現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

大地の芸術祭(その10:十日町エリア南側)

2006-08-06 | アート感想@遠征
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再び十日町エリアへ。以下、今回の新作のうち、特に印象に残った作品の感想(カッコの数字は作品番号)。

倉谷拓朴の《名ヶ山写真館》(56)は、集落の古い写真や農機具を使った枯山水などを古民家全体に展示した空間。ヘッドホンを着けて音と光を楽しむ屋根裏のインスタレーションも必見。

菊池歩の《こころの花-あの頃へ》(58)は、ブナ林に広がる3万本のビーズの花(冒頭の写真)。作家が集落の人びとと3年がかりで作った膨大な数の花が咲き誇り、この世のものとは思えないような幻想的な光景が広がっていた。地元の方の話によると、夕暮れ時がオススメとのこと。また、週末は夜間ライトアップも行うらしい。

栗田宏一の《ソイル・ライブラリープロジェクト/越後》(48)は、新潟県全域で採取した土750種類を民家の2階に並べた作品。土のカラーバリエーションがこんなに豊富だったとは……。

行武治美の《再構築》(45)は、表面に無数の鏡を貼り付けた小屋(上の写真)。小屋の内側も鏡の空間になっていて、そこから外の景色を眺めるのも面白い。なお、内部の入口が低くなっているのには注意(私は思いっきり頭をぶつけてしまった……)。

越後湯沢でレンタカーを返却し、新幹線で帰宅。

2006年の新作を中心に、レンタカーで4日間(1泊2日×2)走り回ったけど、十日町駅・まつだい駅周辺やキョロロ(松之山)周辺など、まだ回ってない作品がたくさん……。ホント、とんでもないアートイベントだと思う。でも、それが私には楽しかったり。

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006
新潟県十日町市・津南町全域(約760km2の広さ!)にて、9月10日まで。

大地の芸術祭(その9:続報)

2006-08-06 | アート感想@遠征
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朝、ちょっと早めにチェックアウトして、先週まだ制作中だった作品巡り(カッコの数字は作品番号)。

民家など、屋内での展示時間はほとんどが10:00~17:30なので、それ以外の時間は屋外作品を巡るのがオススメ。

まず、一日前に公開されたばかりの古郡弘の《胞衣 みしゃぐち》(12)へ(写真)。以前の記事に「場の力が前作よりも弱いかも」って書いてしまったけど前言撤回。2003年作品とは別の意味の「場の力」を感じさせる作品だった。深い溝状の通路を通り、土で造られた円形の構造物に入ると……、

作品内部は上の写真のような世界が広がっていて、コンクリート構造物とは全く別の味わいがある空間だった。これはスゴイ!

リニューアル中だった國安孝昌の《棚守る竜神の御座》(276)が《棚守る竜神の塔》として完成したことを大地の芸術祭ぶろぐ:完成!!棚守る竜神の塔で知り、松代エリアへ移動。

記録的な大雪のため一度は崩れてしまったけど、それを乗り越えて生まれ変わった《棚守る竜神の塔》は、前作以上に力強く、神々しい姿となっていた(上の写真)。

一方、塩澤宏信の《イナゴハビタンボ》(230)は、まだ制作中だった。でも、形になってきていたので、もうすぐ完成かも。

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