、似た話は、おうちの方と一緒に考える必要があります。

 中学年以上になったら、表現の工夫をしながら似た話をふくらませ、字数を増やしていきます。

 感想文に苦手意識を持ってしまう生徒さんは少なくありませんが、似た話を書きやすい本を選び、構成どおりに書いていけばそれほど難しくはありません。似た話の部分は、普通の作文と同じです。だからこそ、まずは、作文の練習をたっぷりしておくことが大事です。



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入選する感想文の書き方

2015-07-03 | 感想文
 感想文というと、本を読んだ感想を書くものと考えてしまいがちですが、感想だけで字数を伸ばすのは至難の業です。その結果、感想は最後の数行のみ、ほとんどが本のあらすじというような感想文になってしまうのです。

 では、どうすれば内容の濃い感想文にすることができるのでしょうか。そのポイントは、「似た話」です。本の内容と似ている話を自分の体験やお父さん、お母さんに聞いた話から見つけて書いていくのです。

 この「似た話」が入ることによって、感想文が書き易くなるわけですが、書き易くなるだけではなく、感動的で面白い感想文になります。単なるあらすじや感想が並べられているだけのものとは違い、オリジナリティのある内容になるからです。

 というわけで、まず、この「似た話」が書き易い本を選ぶことが大事です。読んで面白い本と、感想文が書き易い本とは少し違います。似た話を思いつきやすい内容、想像をふくらませやすい内容の本を選んでください。

 入選を目指すなら、似た話のポイントは、「個性」「挑戦」「感動」「共感」です。「個性」とは、他の人とは違うオリジナリティのある話、「挑戦」とは、敢えて挑戦したというような話、「感動」とは、自分自身が感動して書けるような話、「共感」とは、自分の弱みを出すことによって共感が得られるような話です。

 本を読むときは、似た話を思いついた箇所に附箋を貼るなどしながら読んでいくとよいでしょう。

 具体的な書き方ですが、まずは、本のはじめの方から一か所、似た話の書けそうな場所を選び、その部分を引用します。そして、自分の似た話を書きます。似た話を書いた後は、その似た話についての感想を書きます。感想を書くときは、「たぶん」「きっと」「もしかしたら」などという言葉を使いながら書いてみましょう。

 次は、本の真ん中くらいから一か所、似た話の書けそうな場所を選び、同様に「本の引用」→「似た話」→「感想」という順番で書いていきます。

 最後に、本の終わりの方から一か所、似た話の書けそうな場所を選び、「本の引用」→「似た話」→「感想」という順番で書いていくのですが、最後の「感想」の部分は、本全体の内容についての感想を書きます。低中学年の場合は、本全体について思ったことを書けば十分ですが、高学年の人は、その本から学んだことや「○○は(人間にとって)……である」というような一般化した大きな感想が書けるとなお良いです。また、高学年の人は、続けて、「私はこれから」などという言葉を使い、この本から得たことを自分のこれからの生き方にどうつなげていくかを考えてまとめます。

 お父さん、お母さんの役割は、自分の子供時代を振り返って、似た話を提供してあげることと、書いている途中でも、書き終えたあとでも、子供の書いた内容のいいところや面白いところをたっぷりほめてあげることです。子供の意欲をそぐことのないように、未熟なところを指摘したり、書き直しをさせたりしないようにしてください。

 さらに具体的な感想文の書き方については、こちらをご覧ください。
 「桃太郎」を例にした感想文の書き方 


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余裕

2015-06-08 | 感想文
 今週の小学校6年生の課題は、「自動車のハンドルに遊びがあるように、人生にも遊び、つまり余裕が大切だ」という内容の長文の感想文です。

 かわいそうなことに、自分の生活をそのまま書いて、余裕が欲しいと訴える受験生も少なくありません。週に4日の塾通い、塾のない日も宿題に追われ、日曜日もテスト。そういう生徒にとっては、せめて作文教室だけでも息抜きの場であってほしいと思ってしまいますが、本当は作文を書くより、外で思い切り遊ぶか、家で思う存分ゲームをしたいというのが本音でしょう。

 「人間にとって余裕とは……」とまとめる一般化。ある生徒は、「余裕とは安心である。」と綴っていました。うまいなあと思いました。裏返して考えてみるとわかりやすいです。時間にしても、お金にしても、余裕がなかったら不安です。確かに余裕とは安心につながるのです。

 今を精一杯がんばることも大切かもしれませんが、そこに余裕がなかったら、決して幸せとは言えないでしょう。余裕とは、未来に求めるものではなく、今この瞬間に必要なものなのです。


