今回の『うたっておどろんぱ! プラス』の青山さん、カッコイイと千回書いても足りません!!!!!! おどろんぱダンサーズの魅力がそれぞれに生かされていて、とても5分とは思えない充実した内容でした。NHK様、本当に有難うございます。
もともとボクサー体型の青山さん、一片の無駄もないストイックな体躯に『森羅』の落武者を思い出します。全身コメントしそうになるのをグッと抑えてひとつに絞ると、この間からのこだわりの鍛え上げた膝から下の硬質感が、まるでサイボーグみたいで特にかっこいいですよね。
少し前に、相撲とバレエのように全くの異分野と思えるものでも究極の動きには共通点がある、ということを書きましたが、今回の青山さんは「強い動き」と「美しい動き」をひとつのフォルムにして見せてくれました。これだから青山ファンは辞められません。「うつくしい」というとギャグ扱いされることが多いのですが、「美しい」ということはかくも「強い」ことなのですよね。欧米の「美」が、男性の彫刻によって多く表現されているのに納得してしまいます。
しかも3人のソロパートが終わった後に、今度は側面からのショットが続いて、ダンスオタクは脳髄を直撃されるような幸せを味わいました。どうしてこんなに綺麗にストンと垂直に重心を落とせるんでしょうか~。また「おちばであそぼ'06」でも触れた強靭な膝は、全く異なる曲想の中でも、滑らかな弧を描きながら上体の速く大きい動きを精密機械の接合部のように支えています。
この「ボクサー」を見ていると、青山航士さんの体躯というのは、私たちが生きている空間の物理的な法則を知り尽くしている、文字通り「体得」している、と思わずにはいられません。そのうえ、自由奔放な動きのように見えながら、音楽に同調したダンスになっているのですから、改めて「こんなダンサーは他にはいない」と思います。
人は音楽が生まれる前から踊っていたといわれていますが、音楽にあわせている、というより、音楽をリードするような動きが、そのことを実感させてくれますね。青山さんという人は様々なステップの向こう側にある、「人が踊り始めた」その瞬間の感情や体の中の衝動を、今の時間のなかでよみがえらせる事が出来るのですねえ。・・・も、とにかくホントにカッコイイです、徹夜して見そう・・・
見逃した方は是非来週の再放送をご覧下さい。土曜日午後5時40分~45分の放映です