pinoの旅にっき

旅先から、旅のにっきを更新しま~す★

グダグダの生活してるいいトシした登山経験のない人間が、突然富士山を登ったら・・・

2011-09-11 23:32:44 | 


「腰から下がぜんぶ筋肉痛!!!!!」

なめてたでしょ、完全に。
たかだかトレッキングしたことあるくらいで、登山も楽勝ってなめてた私。
もろくもくずれさった意味不明の自信・・・・・
ぴのこ○○歳の夏。


「おれさー9月に富士山登るんだよね」
カンボジアの施設の関係者M氏のひと言に
「え! マジで!? 私も一緒にいきたい!!」
って飛びついた。
だって今年の夏はめずらしく日本にいるって決めて、いるからには日本でしかできないことをしよう!って決めてたの。
んで、それが「登山」。
場所はどこでもよかった。
M氏が八ヶ岳って言えばそれに便乗したし秩父って言えばそこに便乗していた。
たまたま行き先が「富士山」だったから富士山に決めただけ。

それにしても私は登山は初めて。
でも、トレッキングなら日本でも海外でもふつーにしてたし・・・
多少の苦しい道のりでも大丈夫だって思ってたの。
だってたくさんの人が富士山に登ってるしさ、簡単なもんだって決めつけてた私。

本当は最初は低い山いくつか登って最終的に富士山をめざすつもりだったんだけど
だらだらしてるうちに時がすぎてて、気がついたら夏がおわりそーな気配。
これはもう便乗して登るしかないでしょ!
って思ったわけ。

決めてからネットで調べ始めて、案外無謀かもしれないってちょっとあせりはじめたんだけど
でもね、なんとかなるさって思っていたんだ。
だって、今までだって無理かもってことでもなんとかなってきたから。。。
まあ、それが甘かったんだけどね。
だから最初はビーサンとかで行っても大丈夫だろとか思ってたし。
そう、トレッキングの延長としか思ってなかったんだね。

で、まあ、準備としてはヘッドランプやトレッキングポールの購入。
あとは防寒着の用意。
寒さがハンパないらしいって認識したのが直前で、あわてて用意した感じなんだよね。
いろんな人に無理だのなんだのって言われたり、雨具を100キンで買ったと言ったら爆笑されても
「行ける!絶対山頂までいく!」って思ったの。


最初は夜中から登り始めて御来光を拝む予定だったんだけど、M氏の仕事の都合で夜中に都内を出発することに。
夜中の登山にちょっと不安になってた私はほっとした。寒いかもってダウンを持ってくのめんどーだなーとか思ってたしね。
朝の4時頃に都内に行けそうというので、仕事帰りにネカフェで仮眠取ってたんだけど思いのほか早くおわったと1時すぎには合流、富士に向かった。

途中のコンビニで食料を調達したんだけどそこのコンビニのレジカウンターに「40歳以下のお客様のお酒の販売には年齢確認」と書いてあって「へ?日本の法律変わった?」とかM氏に聞いた。そしたら店員が笑いながら「このあたりの店舗で未成年にお酒売っちゃって問題になったんですよね、そーなると販売権なくなっちゃうんで。大人びた子もいるんでまあ40歳くらいに設定しとけば大丈夫かなってw」と教えてくれた。
なるほどね・・・ってことで面白いので写真をパチリ。

そしていよいよ5合目に向かった。
坂道を登りながら少しずつ耳に圧力がかかってくる。
気圧が変わってきてるんだなーって実感。
それにしてもM氏飛ばすねえ。
駐車場に到着したら結構人がいるー。
と、駐車場から朝陽が登り始めるのが見えた。
濃い青色の下の方がだいだい色になってくる。
おお! きれいだ! 5合目からもう雲海が見えるんだー!
プチ感動して、着替えを始めた。
ヒートテックの下着、ロンT、チェックのシャツ、M氏に借りた雨具にもなるジャンパー。
ヒートテックのレギンスは履くのはあとにしようと思ってリュックに押し込んだ。
キャップは船の仕事をしてた時にもらった船の名前の入ったヤツ(それしか持ってない)。
で、トレッキングポール。
さあ、いくか!!!!!
駐車場から登山口まで階段を登る・・・。

ん?????

