『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

クリスマスまで、あと1週間

2006年12月18日 02時42分46秒 | おもひでばなし
《クリスマスの思い出 その1》

                 


あちらこちらで、火炎樹の真っ赤な花が咲き乱れると、
日本ではそろそろ秋風が木の葉を揺らす頃かしらと、
格子の入った窓越しに、深紅を一層映えさせる真っ青な空へと視線を投げた。
鳳凰木とも呼ばれるその木の花はクリスマス頃までその鮮やかな色合いを保ち、
地元では「クリスマスツリー」と呼ばれていた。

赤道に近い南半球のかの国ではクリスマスは、真夏。一年で一番暑い季節だ。

頻繁な停電に備えて常備してある蝋燭立ても、この時期はクリスマス用に変えてたけど、
「冬のクリスマス」しか知らない私には、やはりひいらぎとポインセチアの飾り。
現地で買った蝋燭をそこに立てていると、数日後に室温の高さで直角に曲がってしまう、
そんな暑さの続くクリスマスシーズン。

美しいとはお世辞にも言えない町の中心部に小さなユニセフの事務所があり、
そこで入手したクリスマスカードに付いていた金属製のオーナメント。
もしかしたら、珍しくはない物なのかもしれないけど、
荒削りな調度品や、原色の交錯する雑踏に目が慣れてしまうと、
こんな繊細な細工の物には、例えそれが機械での型抜きだったにせよ、
普段以上に愛おしくて、心を高ぶらせつつ購入。

各国の民族衣装を着た子供達が蝋燭を持って輪になっている。
着物姿の日本の子供も、アフリカの子供もいたので、ついつい嬉しくなってしまった。
何枚かのクリスマスカードと共に、同じ様なオーナメントのセットも購入。
単純に、美しいと感じる物が、外国製だという事に少し寂しさを感じながら。

けれど、火炎樹の赤やブーゲンビリアの大木の濃いピンクや白、そして、生命力溢れる木々の緑。
常夏の国の自然が彩るクリスマスカラーには圧倒された。

たった2年の滞在で、もう10年近く経ってしまったけど。
帰国してしばらくは「帰りたいよぉ、アフリカへ。」と、二言目には言ってたっけ。
もう二度と生活する事はないだろうけど、
私が歩んできたちっぽけな人生の季節の中では、
 最高のクリスマス休暇  だったと思っている。


コメント
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