チビピチュ物語２ 第三章 （その3） － 後編 －

屋敷に戻ると、花束と薬をハミルトンに渡し、

『病人達に薬を飲ませたら、すぐ訓練所に来るように！』

と指示を与えました。



『皆も知っての通り、そこのカゴメ団が銀の鍵を持っていた。

　これは、「願いの石」を開ける鍵である。

　我々はこれから、王宮にある「願いの石」を奪うべく行動する。

　指示はクビサ軍曹に与える。

　皆は、クビサ軍曹に従うように！』



『これで、解散だ。　クビサ将軍は、ここに残れ』

『はい』



『先ほどの鍵の件だが、実はもう一つ鍵があるのだ。

　銀の鍵の対となる金の鍵。それがなくては願いの石は手に入らん。

　問題となる「金の鍵」だが、カゴメ団によると

　ぽんという娘が銀の鍵の方を持っていたと言っていた。

　ぽんと言えばすぐ思いつくのが、ぽん姫の事。

　ぽん姫は、旧名家のオトメンハルク家の一人娘。

　銀の鍵しか持っていなかったというカゴメ団の言葉を信じるとすれば、

　金の鍵は、おそらくオトメンハルク家以外の旧名家の者が持っているに違いない。』



　『そこで、旧名家の大貴族というと…

　　オトメンハルク家を除けば、

　　フレイン家

　　レイダック家

　　そして、モーティアーヌ家

　　という事になる。

　　さらに、忠誠心なども考慮すると

　　一番可能性の高いものは…』



　『ここ、モーティアーヌ家ということになる。』

クビサ軍曹は頷きました。

　『確かに、モーティアーヌ家なら、オトメンハルク家と双璧をなしますな！』

キヌガサ元将軍は、一枚の地図を出しました。

　『おそらく、銀の鍵が奪われた事は、近日中に王宮や大貴族たちに、バレることだろう。

　　だが、それこそ我が軍にとって格好のチャンスとなるのだ！』



　『銀の鍵が奪われたとなると、一番安全な王宮に「金の鍵」のほうを

　　持って行きたくなるのが普通だ。

　　モーティアーヌ家のものが、火急の用として王宮を訪れる事は

　　間違いない！

　　それを狙って、金の鍵を奪う！！』



　『王宮への道はいくつかあるが、『王の街道』前で一本につながっている。

　　つまり、どこをどう通っても、必ず『王の街道』は通らなければならない。

　　そこで…』



　『王の街道』手前で待ち伏せし、モーティアーヌ家の者を捕らえて

　鍵を奪う！　クビサ第一部隊にはその任務に当たってもらう。　よいな！』

クビサ軍曹は、『了解しました！』と言って敬礼しました。

キヌガサ元将軍は、計画をより確実なものにするために

ぴぴたんとむーちゃんの写真をクビサ軍曹に手渡しました。

　　　　　チビピチュ物語２　第三章　（その3）　おわり




☆　☆　☆　☆　☆　あとがき　☆　☆　☆　☆　☆


チビピチュ達が知らぬ間に、金の鍵強奪計画が

着々と進んでいます。

チビピチュ達は、このキヌガサ元将軍達に金の鍵を奪われる事なく

王宮へ届けることができるのでしょうか。

そして、銀の鍵も……

がんばれチビピチュ！

　☆　おまけ　☆

実は、オトメンハルク家とモーティアーヌ家には、名前の由来があるんです。



オトメンハルク家　…　『乙女のハルクイン』

モーティアーヌ家　…　『もっちゃんの家』

もしかしたら、すぐに気付いた人もいるかもしれませんね！

仕掛け好きなえつこより♪




ブログ村ランキングに参加してまーす。
プチッとクリックしてね
↓　↓　↓