「Mさんやばいです、もう疲れました・・・・・・」

いや、まじで。
マジなんです。

そーいえば私。
駅の階段とかエスカレーターに乗っちゃうし、居酒屋の階段とかでも2~3階ですら息切れしてたっけ・・・。
え? そんななのに登山とか考えてたのって?
だってそんなでもトレッキングできたんだもん・・・。
夜はといえば、酒飲んでだらだらして、酔っぱらってあばれて・・・の、こんな生活の私。
でもさ、働いてる人ってそーいうの多いよね???
そうじゃない? そうじゃない????? 
いやー、そして年齢的なものもあるのだろうね。
自分ではできる!って思ってても身体がついていかない感じ。
上半身は50m8秒で走ってるのに下半身は10秒だからついていかなくて転んじゃう、みたいな。
まさに。

登山口に到着、とてつもない不安がおそってきて足がふるえる。
やばいぞ、私。
イキナリこんなとこ来ちゃった・・・。

でもね、行くしかないでしょ。ココまで来ちゃったんだから。
うぉー、いくかあ!!!
気合い入れて一歩踏み出した。

6合目までは、まあなんとなく行けた。
そんでもひいはあ言ってたけどね。
でも、こんな感じなら大丈夫って、そう思ったんだけど・・・。
その先はそんなわけにはいかなかったのを知ったのは数分後。

次は新7合目めざす。
うお!
傾斜が急なんすけど!!!!!
まじか?!
・・・天気は良い。
だって私、晴れ女だから。
寒いとかは全然なくて、むしろ暑いくらいで。
天気は良いけど傾斜がダメ。
・・・・・きつい・・・・・。

む、胸がくるしいっ!
えっとね、全力疾走した後ってぜいぜいすると同時に胸がぎゅ~~~って苦しくなるでしょ?
若い人はならないかもだけど。
で、その状態がずーっとなのね。
ちょっと休むとラクになるんだけど。
だから、休み休み登るしかなくなって・・・。
でもがんばって登った・・・。

M氏が時折、私の唇の色を確認して「高山病」チェックをしてくれてた。
「紫色になってきたなー。眠くなったとか、頭痛がしたら言えよ」
頭はちょっと、しめつけられるような感じはしてる。
でもへっちゃらだと思えばへっちゃら。
足もプルプルしてる。
でもまだ大丈夫。

がんばってがんばって、でもくるしくてくるしくて・・・・・・。

道はジグザグに登って行く感じなのね。
だから2ブロック登ったら小休止した。
じゃないと苦しくてダメ。
苦しさが和らいだら登り始めて、でもまたすぐ苦しくなる。
その繰り返し。

次の小屋がまだまだ先にみえる。
平地だったらすぐの距離なのに。

呼吸器のあたりがギュウギュウMAXになりながら、ようやく新7合目に到着。
し、しにそーだぞ!!!!!!

「Mさん・・・・・私、完全になめてました・・・。」


初心者のわたしというお荷物をかかえて登るM氏に申し訳ない・・・。
M氏だけだったらもっと早く登れるのに、と思うと、それについていけない自分が情けなくなる。

「おなかすいた」
「腹へったなら食べた方がいいよ。食べれる時に食べとかないと」

持ってたチョコとおせんべを食べた。
水も少しずつ飲むように言われる。

登り方も、歩幅を狭く、ゆっくりと。って言われた。
歩幅を大きく取ると早く疲れるみたい。
呼吸も鼻で吸って全部吐ききらないと酸素を取り入れられない。
ってゆーけど、うまくできない。
だって胸が苦しくて、それどころじゃあ・・・。

そんな感じで次は旧7合目を目指す。
ゆっくりでいいからって。

天気は快晴!
空がきれいなスカイブルーできもちいい。
雲海は飛行機から見れるけど、自分の足で登った場所から見るのはまたちがう光景に感じるのだ。

ゆっくり。ゆっくり。

でもゼイゼイハアハア。

まわりの人をみてみると、歯を食いしばって登ってる人、辛そーな人、
自転車かついで登ってる人(下山時に自転車でおりるらしい)、いろいろ。
ファミリーのキッズもいる。
でもやっぱ学生くらいの若い人は「イモトってすげーな」とか言いながらすいすい登ってる(ようにみえる)。

たとえば日頃運動してなくても、年齢によってその辛さがちがうもんなのだろうな。
私がもしあと10歳若かったら、また違う感じだったんだろうし。
でも10歳若い私は、富士山に登ろうなんて考えもしなかったからそれは仕方ない事で。

いろんなことを考える。
テレビでは登山は「己との戦い」とか言ってるけど、まあそうだろうな。
だってなにが楽しくて登るのかってわかんないし。
だから登ってみたくなったんだし。
でも、そうしたらなんか思い出してきて
そっか、なんか感動するかもしれないって思って登ってみたかったのかもって。

M氏に「登山とトレッキングってどー違うのさ?」って聞いてみた。
「登山はただ山頂をめざすんだよ。でもトレッキングの目的は山頂じゃないだろ」
そか。
そーいやそーだ。
トレッキングは自然を楽しみながら歩いて、目的地は滝とか神社とか、そんなんだった。
とくに富士山の登山は登ってる時はおもしろくないって聞いたけど、ホント木々があったり動物がいたりとかそんなんじゃなくて、ただひたすら上を目指してもくもくと登る感じなのだ。
しかも溶岩石がごろごろしてる道を。
傾斜もそこそこあるしね。

