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MAROワールドVol.50 “モーツァルト Part Ⅵ” by 篠崎“まろ”史紀

2024年04月15日 | pocknのコンサート感想録2024
2024年4月12日(金)
MAROワールドVol.50 “モーツァルト Part Ⅵ” by 篠崎“まろ”史紀

王子ホール

【曲目】
1.モーツァルト/パントマイムのための音楽「パンタロンとコロンビーネ」K446(弦楽五重奏版)
(無茶ぶり)♪ 黛敏郎/無伴奏チェロのための『BUNRAKU』より(Vc:藤原秀章)
♪ ♪ ♪
2.モーツァルト/ディヴェルティメント第17番ニ長調 K334

【出演】
Vn:篠崎“まろ”史紀、小林壱成/Vla:佐々木亮/Vc:藤原秀章/CB:菅沼希望/Hrn:福川伸陽、上里友二/ダンス&振付:キミホ・ハルバート/クラウン:フィリップ・エマール/ダンス:佐藤洋介、上野天志
【演出】田尾下哲



舞い落ちた花びらに覆われた終演後のステージ

2004年3月に始まったMAROワールドは、王子ホールの看板公演として人気を博しながら回を重ね、20年かけて50回目を迎えた。記念すべきアニバーサリー公演のテーマは6度目のモーツァルト。2004年10月のvol.2と同じモーツァルトの演目が、その時に話題を呼んだパントマイムとのコラボという形で上演された。その時は2人のパントマイムアーティスト(水と油)との共演だったが、今回はクラウンとダンスによる4人が踊りを担った。

前半は、パントマイム好きだったモーツァルトが自らマイムを演じたという「パントマイムのための音楽」。ここでの4人のパフォーマンスが抜群に面白く、一人の女性を巡るユーモアと哀愁溢れるお芝居とダンスの世界に入り込んだ。リフトなどを盛り込んだ軽やかな身のこなしで鮮やかなパフォーマンスを繰り広げるダンサーと、フィリップ・エマール氏のコメディータッチの演技から、モーツァルトが悪のりして自ら演じていた姿が目に浮かぶ。

この振付は音楽にぴったりハマっていた。マロワールドの面々による劇場付の楽団のような親しみ深く機知にとんだ演奏がお芝居を盛り立て、5人のプレイヤーそれぞれのソロでは、即興っぽいパフォーマンスがドラマを更に盛り立てた。

後半は、名曲のディヴェルティメント17番。前半ではステージの隅で演奏していたプレイヤーがこちらはステージに広く陣取った。こちらのマイムは抽象劇で、音楽に合わせて人間の喜怒哀楽を表現する。それぞれのソロパフォーマンスがメインで、全身を大きくゆったりと使って音楽との一体感を醸成した。演奏はダイナミックで、細かい動きがクローズアップされ、各パートが雄弁に語りかけてきた。

ステージには花輪や花びらが沢山登場して、笑いを誘いつつも「愛」と共に「はかなさ」や「切なさ」が伝わって来た。無数の花びらが舞い落ちる最後の場面は、ちょうど東京の桜が散っているこの時期と重なって郷愁を誘い、とても印象深いエンディングとなった。

お馴染みの無茶ぶりやトーク、プレゼントの抽選会も入った50回目のMAROワールド、「50回全部いらしている方?」というまろさんの問いかけに、3~4人が手をあげてプレゼントをもらっていた。全部とまでは行かなくても20年間通い続けているファンは僕たちも含めて多いことだろう。これも、いつも素敵な演奏とサプライズで楽しませてくれるおかげ。これからものMAROワールドにも期待している。

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