ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

白谷沢(しらやさわ)~棒ノ嶺~滝ノ平尾根

2014-05-19 12:52:56 | 登山(奥多摩・奥武蔵・秩父)

5月18日(日)

東飯能駅→さわらびの湯バス停→白谷沢登山口→岩茸石→権次入峠→棒ノ嶺山頂→
権次入峠→岩茸石→滝ノ平尾根→さわらびの湯バス停→東飯能駅

久しぶりに両神山に行こうと目論んでいたが、前夜泊予定の民宿が満員とあって
計画はあっけなく頓挫した
やはり百名山の新緑の季節は、混むのであろう。
そこで、こちらも何年来の計画の一つ、白谷沢から棒ノ嶺へとダーリンとともに登ることにしたのだった。
6時に最寄駅を出発し、途中大宮駅・川越駅で乗り換え、7時37分東飯能駅に到着。
東飯能駅7時43分発のバスは、始発の飯能駅から既に混雑していたようで
東飯能駅で10名ほどが乗り込むと、満員となった。
土・休日にこれほどお客がいても、飯能の路線から撤退しようとしている国際興業バスだが
恐らく、平日の利用者が驚くほど少なく、行楽客も季節によっては激減するのだろう。
8時21分、バスはさわらびの湯バス停に到着したが、そこでは驚きの風景が。
駐車場という駐車場に車がびっしりで、これほどまでに自動車利用の人が多いのかと驚いた
名栗周辺では、川遊びや河原でのバーベキューなどもできる場所があるようだし
さわらびの湯周辺からいろいろな山へのアプローチも可能だ。
これほどまでに自動車利用者が多いとなれば、バス路線の維持も心細いものだ。

バス停付近で身支度を整え、8時40分に白谷沢登山口へ向けて出発。
途中、有間ダムによって堰き止められてできた名栗湖を渡る。
名栗湖を周回する道路にも、路上駐車の自動車がいっぱい

9時、白谷沢登山口に到着。
この時刻で気温はかなり上昇しているようであったが、登山道は沢沿いの樹林帯で
沢から吹き上げてくる涼風が心地よく、暑さを感じなかった。

登山道を入ってすぐ、右手の斜面一面に咲いていたのは、ガクウツギだろうか。

徐々に沢に近づくにつれ、タツナミソウ・マンネングサの仲間などが見られる。
よく見ると、花後だったのでよくわからないが、さまざまなネコノメソウもあるようだ。
春先に訪れたら、沢沿いの湿った場所には、たくさんの花が咲いていることだろう。

9時18分、最初に現れる滝が藤懸の滝だ。
写真が下手で申し訳ないとしか言いようがないが、ここから先の滝の連続と
白谷沢の流れ、両岸に迫る絶壁など、その渓谷美にはため息が漏れるほどだ。

そして白谷沢登山道から30分ほどで、このコースのクライマックスゴルジュを通過する。
ゴルジュとはフランス語で「喉」の意味だそうで
山岳用語として両側の岩壁が狭まっている谷のことを指すようだ。
ここまで、沢を何度か渡ったり、沢の中を歩くような箇所もあるが
よほどふざけたり油断したりしなければ、危険な箇所はなく
ぴすけでさえも安心して、安全に疑似沢登りを味わえる素晴らしいコースである

振り返り見る景色も格別だ。

ゴルジュの通過は意外なほどあっけなく終わり、岩壁につけられた鎖場も
足元の岩肌が階段状になっているため、見た感じよりあっさりと登れてしまう。
渓谷美を堪能するには、もっとのんびり歩けばよかったと後悔したが
後から後から登山者が来てそのような気分にはなれないので、今度は平日に来ることにしよう。
ここを登りきると、登山道は次第に沢筋から離れていく。

登山道脇には、クワガタソウが群落を作っていた。

こちらは、アマドコロ。
途中、一度林道を横切る。

10時、白谷沢登山道と他のコースが交わる岩茸石の分岐に到着。
休憩はせずにここまで来てしまったが、そのまま頂上へと向かう。

権次入峠(ごんじりとうげ)までは、気持ちの良い尾根を歩くが
ハードル状になった木段の連続で、大変歩きにくい。
権次入峠から右手に折れて頂上へと続く尾根は、東京都と埼玉県の県境尾根で
東京都側の斜面は植林地、埼玉県側の斜面は雑木林で、その林相がくっきり分かれている。

10時30分、草原のように広々とした棒ノ嶺山頂に到着。
先に到着していた登山者が休憩していたが、予想していたよりは少なかった。
写真右の白く光る物は、狭山の西武ドームである。
池袋・新宿の高層ビル群はもちろんのこと、東京スカイツリーもよく見えていた。

視界は良好で、伊豆ヶ岳を代表とする奥武蔵の山並み、武甲山に続く山々が手前に聳え
その遥か先に日光連山・赤城連峰・榛名連峰、さらには武尊山・草津白根山などが眺められた。
山頂では、後続の登山者が次々に現れることが予想されたため
ここでも写真を撮るだけにとどめて、岩茸石まで下りてしまってから休憩にすることにした。

11時、岩茸石の前にあるベンチで、お昼を食べる。
かなりのんびりしたお昼休憩を取ったのだが、その間、次から次へと現れる登山者にびっくり
山頂はお昼休憩の人で大賑わいだろう。
11時50分、岩茸石を回り込むようにして滝ノ平尾根登山道に入る。

こちらの尾根ではヤマツツジがちょうど盛りのようであった。

しばらく歩くと、眼下に名栗湖が見えてくる。
名栗湖を挟んだ奥の尾根上に白い突起があるが、白雲山鳥居観音である。

滝ノ平尾根は県境尾根ではないが、尾根を挟んで左右の斜面で林相がくっきり分かれている。
尾根道なので快適だが、やや単調なきらいがある。
以前奥多摩から棒ノ嶺に登り滝ノ平尾根を下りた時も、そしてこの日も、ダーリンは
「この尾根、僕は登りに使うのは嫌だな。」
と、同じことを言っていたので、よほど好ましくないのであろう。
尾根を下ること1時間5分、パッと景色が開けると川俣の集落だ。
下山口から目の前の舗装路を上がると、その先はさわらびの湯である。13時、さわらびの湯に到着。
たくさん自動車が停まっていていたので、混雑しているのかと思ったが
まだ時刻が早かったためか、浴場には2、3人しかおらず、快適だった。
しかし、風呂から上がろうかといった頃に、どやどやと大勢の人が入ってきたので
ちょっとした時間差で空いているところに入れたのだろう。
さわらびの湯の休憩室で少しのんびりさせてもらってから
14時16分、さわらびの湯バス停から飯能駅行きのバスに乗り、帰途に就いた。


白谷沢登山道は、新緑の季節ということもあってかまぶしいほどに美しかった
真夏は、白谷沢はいいとしても、遮る物の少ない棒ノ嶺山頂やほかの登山道はかなり暑く
真冬は、白谷沢は凍結してぴすけのような臆病者には難コースになってしまうだろう。
真夏と真冬はぴすけはパスだが、時季を変えてまたぜひとも訪れたいコースの一つだ。



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2 コメント

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いい山ですね。 (can)
2014-05-21 19:25:29
私も昨年歩きました、東京近郊でゴルジュが歩けるのは貴重な経験。下りが長いのには閉口しましたが。
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今度はゆっくり (ぴすけ)
2014-05-22 22:07:37
canさん、今度は平日に行って、ゆっくり歩こうと思っています。
白谷沢遡行も、なんだかあっけなく終わってしまい、ちょっとさっさと歩きすぎたかなと、もったいない感じがしました。
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