M氏は他の登山者に積極的に声をかけて話してる。
便乗して私も話す。
楽しいな。

でも登りながらは話せない。
もう無理!ってかんじ。
いや、まじゴメンナサイって。

旧7合目まで、心で泣きながらがんばって登る。
M氏と3000mを目指そうって目標を決めたのでそこまではなんとか行きたかった。

途中で休憩してる2人の登山者と話したら九州からきてるって言ってた。
私と同じテンポのようだったのでちょっと心強かった(笑)

2ブロック登って休憩。
あと何回繰り返す?って上を見上げてカウントする。

山小屋はまだ遠くに見える・・・。

汗だく。


苦しい。
でも上に行きたい。

いや、せっかく来たんだから行きたいって思うっしょ。
辛くても行きたい。
でも苦しい。
胸が苦しい。

悔しいぞ。
なんか悔しい!
情けないし悔しい。

なんでこんなに苦しくなるのー???
これさえなければ、もっと早く上にいけるのに!


あとちょっとで7合目だ。
とりあえず3000mは最低でもいきたい。
でも本当は山頂まで行きたい!
あたりまえじゃん!
そのつもりだったんだから。

でも身体が言う事をきかないんだっつーの!!

ふらふら状態で7合目に到着。
地べたに座って菓子パンをほおばる。
「3000mクリアしたな」
うん、でも悔しいよー。

ゆっくり時間をかければ山頂まで行けるとは思う。
でもこれ以上M氏に迷惑かけたくない気持ちもあった。
8合目からはまたさらに急斜面になるらしいし、
私と一緒に登ってる限り、気を使わざる得ないだろうし精神的に疲れてしまうだろう。
私は今回は初登山だし、登山の厳しさも思い知らされたワケで、
ここで引き返すのがいいのかも知れない。
引き返すのも勇気のある選択。

リベンジしよう。
絶対。

まってろよ、富士!!!!!

な、感じで下山することにした。


さて降りるか。

って、下山もけっこーキツいんすけど!!!
急斜面ってのあるけど、滑りやすいから何度もころびそーになるし
靴の中で足が前にすべるから足の親指がズキズキしてくるの!
これはね、もう相当!!!
すでに脚はプルプルしてるから力はいらないしさ。
ヒーハー言いながら下った・・・。

髪も顔もほこりでジャリジャリ。
温泉でもはいろうってことになって、てきとうなところへ行ってみた。

またこれが、個人で営業してるところで・・・。
温泉の受け付けにはろれつのまわらないおじいちゃんが。
「風呂ねいまゴミが浮いててダメなんだよね、でももうひとつ浴槽あるし、展望風呂もあるから」
「汚いのは気にしないから大丈夫」
って入ったら、なにやらはっぱ?みたいなのがわさーっと浮いてた。
とりあえず身体洗って湯船に。
おじいちゃんが言ってた別の風呂に入ってみたら、
なんとホーローの湯船で情緒もなにもなく、ホーロー鍋で煮られているような錯覚になった。
で、展望風呂っていうのがやぐらみたいなのの上にあるらしいんだけど・・・
そこにハシゴがかかってるのでハシゴでのぼるんだろうな。
てか、すっぽんぽんでハシゴをのぼるってどーいう絵図ら?
ま、だれもいないしのぼってみっか。

蜘蛛の巣があちこちにあるし、そうじが行き届いてない。
こんなんもおもしろいなって思いながらやぐらのてっぺんへ到着。
これって・・・・・・みえるだろ!
って思いながら、まあ見られてもきゃーきゃーいう年頃じゃないしなって、ホーローの湯船につかった。
まあ、風が気持ちよくて富士山も見えるし、すてきといえばステキかもw

顔を洗いたくて、でもそれ用の石けんとかもないし、仕方なくボディーシャンプーで泡立てて顔を洗った。
で、化粧水もないので、まあ帰るだけだしって思って、持ち合わせてたファンデのベースを塗ってまゆげだけ描いた。

M氏もあがってきて、ちょっと休憩してご飯たべて帰ろっかって。

運転かわるよーって言ったんだけど、信用してもらえず(笑)
都内に戻ってきて、茶水の駅あたりでおろしてもらった。

本当にこんな私を引き連れてってくれて感謝です!

順番が逆なんだけど、とりあえず近くの山を登ってトレーニングします。
んで、リベンジ富士山!!


いや、まあ。
結局さ
グダグダの生活してるいいトシした登山経験のない人間が、突然富士山を登ったら・・・・・
こーいう結果になるってコトね。

がんばれば山頂までいけると思ってたのは事実だけど
でも思ってるより年齢的な体力っていうものが壁になるんだって
自分じゃ大丈夫て思ってても身体がいうことをきいてくれないって本当なんだって、
かるくショック。
でも。
そして、まけるもんか!!!!!
って負けず嫌いな感じ。

まってろよ! 
富士山。
また来るからな!!!!!



とりあえず、秋に紅葉見に近場の山にのぼってみるか。