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言葉の森・小6の作文 カキの話はカキにくい

2011-10-15 | 感想文
 言葉の森の小学校6年生の10月2週の課題は、柿に関する長文の感想文です。毎年、この課題に苦労する生徒は少なくありません。子供たちにとって、柿は、あまり人気のある果物ではないようです。だから、柿に関する話と言っても、ピンと来ないようなのです。

 でも、今年は、ある生徒がおばあちゃんから聞いた話をたっぷり書いてくれました。

 「柿には、富有柿、次郎柿、八茶柿、百匁柿、豆柿などの種類がある」
 「高い柿の木には、はしごをかけて登り、木製の先が三つに分かれた棒を使って、柿を取った」
 「柿の皮の中心に渦巻状に線が入ると、中には、黒いゴマの模様ができている」
 「渋柿は、干し柿にして熟させると、赤く柔らかくなり、黄な粉をまぶして食べるとおいしい」
 「『柿が赤くなると、医者が青くなる』ということわざがあるように、柿は栄養的にすぐれている」
 「柿を見ると、故郷を思い出す」

 長文の感想文には、おうちの方に取材した話を入れることになっていますが、お父さんやお母さんだけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんに取材をしてみると、こんなふうに一味違った話が聞けるかもしれません。

 カキの話はカキにくいなどと言ってはいられません。自分の話だけではなかなか書けないときこそ、取材力を発揮して、内容の豊富な感想文を目指しましょう。


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要約

2005-03-16 | 感想文
 1000字程度の長文を読んで要約をするのは、子供にとってはかなり負担となる作業です。長文の内容をしっかり理解できていても、自分の言葉で簡潔にまとめるのは非常に難しいことです。最初から、自分の言葉でまとめようとせずに、まずは長文中の文をそのまま抜き出すことから始めてみましょう。
 長文を大きく三つくらいに分けます。それぞれのかたまりの中から、一つずつ中心となる文を選んでいくのです。もちろん、中心となる文を一つだけ選ぶのは無理がありますし、中心となる文がわかりにくい場合も多いと思います。そんなときは、自分の好きな文を選んでもいいでしょう。選び出した三つの文がうまくつながらないこともあるはずです。でも、それでいいのです。三分の一ずつのかたまりの中から一文を選ぼうとするその作業に意味があるのです。
 三つの文をつなげただけの要約は、もちろん、不十分なものですが、この練習を何度も繰り返すことによって、足りないところを補ったり、自然なつながりになるように工夫したりできるようになります。時間はかかりますが、要約の基本は、ポイントとなる文をさがすこと。この訓練の積み重ねでだんだと上手になります。

感想文の書き方

2005-02-11 | 感想文
 作文は書けるけれど、感想文は苦手という人も多いと思います。でも、感想文もコツさえ覚えてしまえば作文と同じようにすらすら書けるようになります。最初のうちは、短くてもいいので、四つの段落に分けて書いてみましょう。

<第一段落>
 まず、元になる文章を要約します。要約と言ってもむずかしく考えずに誰のどういう話なのかを簡単に書けばOKです。どんな話なのかを書いた後は、その話を読んでいちばん強く印象に残ったことを書きます。

 【例】「この話は、ある男の子がさまざまな困難に負けることなく、最後には宝物をさがしあてるという冒険の物語です。私がいちばんすごいなあと思ったのは、主人公の男の子が最後まであきらめずに宝をさがし続けたことです。」

<第二段落>
 自分の体験から似た話をさがしてかきます。なるべく身近なところからさがして書くと、書きやすくて長く書けると思います。この部分は、普通の作文と同じように会話、たとえ、思ったことなどを入れながら書いていきます。

 【例】「私にも似た話があります。私も、あきらめずになくした宝物をさがし続けたことがあります。……」

<第三段落>
 もうひとつ別の似た話を書いてみましょう。自分の体験からもう一つの似た話をみつけるのがむずかしかったら、本で読んだ話や誰かから聞いた話を書いてもいいでしょう。
 また、似た話が見つからない場合は「もし……だったら」と、想像したことを書いてみましょう。

 【例】「もし私がこの男の子だったら、途中で来た道を引き返していたかもしれません。」

<第四段落>
 元の話に戻って感想を書いてまとめます。その話から学んだことを書いてもいいでしょう。

 【例】「私はこの話を読んで、何事もあきらめずに最後までやり遂げることが大切なのだと思いました。」